第三話 青の花畑
知りたいこと。
まずは今、私がいる場所とクラスメイトについて尋ねた。
クラスのみんなの事については全く知らない様子で特に良い情報はない。
まぁ、でもきっと上手く逃げ出せた事だと思う。
そして私が今いるこの場所。
少し驚きだけど、どうやら迷宮内らしい。
ルリンさんは地下深くの一画に、自分が生きるための巨大な生存エリアを作り、かなり長い間ここで生活しているという。
見た目は私と同じくらいの年齢にも見えるけど、体は人形だ。
もしかしたら寿命が存在しないのかもしれないが……いや、でも信じられない。
ここが本当に地下深くにあるという事が。
だって……
「窓から入ってきてる光って太陽の光ですよね」
「全然違う、私がただ似せて作っただけの偽物だよ」
「ほ、本当の本当にここは地上じゃないんですか?」
「それは私が説明しなくても、後で外に出れば違和感に気づくと思う。まぁ地上が知らない間にここと同じディストピアに変わってたら、区別なんてつかないかもしれないけど」
ということらしい。
それなら早速外を歩いてみたくはあるけど、次の問題がある。
「あの……この腕と足について聞きたいんですが」
「あぁそれ、良いでしょ!フウカを外で拾った時、腕と足が無くなってたから代わりに取り付けたの!」
ルリンさんは、とても得意げに言った。
どうやらこの手の事に自信があるようだ。
「な、なるほど」
「見た目だけを取り繕う物とは違って、その義肢はちゃんと動くの。まぁそれも歩いてみれば分かる事かな」
何となくルリンさんの見た目から私の腕と足に関与しているなとは思っていたけど、やっぱりそうだった。
思った以上の凄い技術屋、もしくは魔術師らしい。
でも怖いな。
……よくしてもらえるのは嬉しいけど、ここまでの事を何の対価も無しにしてもらえるとは到底思えない。
やっぱりお金……?
私が気絶している間に別の服へ着替えさせられたみたいだけど、元々は結構ガッチリお金が掛かった装備してたしなぁ。
スタートから吹っかけれるように、サービスが手厚いのかもしれない。
後から聞くのも怖いし今のうちに聞いておこう。
「あの…………とても聞きづらいんですけど」
「なに?」
「この腕と足のお値段って、おいくらになるんでしょうか」
割と普通の質問だと私は思った。
多分、この手の治療法は地上だと馬鹿みたいな額を要求される。
消えてしまった腕を治すのに掛かるお金は、きっと平民では一生を懸けても払う事は出来ないだろう。
勇者として召喚され、この世界で蓄えた私の常識からの当然の質問、疑問だと思った。
「…………今なんて言ったの?」
「え、あの……腕と足の治療費は………」
だけどこれが良くなかったらしい。
ルリンさんの表情は親の仇でも見るような、殺意が滲む顔になった。
「ねぇ、いままでの話を聞いてた? 私は随分と長いこと迷宮の外に出てないって言ったよね? つまりお金なんていらないの」
「そ、そうでしたね。あはは……」
やばい。
何が逆鱗に触れたのか分からないけど、すっごく怒ってる。
本当に何が悪かったのか分からないから、どこについて謝れば良いかも分からない。
「なに笑ってるの。見て分かるよね?私が今怒ってるっていうの。あ〜もう、本当にイライラする」
「うっ……す、すみません」
「久しぶりに出会った人間に、初手からこんなに不愉快な気持ちにさせられるなんて思わなかった」
そう言うと彼女の姿が一瞬見えなくなり…………気づけば私の視線の先が天井に移っていた。
「あ、あれ…………うぐ?!ぐぐぐぐぐぅぅ?!?!」
いつの間にか体がベッドに転がされ、首を締め上げられてしまった。
片腕だけとは思えないほどの締めつけ。
これでも私は国で1番強い勇者と言われたのに、もがいても全く微動だにしない。
「あなたはお金が使える環境で良いよね!私は使いたくても使えないし、外に出たくても出られないの」
「く、くるじぃです!すみませんでじだ!!そんな事情があるなんて知らながっだんでず!!お願いなので許じでください!!!」
「無理」
向けられる凄い殺気。
視界がにじみ力が抜けていく。
