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短編

「ビー玉」

作者: hakucv




 私はアイドル。皆、私の美貌に酔いしれて、猿みたいにお金をくれるの。お陰で欲しいものは何でも手に入る。休日にはワイン片手にオペラ鑑賞もできるのよ?貢ぐ本人は木の実を齧っているなんて、男って哀れなこと。


 今の私の彼氏は有名俳優。高い焼肉に誘ってあげたらホイホイついてきちゃって。お酒を飲ませたらはい、ゲット。簡単すぎて笑っちゃう。でも、彼の主演ドラマを横目に本物手元にいるのはとてもいい気分だわ。しばらくはこれだけでお酒が飲めるくらいにはね。



 ……ある日、私の熱愛報道が出ちゃった。生放送で彼がポロッと言ってしまったの。私は急いで尻尾を切った。

 でもやっぱりお猿さんね。皆私を庇ってくれる。むしろ、自分にも狙えるかもって思ったらしく、私のお金がもっと増えちゃった。やっぱり美しいのは正義なのよ。





 ……写真を撮られていた。相手は私のファン。だって仕方ないじゃない!ホテルに行くだけで1000万よ?そんな美味しい話、誰だって食いつくに決まってる。でもきっと大丈夫。お猿さん達はまだお金をくれる。


 だって私はまだ美しいから。






 ……



 私の手元には1枚の紙。事務所から契約を切られてしまった。お猿さん……ファンの人も助けてくれなかった。皆が私にお金を出していたのは私の美貌じゃ無かった。

 きっと、「アイドル」の私にお金を出してくれていたんだ。


 でも、そうよね。ラムネ瓶のビー玉は喉から手が出るほど欲しくても、取り出せてしまったらゴミ箱に捨ててしまうもの。





サクッと読めそうなものを他にも投稿しているので、ぜひ見ていってくださいね。

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― 新着の感想 ―
面白かったです。  単なる、傲慢な女性が落ちぶれてスカッとする話ではないと感じました。  この女性が過ちに気付けて、本当の美しさを手に入れたらいいな、と思います。  ありがとうございました。
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