プロローグ
この世界には魔法がある。
だが、皆さんが想像するような魔法ではない、むしろ体内エネルギーとでも称した方が妥当だろう。
この世界で魔力を持つ人の存在が判明したのはごく最近だ。だが、それよりも前から世間一般では呪いと呼ばれる物を扱える人物などはいたのだが、今はその話はおいておこう。
魔晶石という石がこの世界には存在する。以前まではただの何の変哲もない装飾品として使われるどこにでもあるような水晶の一種であって、以前は名前もその他の水晶とまとめられていた。
だが、その石本来の価値が今からだいたい50年程前であろうか、ある男の研究で明らかとなる。
その男は魔力という体内エネルギーを持つ人々が自分達の中に一定確率で生まれることとその魔力を魔晶石を利用した機械で取り出して物を動かすなどの魔動力と呼ばれるエネルギーとして扱えることを大々的に発表した。
この実質的な無限エネルギーの発見に世界は大きくわいた。
そして、自動車や工場の機械に船など様々な魔動力を使うことの出来る物が開発されていき人々の生活は更に豊かさを増していった。
だが、この世界でも戦争は起きる。
世界暦1917年春第一次世界大戦が勃発した。
原因は何の因果か、あなたたちの世界と同じ様に二発の銃弾であった。
当初は新年までには帰れるであろうとされたこの戦争は、魔力を使用した新兵器の登場や苛烈極まりない塹壕戦によって、結局は七年も続いた総力戦となっていた。
だが、結局七年間も続いた国の総力を尽くした戦争は決着がつかなかった。
世界は3つの巨大勢力の痛み分けで終戦を迎えることとなる。
一つ目の勢力はソレマリア社会主義共和国だ。
大国三国の中で一番の領土と国民を持つ大国
経済体制は完全なる共産体制であり、表向きは全国民が公平で平等な社会主義国家である。
だが、その体制が影響し政府内部では汚職や賄賂が横行しており、巨大な領土と多くの国民を持つのにも関わらず、経済状況は三国の中で一番悪い。
二つ目の勢力は東洋国家連合
経済状況及び軍事力工業力が三国の中で一番の国家連合
完全自由主義の国家連合ではあるが、国家連合、その名が示す通り、いくつもの国家が集まった連合体であり、内部での軋轢が烈しく、政治体制や連合内情勢は三国の中で一番不安定である。
最後に第七帝国である。
帝政主義の国家であり、国家管理の経済ではあるが、ある程度の経済的自由があり、領土や国民こそ三国の中で一番少ないものの、東洋連合の2/3ほどの経済規模とソレマリアに対抗できるほどの軍事力を持った。三国の中では一番安定した国家である。
この物語はそんな激動の時代の中、帝国で軍人となった少女の戦記である。
今後の作品作りの参考にしたいので、感想やここがダメとかいう批評文などを、送ってくれるとありがたいです。