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22話 ……やり過ぎた?

誤字・脱字・文法の誤りがあったらごめんなさい


スランプ継続中

 眼下にはルナ大公国首都・エラトステネス。

 そして、そのエラトステネスを囲んでいる魔族兵達。

 魔族兵の中に魔獣等の獣姿が多いのは、今回の黒幕の影響だろう。


 首都エラトステネスは四方を高い城壁に囲まれている。その城壁は外から見るものには難攻不落の顔を、内から見るものには絶対なる守護者の顔を見せている。

 しかし。

「ひどい……」

「「「「「……」」」」」

 リーナの言葉があたりを漂う。

 リーナ以外の人々も思わず黙り込んでしまう。

 エラトステネスを永い間守り続けてきた城壁は、所々が黒ずみ、城壁のいたるところに無数の亀裂が走っていた。

 幸いといって言いのかわからないが、今のところ内部には被害は出て居なさそうだ。



「リーナ、連絡は?」

 船の奥から出てきた、リーナに問う。

「はい。一応、お父様に繋がりました」

「で?」

「お父様は、私に「逃げろ」の一点張りで聞いてくれません」

「……ふむ」

「ですから……」

「……」

「私の名前において、好きにやっちゃって下さい」

「ほう……。好きに、ねぇ」

 思わず顔に笑いが広がる。

 ……ならば、好きにさせてもらおうか。


「では、行ってきます、ご主人様」

「ご武運を、我が主」

 エルとスターシャが出撃の声を掛けてくる。

「おう、気をつけろよ」

「エル様、お母さん、がんばって!」

 二人はこちらに顔を向けて優しく微笑むと。

 ダンッ!

 船の縁から地上に向けて飛び降りた。


「おおうっ」

「///」

 飛び降りた際、侍女服のスカートの奥に群青と漆黒の下着が見えたのはご愛嬌♪

「エルの青は、……まぁ、あれだが。スターシャよ、黒とは随分と……」

 横でミレイが顔を真っ赤にさせていた。


 ゴホンッ。

 とりあえず素敵画像は脳内に保管して、意識を切り替える。

 

 ……さて。

 念話で奴隷と騎士の二人に告げた。

(久々の祭りだ、好きにやろうぜ)

 同時に、戦略級魔術を実行する。


「我が名を持って、千の刃となれ。穿て、天雷!」



 ―――エル―――


 上空から千を超える数の雷が降り注いだ。

 器用にも私とスターシャを外し、魔族の密集している場所を直撃する。

 ……おそらくはご主人様。

 ならば、この流れに乗らない手はない。

 自身の属性は、風と大気。

 風に自らの力を乗せる。

「風よ」


 ……。

 白銀の風が魔族を蹂躙した。



 ―――アナスタシア・フォン・バレッタリート―――


 上空から千を超える数の雷が降り注いだ。

 船から飛び出した私達を狙おうとしていた魔族達が一瞬で灰燼となる。

 ……流石は我が主。

 今の魔術は間違いなく戦略級、それを単身で、しかも即時発動したのだ。

「元・魔王というのも頷けます。……私も負けてはいられません」

 顔に微笑が浮かぶが、直ぐに引き締める。

 自身が使う魔術の中で、最も広範囲・高威力なものを選択する。

「全天の星達よ、我が願いを聞き届けよ」


 ……。

 天より降り注いだ何百という数のレーザー光が魔族を蹂躙した。



 ―――シーファ―――


「……」

 隣でリーナが絶句している。


 俺の天雷に続いて、エルの聖なる風とスターシャの星の光剣。

 戦略級を三連撃。

 元・魔王と元・天使長、人類最強の魔術師の三人による、蹂躙劇。

 ……。

 俺が肩車していたミレイが、はしゃいだ声を出す。


「うわー!見てくださいシーファ様♪まるで魔族がゴミのようです!」

 ……。

 思わず、ポツリと一言。

「……やり過ぎた?」


 ……。

 二人が早々に船に戻ってくる。

 悪夢の三連撃が終わると、生き残っている魔族は片手で数えられるくらいしか居なかったのだ。

 それも耐えたのではなく、偶然生き残った感じで。

 ……。

「ヒット&アウェイのつもりが、ヒットで終わってしまった……」

 思わず渋い顔で呟く。

 ……。

「……やり過ぎました」

「すいません、つい……」

 前者はエル、後者はスターシャである。

「……ま、まぁ、いいんじゃね?」

 ……エラトステネスの周囲の地形が大規模に変わっているような気がするが、気にしないことにする。


 ちなみに、そう会話を交わす俺たちの横で。

「「「「「……( ゜Д゜)」」」」」

 ……。

 ルナ大公国の主従一同は終始石になっていた(笑)。



 ―――グリード・テスタ・フォン・ルナ―――


 リーナから、「手勢を率いて救援に来る」と連絡が入った。

 クリスタルクラウンに逃げろと言ったのだが……。

 その心遣いを嬉しく思う反面、言うことを聞かないリーナに腹立たしくもある。


「お父様……、お姉ちゃんは……」

 私の前にいるのはリーナの双子の妹、ユウナリーア・フォン・ルナだ。

「ああ、逃げろと言ったのに、……親不孝な娘め」

「お姉ちゃん、なんで……」

 もうこの国には魔族の猛攻に耐える力は残されていない。

「……なんで…………」

 再びユウナがポツリと呟く。

 ……。

 二人して、沈痛な面持ちをする。

 と、突然。


 ドゴォォォオオオオオオオオオォォオオンッ!

 世界を揺るがすかのような轟音が響き渡る。

 次いで。

 ゴォォォォオオオオオオオオオォォォオオオオウッ!

 ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドンッ!

 再び、世界を揺るがすかのような轟音が響き渡った。


「な、なんだ!」

「なに!なに!?」

 二人して混乱の極みに達する。

 魔術先進国たるこの国ですら感じたことのない程の魔力量を感じた。

 もしかして魔族が大規模な魔術攻撃を仕掛けてきたのだろうか?


 ……。

 しばらくすると、通信官が駆け込んできた。

「何があった!」

 詰問の声に、通信間は膝まづいて報告する。

「ほ、報告します!たった今フィーレリーナ様より、通信が入りました」

「何だと!?どのように?」

「はい、「城壁の外にいた魔族は全て殲滅した」、と」

「「!」」

 私もユウナも絶句する。

 ばかな!

 千を超える魔族の軍勢を一瞬で殲滅しただと!

 ……しかし。

 リーナは嘘をつくような娘ではない。

 だが……。


「か、確認は?」

 思わず、語尾が震えてしまう。

 と、今度は魔導騎士団の副団長が駆け込んできた。

「グリード様!」

「なんだ、どうした!?」

「報告します!城壁外部に居た魔族は一匹残らず消滅しておりました!」

 !

 今度こそ本当に絶句した。


 あまりの事に思考が停止してしまう。

 しかし、三度何者かが駆け込んできた。

 衛兵だった。

「グリード様!」


「フィーレリーナ様がお帰りになられました!」

ご感想・ご意見・各種批評・間違いの御指摘などをお待ちしております


思うように書けない……。

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