銀河英雄伝説のブラウンシュバイク公とフォーク准将の違い、そしてなろうのダメなざまぁキャラについて
こんにちは、ざまぁ大好き騎士ランチです。突然ですが皆さんは銀河英雄伝説って話知ってますか?このページ開いてるなら知ってますね。
よっしゃ、なら銀英伝の説明は省略。そこに出て来た二大ざまぁキャラについて語るから聞いて!
フレーゲル、ワロタ、ロックウェル、ホーランド、ゾンボルト、フェザーンのハゲ、地球教のハゲ、ラインハルトの親父、カストロプ、トリューニヒト。数々の魅力的なキャラ、どれもこれも素晴らしい因果応報を迎えてます。
たが、銀英伝ざまぁ一位と二位を選ぶとなると、ブラウン公とフォーク准将は外せない。何故なら、彼らは全く逆のベクトルでざまぁキャラを極めた存在だからです。
その対比は以下の通りになります。私の個人的感想です。
【比較1:身構えてた所に来る笑いの神がブラウン公。身構えてない時に来た死神がフォーク】
まず最初に語っておかねばならない事は、ブラウン公は最序盤から入念に準備されたざまぁキャラの大ボスで、フォークは完全に後付けで登場したざまぁキャラという点です。どちらもざまぁされる為に生まれたキャラですが、その実体はまるで違います。
ブラウン公はあの世界に生きる一人の人間としてしっかりと最初から描写されており、だからこそ読者は安心してやられる姿を見る事が出来ました。
一方フォークは、いつの間にか世界の中へ出現してました。ロボス元帥に気に入られている参謀なら、それこそ一巻からおらなアカン存在なのに何の伏線もなく物語の人気最高潮のタイミングで現れたのです。
銀英伝は様々なメディアミックスがされてるので、大侵攻より前の時点でロボス元帥の部下としてフォークが登場する作品があっても良さそうなのですが、外伝とかで、この時の戦いでフォーク参謀してましたとかで名前が出るに留まってます。
公式・公認の作品では大侵攻までの間ずっと【←多分この辺にフォーク】状態なのです。
なので、原作読者も旧作アニメ視聴者もフォークなる奴が居た事を知ると「え?は?え?」となってしまいました。
「身構えてる時に死神は来ないものだハサウェイ」とはフォークの名言ですが、このフォークこそが身構え様が無い、避けられない死神だったのです。
【比較2:倒しがいのある大物がブラウン公、倒しても何も得られない小物がフォーク】
ブラウン公はあの世界の旧体制の象徴たる大人物です。作中ではひたすら自滅を繰り返し無様に死にましたが、社会を回す巨大な歯車だったのは間違えようの無い事実でした。実際、それ程の影響力や実行力があった人物だからこそ、降伏が許されず死ぬしか無かったのだし、アンスバッハに慕われていたのです。
一方、フォークには慕ってくれる人も居なければ、フォークを殺そうと考える人も居ません。このエッセイを書く前に銀英伝のコミックをざっと読み返したのですが、フォークってロボス元帥やグリーンヒル大将や同盟議員や地球教との会話が全く無いんですよね。特別なコネがあって出世したという設定が完全に死んでます。同盟・救国・地球教・カラバ・ロンドベル、数々の勢力を転々としたフォークですが、どの職場でも他人と付き合いが出来ない奴として扱われ、使い捨ての鉄砲玉かヘイトタンクに回されてます。
なので、フォークを殺しても何も変わりません。彼はただの社畜ですから居ても居なくても社会への影響は微々たるものなのです。
本編開始前にブラウン公を暗殺しようものなら、銀河の歴史は間違いなく別物になるでしょうが、本編開始前にフォークを暗殺しても、フォークの役を別のモブがやるだけです。
上記二点の他にも、【何考えてるのか丸わかりなブラウン公と何考えてるのか分からんフォーク】【メニュー写真よりデカ盛りで出されたランチがブラウン公で満腹になった時にいきなり出されたお通しがフォーク】【主役を引き立てる大御所俳優がブラウン公で主役を引き立て役にしてしまったエキストラがフォーク】【ファンを沸かせたのがブラウン公でファンに冷水を浴びせたのがフォーク】【オールドタイプ悪役の集大成がブラウン公で元祖ニュータイプ悪役なのがフォーク】などが挙げられますが、まとめると、二人はどちらもざまぁされる悪役てすが、真逆の存在であると言う事を覚えておかねばなりません。
で、なろうのざまぁキャラが色々と叩かれている原因についてですが、その理由として大きいのが『ブラウン公とフォーク准将をごっちゃにしてる』からだと思うのです。
ブラウン公みたいなキャラは主人公へ嫉妬しないですし、フォークみたいなキャラは世界を混乱に導く元凶にはなり得ません。ざまぁキャラにもそれぞれの役目や得意分野があるのです。なので、ざまぁキャラを作る時はブラウン公とフォークのどちらに寄せるかを決めて、意識しながら書けば…、
なろう作者「よーし、ざまぁ展開で読者を釣るぞー。ブラウンシュバイクやフォークみたいな事を追放した勇者にやらせまくればええんやな?」
あーっと、これはいけません!
先程説明した様に、ブラウン公とフォークは水と油。彼らの持つ要素は両立が難しいのです。
なろう作者「よしでけた!この勇者はナローシュの優秀さをまるで理解しておらず、ナローシュに嫉妬して罪を被せて追放したクズや!今まで活躍出来たのはナローシュのおかげて本当実力はE級相当なんや!ちなみに、ナローシュを荷物持ちとして仲間に入れたのは半年前で、その時点でA級冒険者やったで!」
ざまぁされる為に高度で柔軟なキャラ造形を維持して臨機応変にやりたい事とやれる事がコロコロ変わる様は、ある意味万能チートナローシュの対の存在ですが、それはつまりそのざまぁキャラを書いている作者が何も考えて無いと読者に思われても仕方の無いという事だー!
なろう作者「ほげえええ、批判コメントまみれやあああ」
ほら、言わんこっちゃない!大丈夫ですか、作者様!
なろう作者「コメント一杯、ポイント一杯。計算通りやぁ〜」
なら良いんだ。
なろう作者「気持ちええ〜」
そんな君を見て、僕も気持ちええ〜。
ブラウンシュバイクとフォークを混ぜるのは悪手だが、そこからしか得られない中毒性のある快楽物質は間違いなく存在する。