これ……ちょっと死ねるかもしれない。
「本当に死んじゃいまず!!なんでもするので許じで欲じいでず!!!」
「私が助けなかったら魔物達に殺されてたんだし、死ぬのがちょっと遅いか早いかの違いでしょ。もう声も聞きたくないから黙って死んで」
首絞めに更に力が加わった。
音も遠ざかり、耳鳴りだけが響く。
何かを考えようとしても、思考が霧に包まれてまとまらない。瞼が落ちる。
私はゆっくりと意識を手放した。
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息が詰まり、喉がひゅっと鳴った。全身がびくりと跳ねる。
視界が一気に開け、脳が現実を取り戻す。
私は意識が覚醒すると同時に、絞められた首元に触れた。
触った感じだと多分、大した外傷は無い。
「生きてた……」
場所は変わらず気絶させられる前と同じベッド、同じ部屋。
外から入ってくる光は赤色だ。
夕方……ということだろうか?
「当たり前でしょ。まぁ普通の人なら絶対に死んでる程度には力を入れたけど」
「わぁっ!!!す、すみませんでした!!!!」
ずっと私の後ろで座っていたのだろうか。
気づかなかった。
「別に良いよ。私も久しぶりに人に当たれて良いストレス発散になったかもだし…………でも次、変なこと言ったら殺すけど」
「ハ、ハイ……」
「………………」
気まずい。
どうしよう。
命の恩人を初日で怒らせる事になるなんて。
ここからどう挽回すれば良いのか……緊張で脳がバグりそうだ。
「……そういえば何でもするから、許してとか言ってたよね?」
「は、はい!!私に出来ることなら義肢と先ほどの失言の分を含めて、何でもする覚悟です!!」
「そう。別にフウカに求めてる事なんて何も無いけど……とりあえず2回分、貸しという事で手を打ってあげる。寛大な私に感謝してね」
2回分。
命を助けらたのと怒らせてしまったのとで、2回という事だろうか?
「もちろんです!ありがとうございます!」
でも良かった……ルリンさんの方から切り出してくれた。
自分から何か言ってもまた琴線に触れそうで、ちょっと怖かったから正直助かる。
今度からはちゃんと考えて発言しないと……本当に殺されそうだ……
「なら遅くなっちゃったけど、一緒に外を散歩しようか、ここを案内してあげる」
「その……今からですか?」
外はもうだいぶ暗くなり始めているが……
「何か問題あるの?私と違ってフウカは充分寝たでしょ?それともお腹が空いたの?」
『お腹が空いたの?』
その言葉が耳に届いた瞬間、喉の奥がひりつき、胃の底からせり上がるような感覚が襲ってきた。
私は突然発生した強烈な吐き気を、奥歯を噛みしめ必死に押し殺した。
「え、何?なんかここで黙り込む要素あった? あー……本当にお腹が空いてるなら、一応食べ物を用意出来るけど?」
「いえ、別に……大丈夫です……案内お願いします」
「…………?それなら行こっか」
何故こんな状態が急に起こったのか。
心当たりは一つしかない。
食べる…………いや、食べられる。
……ルリンさんの言葉で、私は蟲に体の一部を喰われたことの記憶がフラッシュバックした。
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ルリンさんに誘われ部屋を出ると、驚きの連続であった。
まず目に入ったのは、巨大な廊下と扉の数々である。
私が寝かされていた部屋が妙に大きかったのが気になっていたけど、この景色を見て理解した。
ここ、とんでもない豪邸だ。
自分の部屋や浴場を覚えるのすら、一苦労かもしれない。
というか……
「質問よろしいでしょうか!」
「後にして。っていうか自分で歩いてくれない?」
「それは絶対に無理です!」
「ねぇ……その足、何のために付けたと思ってるの? 自分で歩けるようにするためなんだけど」
「非常に言いにくいんですが……この義肢って他の誰かに付けてみたりしましたか?」
「は……何それ?私の作品の出来が悪いって言いたいわけ?」
実はこの義足、言っては何だけど凄く歩きづらい。もちろん腕もまともに動かない。
