家族の形
バァン
家中に大きな音と父の怒鳴り声が鳴り響く。
「なぜなんだ、アザミ!」
〈数時間前〉
「えっ、もっかい言ってくれる?」
「私を魔法軍学校に入れてくだい。」
唖然としていた軍医に私はハッキリと言った。
「君、本当にいいのかい、世間ではB +ランクの魔力を持った人は勝ち組とまで言われているんだよ。民間でも魔力を必要とした仕事はたくさんある、それもB +とまでなれば一生食うのには困らないぐらいなのに。」
「いいんです。私は軍に入らなきゃいけないので。」
「そうか、まあ一様家族と話し合ってくれ、これは魔法軍学校の入学に必要な書類だ。」
そう言って軍医は、私に茶封筒を渡してきた。
「ちょ、ちょっとアザミ本気なの?軍に入りたいって」
話に置いてけぼりになっていた、母がはっとして、慌ててそう言ってきた。
「うん、本気だよ。」
「なんで、なんでなの?」
「私は軍に入る用事ができた。それだけだよ。」
「だから、はぁ、まあいいわ、アザミは昔からこうだし、アザミが本気で軍に入るっていうのならお母さんは応援するわ。でもね、アザミ。」
そう言って母は、今まで感じたことのない強さで私をギュッと抱きしめてきた。
「ちょっと寂しい、今まで、拾ったとはいえ、自分の本当の子どもと思って育ててきた。普通の学校行っていつのまにか大人になって結婚もして。そうゆう人生でも送るとでも勝手に思ってた。でも、いつのまに、大きくなったのね。」
そう言った母の目には涙が溢れていた。
私も涙が溢れそうになった。だが泣かない、泣いてはいけないのだ。ここで泣いたら、自分の覚悟が消えてしまうから。
〈今〉
「だから、何度も言ってるじゃない!私は軍に入らなきゃいけないの!」
父に対抗するように私も声を荒げて言う。
「はぁ、ちょっと、オリンおまえもなんとか言ってくれ」
父が母の方を向いて言う。
「うーん、私はアザミのことを応援したいんだけど。」
「えっ、おまえじゃあなんだ、アザミが戦地に出されて死んで帰ってきてもいいって言うのか!」
母のその言葉に父が激高し、また声を荒げる。
「別にそんなことは言ってないわよ!でもね、アザミが軍に行きたいとゆうのならば、それを応援するのが親ってもんじゃないの?」
母も父の言葉に対し、そう激高する。
「俺は、俺は、おまえをそんな薄情なやつだとは思わなかった!」
「はぁ、何よそれ、私はただ純粋に…」
「俺はな、アザミを本当の家族として思っているが、おまえはどうなんだ!アザミをここまで育てて愛情とか湧かなかったのか!」
私を置いて二人の喧嘩は白熱する一方だ、自分のことでこんなに争ってほしくはない、これは自分で決めたこと、この喧嘩も私が原因、なら、私はカクゴを決めて、叫んだ。
「二人ともやめて!」
『!!』
突然、私が叫んだことに驚いたのか、二人がこちらを向いて固まった。
「これは自分で決めたことなの!お父さんにとやかく言われる筋合いはない!」
「でも、アザミ俺は…」
父のうろたえた顔を見て、私の覚悟が少し揺らぐ、だが、ここで諦めちゃいけないと思いを決め、とびきりの笑顔でこう言った。
「大丈夫、私が死ぬかもって心配しているんでしょ。大丈夫私は軍でやることやって帰ってくるまで絶っっ対死なないから!」
「くっ、あ~もういい勝手にしろ、だがアザミこれだけは約束してくれ、絶対死なないでくれ、たとえ仲間から卑怯者とでも罵られようと生きて、生きて、生き続けてくれ。それができるなら行ってもいいぞ」
私のその言葉と表情に、諦めがついたのか、父はそう言った。
「わかった約束する。」
そう言って私は、父との約束に【嘘】をついた。
「よかったわね、アザミ。」
「うん」
そうだ、これは私が決めたこと、私の道なんだ、どんなに苦しくても辛くても、進まなくちゃいけないんだ、たとえ、それが正しくなくとも。
今後の作品作りの参考にしたいので、感想やここがダメとかいう批評文などを、送ってくれるとありがたいです。