08話 生活に彩りを(笑)
誤字・脱字・文法の誤りがあったらごめんなさい
家を購入した翌日だ。
「今日は実にいいニート日和だぜ」
さて、今日も一日中家の中でゴロゴロするか。
エルが、なんかもう、いろいろと悟ったような目をしているが、キニシナーイ。
……。
「ぐふふふ」
市場の裏で手にいれた猥本を読む。
買ってきたもののほとんどはエルに処分された。
だが、気に入った何冊かは影の異空間にしまっておいたのだ。
「ぐふふふふふふ」
ああ、たまらんわー、こりゃー。
俺はノーマルのつもりだが、どうにもロリコンや熟女好きに開眼しそうな気が……。
一度は鬼畜道に堕ちてみるのも悪くはないかも……。
げへへへ。
ゾクッ!
周囲に殺気が膨れ上がる。
……。
恐る恐る後を振り向く。
……。
「エルよ……、天使が他者にたいしてそれだけの殺意を放てるなんて……。堕天しないのが不思議だぜ(キラッ)」
ガシッ、ギリギリギリギリッ!バキィッ!
バタンッ。
ビクンッ、ビクンッ、ビクンッ。
直後。
リンゴーンッ!
呼び鈴が鳴る。
外にお客さんが来たのだろう。
しかし、頭蓋骨を握り潰された俺はそれどころではなく、リビングの床で悶えていた。
「ぬおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!」
けれど。
「ご主人様、うざいです♪」
カッ!
小規模の、されど尋常では在り得ないほどの密度の聖なる光で撃ちぬかれた。
ビクンッ、ビクンッ、ビクンッ、ビクンッ。
「あっ!シーファさん!」
そう、さけんで俺に近寄ってきたのは、先日町で出会った女の子。
夏の華のように元気いっぱいの笑顔だ。
ウェーブのかかった金髪や輝くような碧眼が可愛らしい。
尤も。
「だ、大丈夫ですか!?」
俺は、頭部から夥しい量の血を流し、全身から煙を噴き上げて倒れ付していた。
ビクンッ、ビクンッ、ビクンッ。
……。
「私の名前はアナスタシア、アナスタシア・フォン・バレッタリートと申します。娘の名はミレイ」
俺の目の前にはアナスタシアと名乗る妙齢の美女が座っていた。
長い闘病生活のせいか、頬がこけていたりする。
しかし、それでも美女と言い切れてしまう程だ。
髪も含め全身が雪のように白く、その中で瞳だけが煌々と赤い。
病の後遺症だろうか……。
「このたびは、私の命を救っていただきました。そのお礼がしたいのです」
どうにも、娘のミレイが、俺の見せたギルドカードと名前を覚えていたらしく。
その情報をもとにここに来たらしい。
「白病を患って以降、私は娘一人を残して死ぬことを覚悟していました。ですが、私の命は貴方様に救われました。何か礼をさせてください」
……そんな事言われてもなぁ。
正直、悩む。
俺は金には困っていないし、そこまで女に飢えているわけでもない。
飯はエルがいるから心配もいらないし……。
土地や住むべき屋敷も手に入れている。
うーむ。
悪魔らしく、命を要求するのもいいが、せっかく助けた命を要求するのは本末転倒だ。
いや、本当に悩む。
……。
目の前の女性はおそらく、人類最高位の魔術師だろう。
その身にまとう魔力の密度からして、人間の持てる力の限界を大きく超えている。
戦力としては十分すぎる。
これほどの力の持ち主なら、天界や魔界、人間界の各国が欲しがるはずだ。
……。
まぁ、俺は戦力など欠片もいらんが。
「どうしますか、ご主人様……」
「悩むね……」
正直、「いらね」と言って追い返したいのだが、アナスタシアの雰囲気からそれは無理かもしれない。
彼女の目にはある種の決意がある。
もし、この場で俺が「死ね」と要ったら、本気で自害ぐらいはするかもしれない。
ここで、彼女が納得できなければ、彼女自身が自分を許せないのだろう。
その目を見れば理解できる、彼女は高潔な人間だ。
自らの命を助けられたのなら、それ相応に値する恩を返さねば気が済むまい。
……困ったね、どうにも。
「……♪」
ふと思いついた。
これほどまでに、できた女なら俺に侍らせるのも一興。
俺は美女や美少女が大好きだ。
それに、目もとや雰囲気が優しげなのもポイントが高い。
母性というやつかねー。
エルも好きだが、たまには癒しが欲しくなる。
ミレイも将来は十分美人になるだろう。
命名・光○氏計画。
よしっ!
「アナスタシアといったか?」
「はい」
「お前、俺の肉奴隷に…………………………」
……。
「ゴメンナサイ、ナンデモナイデスユルシテクダサイ、ジブンチョウシニノリマシタ、ホントスイマセン」
ガクガクブルブルッ!
後から吹き上がった膨大な殺気と神力に心がへし折られる。
脳裏には先程のアイアンクローと光の矢がフラッシュバックする。
ガクガクブルブルッ!
「ご主人様……………………………………………………………………、潰しますよ♪」
!
口から泡を吹いて気絶しました(笑)。
結局、アナスタシアとミレイは住み込みで俺の侍女になることになった。
尤も、ミレイは幼いために侍女見習いだが。
本人たち曰く、「生涯お使え致します///」「よろしくお願いします、シーファ様」だと。
こんなんで、多少嬉しく感じるあたり……。
そろそろ、職業・悪魔すら廃業かね?
まぁ、ひとつよろしく頼みますわ♪