まず部屋から出る前、ベッドから立ち上がり始めの一歩を踏み出そうとした時点で転けた。
もうその時点で違和感がマシマシだった訳だけど、流石に善意で取り付けてくれたものに対し、文句を言う訳にもいかず、自分の体調不良のせいでまともに歩けないと言い訳を通した。
「い、いえ!違います。私が言いたいのはルリンさんと違って自分は不器用なので、こういうものの扱いがあまり得意ではなくて……」
「なら部屋を出る前にそう言いなさい。こうやって手伝うのはそれが馴染む間だけだからね」
なんとか会話を軌道修正したけど、よく考えればこのルリンさんの魔術?もおそらく迷宮内で暮らし始めてから覚えた可能性もかなりある。
そう思うとこの義肢について他の誰かで実験したか?、なんてアウト側の質問だったかもしれない。
こんな場所で暮らしていたら、人と出会えないだろうし。
「それとその四肢が動くのは私の近くにいる間だけだから、あまりこの建物から離れすぎないで」
『私の近くにいる間』だけ……?
この言葉だいぶヤバい。
ここで私が最初に聞きたかったポイントに繋がった。
……まずこの屋敷の中を歩いているのはルリンさんと私だけではない。
「あの…………部屋を出てからずっと聞きたかったんですが……」
「なに?まだ何かあるの?」
「周りを歩く人達の顔が、ルリンさんと凄く似ているっていうか……」
「あぁ、これね」
もう似ているという次元ではない。
全員が隣で私を支えてくれている少女と全く同じ顔なのだ。
ここでしばらくの間生活するとなったら、この中から本物のルリンさんを探し当てなければいけないのだろうか?
日本では男性が女性の名前を呼び間違えると、周りから袋叩きに合うイメージがあるけど、この世界ではどうだろうか?
……この女の子達は顔だけではなく姿や服装までも全くなので、間違えないというのはほぼ不可能だ。
難易度が高すぎる。
「う〜ん、説明すると長くなるしまた別の日に話そうかな」
「べ、別の日?!これ私の中だと結構重要な問題ですよ?!?!」
「あなたにとって重要でも私にとってはどうでも良い事なの。今はここにいる人形全員が使用人でしかないって頭に覚えておけばいいわ。ほら、そろそろ外に出るよ」
彼女は私の焦りなど微塵も気にしない様子で、玄関の扉を開けた。
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扉を開けると、ひんやりとした夜風が頬を撫でた。
目の前にはまっすぐに伸びる一本の道。
人工的な月明かりに照らされた石畳は淡く光を帯び、その両脇には青い花々が風に揺れている。
とても大きい花園。
一面咲き乱れているのは、ルリンさんが髪に付けているものと同じ花だ。
……そして視界の端に映る、少数の様々な種類の魔物達。
「聞くのが遅かったかもしれないけど、流石に家畜化された魔物に驚いたりしないよね?」
「はい。完璧に管理されている魔物には、私の加護も反応しないようですから」
「加護……?まぁいいわ」
家畜化された魔物。
私達を召喚した国にその技術は無かったけど、他国にはそういう文化も存在すると聞いた事がある。
でも、たとえ神様が一瞥すらしないほど脅威が無い相手だとしても……今の私には、目に映る魔物の存在が少しばかり辛いものではある。
ここにいる理由が魔物に殺されかけたというものだから。
そんな事を考えている中、ルリンさんはふと足を止めたかと思うと、私のそばを離れ、ゆっくりと花園の方へ歩き出した。
呼び止める間もなく、その背中はひとつ、またひとつと軽やかな歩幅で遠ざかっていく。
そして、咲き誇る花々の前でそっと膝を折り、柔らかく微笑みながら指先で花弁をなぞった。
「何をしてるの。早くこっちに来て座って」
「えっ?あっ……はい」
不意を突かれたまま呼ばれた私は、わずかに足を止めた。
それでも、視線の先にいる彼女の姿に引かれるように、ためらいがちな足取りのまま、やがて彼女の隣に腰を下ろした。
そこから二人で花を眺めるには、少し長く感じてしまうほどの時間が経った。
1時間……いや、3時間ほどだろうか?
地上なら真っ暗で何も見えない時間ではあるけど、ここでは人工的な淡い光によって青い花達が鮮明に見える。
「あの、この花達がどうかしたんですか……?」
私に花を見つめる習慣など無いので、流石に他人に強制されてこの時間を過ごすのには耐えられない。
外に連れ出されてからすぐこれなのだ。
いきなりすぎて理解できない。
だからこちらから話しかけたのだが、返事がない。
仕方ないので体に触れてみると……
「あっ。そういえば私以外に人がいたんだった」
自分から隣に座るよう言っておいて、私の存在を忘れていた……?
「その、もしかして体調不良だったり……」
「違うわ。これはいつもの習慣なの」
「花を見ることがですか?」
「そう。女の子なら別に普通でしょ。あなたをここに招き入れたせいで少し、いつもとペースが狂っちゃった」
……やっぱり何か少し様子がおかしい。
花を見つめ出してから、凄く落ち着いているように見える。
まるで彼女の生気が、失われているようにすら感じる。
……これなら丁度いいかもしれない。
ちょっと踏み込んだ質問をしてみたかった。
「…………質問良いですか?」
「貴女はここに来てから質問ばかりだね……」
「初めて踏む土地だからこそ、知る事は大事だと思いますよ?」
「そうだね、その通り……でも、できるだけ頭を使わない内容でお願い」
うん。
いけそうだ。
「どうしてルリンさんは、こんな場所で生活を……?」
この空間が本当に迷宮内だとして、私はこの人がここに住んでいたからこそ助かったわけだから、とてもありがたい。
だけど、なんで迷宮内でわざわざ暮らす必要があるのだろう?
例えばの話をしよう。
実はこの屋敷を作ったというのは大嘘で、偶々こういう静かで安全な空間が、迷宮内に存在していた。
そして更に偶然そこにルリンさんが迷い込んで、迷宮から脱出できず長い事ここに居座ることになった……。
という話ならまだ、私が助けてもらったついで、一緒に地上へ戻るという提案をする事が出来るわけだが……
「ほんと、何で何だろうね。自分でもそれはよく分からない……かな」
「え……なら、一緒に地上へ戻りませんか?」
「それだけは絶対に無理」
とても静かだけど力強い否定だ。
そして分かっていた事だけど、この例え話は完全に破綻している。
まずこの人は私より遥かに強い。
この時点で答えがでていた。
それ以上に同じ顔の人形が複数人、屋敷を歩いている時点で、状況は混沌としているわけだけど。
そんな力ある人が何故、ここで暮らす必要があるのか?
「なんでこんな所で生活する必要があるのかは、自分でもよく分からない。でもここから私は出ちゃダメ」
「…………」
「それだけは理解してる」
その言葉に悲壮感は感じない。
もうとっくに諦めていて、諦めがついているだけかもしれないが。
「……そうですか。すみません、多分、かなり失礼な質問でしたよね」
まぁこれ以上は、深く踏み込む必要もないかもしれない。
私が助けになる事の出来る話でもなさそうだ。
気分を切り替えよう。
「別に良いよ。もう時間も遅いし、案内はまた明日にしようかな」
ゆっくりと立ち上がり、背伸びをしながらそういう彼女。
私もそれに続き体を起こす。
「あはは……そうですね」
外の案内は何一つ進まず、何故か花を一緒に見るだけで終了してしまった。
……さて、今日の夜は眠れるだろうか?
ルリンさんと違って私は気絶している時間がちょっと長すぎた気がする。
生活習慣が狂ってしまいそうだ。
ふと、そんな考えを浮かばせていると……
「ねぇ、フウカ。花は…………好き?」
突然、何でもない問いが飛んできた。
ルリンさんは正面を向いているので表情が見えない。
まぁ顔や声色に関係なく、答えは決まっているのだが。
「そうですね。好きか嫌いかで言われたら、好きだと思います」
「どうして?」
ここから『どうして?』という深掘りをされるとは思わなかった。
好きに特別な理由があるわけでもなく、花の好みにこだわりがあるわけではない。
ただ一つだけ、お母さんから貰ったものがある。
一度も誰かに答えたことはないけど、別に言うのに抵抗はない。
「う〜ん、私のフウカという名前。親が風に舞う花という意味を込めて付けてくれたんですよ」
生まれた国も世界も違うので、意味合いなんて伝わらないと思うけど。
「……………………」
「自分の名前の由来になったモノだと思えば、まず嫌いにはならないですよね。それに綺麗ですし」
他には自由に育って欲しい、とかも言われた気がする。
小学校で自分の名前を聞いてくる宿題が出た時に、私が家族に質問攻めを行ったのでよく覚えている。
「そう……凄く良い答えだね、それ」
花をずっと眺めていた彼女が、ようやくこっちを振り向いた。
「え? 別に普通の事しか言ってないと思うんですが?」
「…………長いこと花ばかり見てると、当たり前だった事も忘れてしまう」
そう言いながらルリンさんは、静かにこっちへ歩み寄った。
朝起きた時に見たものとは全く違う、柔らかな眼差しをしている。
ほんの僅かな時間、お互いの瞳が交差させ、ぼんやりとした空気の中、私の右手に意識が集中する。
「丁度良かったのかもしれない」
「…………?」
今、この人は何を考えているのだろう。
私には分からない。
だけど何か、まるで憑き物が取れたようにも見える。
「忘れてしまったことや、過ぎていってしまった事を取り戻す良い機会かも」
ふと、私の下ろされた右手を、ルリンさんの指先が軽く触れ、まるで失われたものをそっと取り戻すかのように掬い上げた。
……触れられた手は予想通り、見た目通りに温もりを感じさせず、冷たい。
「ここの案内が終わったら、色々と外の出来事を聞かせてもらおうかな」
「はぁ、別に良いですけど。そんなに物事を多く知っているわけではないですよ、私」
「私には色々知ってそうに見えるけど……まぁ良いや。中に戻ろっか」
「……そうですね」
あとがきです
最後まで読んでもらえたようで嬉しいです。
続きもお楽しみください。
tips
ここで語るのもおかしいかもしれませんが、魔族の尻尾について語らせて下さい。
この作品での魔族の尻尾は、変わった特徴があります。
一つ。
まず尻尾の形状についてですが、猫のようにふさふさしてて柔らかいわけではなく、どちらかというと硬めでつやつやしてます。
分かりやすく例えるなら、東京◯種に登場する主人公の赫子にかなり近いです。尻尾の色も黒めです。
二つ
その尻尾は先っぽの部分が分裂させる事が出来ます。
尻尾で刺した相手の魔力を効率良く奪うことができますが、もちろん口を使って相手を喰べることも出来ます。
この世界の魔族は【味わう】という行為を楽しむ為、効率を求める尻尾での捕食行為は、継戦状態の補給ぐらいでしか使用しません。
刺された相手は基本、魔力欠乏で死にます。
ここまでファンタジー側の設定を書いていますが、恋愛描写優先です。