森林限界
森林限界
見渡す限り 黄色い花が咲いている。パピアは 金銀草といって、身体の 恒常性を整え薬草だと言う。ハーブティーに すると、免疫力アップに なると。蔓草が 何かの原因で、30センチ位の 草原になったのだろう。不思議だね…
昔話の勇者は、色々と 発明するのが、好きだった。英雄譚には、生活の質向上で 生活魔法、魔石を利用した 各ギルドにある、登録装置何か
コンピューターとしか、考えられない。世界中で 個人を特定し、証明書代わりになり 銀行業務も出来る。何より 何千年も、壊れてない。うーん、また 考えたら負けな、沼にはまりそう。
とにかく、黄色い花の中上を ふよふよ…と、魔法の絨毯で 進んで行く。お昼ごはんは、高山に囲まれた、渓谷の花畑。
「魔法の絨毯、速度が問題ですね。ボクが 歩くよりは、速いですが。」
「贅沢は言えなよ?この山越えは 鍛えた騎士団でも、2週間は かかるし、商隊なら 全滅する可能性もあるんだからね。アイテムBOXや 魔法使いが居なければ、魔物を攻撃できる 冒険者だけでは、踏破できない場所だからね。この難所だかけの 山道故に、サザンクロス帝国と雪国は、国境をお互い侵略せず 有効関係を、永年保っているんだね。ドワーフは ドワーフ、人は 人で暮らせってね。時々 長距離転移が出来る、冒険者達が お互いの特産品を、運んだり 私達みたいに、国を跨いで 旅をする変わり者が、行来するんだよ。」じいちゃん、この旅をディスってる?ボク達って 変わり者なのかな?
「世の中、十人十色だからなぁ じゃないと、人生つらんよ。それにしても 勇者様のいいところは、食べ物の 改革したことだな?調味料や 揚げ物、蒸し物に 菓子類、はては酒の種類まで 増やしているからなぁ。錬金術鍛冶屋で 魔法使いで、剣聖とか もう神だしな!その上 ハイエルフや エンシェントドラゴンより、長命とか やっぱり神だったんだよなぁ。」ジョコビッチ師匠も、ため息つきながら ハンバーガーを齧ってる。長命なら 1つ1つの事を、やり遂げていけるもんね。
「花畑の先からは、石がゴロゴロしてる場所だった。殺風景な 山肌だったよ。」パピアは 先行して、偵察してくれていた。
「金銀草も 一生分の、3倍は摘んだし もうすぐ、騎士団の 国境前の砦に着くよ。」ボク達は 速度は遅いけど、ほぼ直線距離で 飛んで来たから、騎士団の 馬よりは、速く進めている。
「下り坂なら、馬はパカパカ走ってた。サザンクロス帝国側の砦を越えたら、道中は 楽になるよ」パピア 励ましてくれて、ありがとう!
〈トマトと玉ねぎソースの ハンバーガーを、あと2個食べたいです。〉ティニィは、最近大食いだ。育ち盛りだね。いっぱい食べて!
騎士団の砦に着いたら、色々調べられるかなと 緊張してたけど、盗賊団を捕獲したことで とても歓迎された。嬉しかっので 大きなお風呂を、土魔法で造って 魔石でお湯が出る装置を、設置した。男女別に 建物を造ったよ、ちゃんとね。何せ 騎士団の人達、ちょっとお疲れ気味だったから 大きなお風呂で 手足を伸ばして、お湯につかったら 疲れもお湯にとけるからね。
長く単身赴任していて 過酷な任務をしている、騎士団さん達に 見送られ、ボク達は 国境を越えた。砦から砦まで 約1日の距離、サザンクロス帝国の砦では、やっぱり質問攻めに あった。ドワーフのおじさん鍛冶屋と ドワーフのじいちゃん薬剤師、人間の6歳児が まほの絨毯に乗って、ふよふよ国境越えして来たから。
ボクがDクラス冒険者だと、ギルドカードをみせたら 本当に驚いた。こっちでも、男女別、大きなお風呂を 造ったら、とても喜ばれて こころよく、受け入れて貰えた。お風呂は 誰にでも、喜ばれる。初対面の人達なら 食事や、お風呂で 打ち解けあえるのは、本当に都合がいいね。そして 1メートル位の、雷鳥の魔物が 複数連携して、襲ってくるから 道中気を漬けるよう、教えてくれた。倒せたら とてもおいしいとも。またみんなで 見送ってくれた。
「わっちは、から揚げで食べたい!」とパピアは、戦闘ヤル気満々!
「そうさなぁ、焼き鳥も 酒にはいいなぁ!」じいちゃん、ガンバろうね。
「捌くのは、得意だからな!料理は セナだな!」うん、肉にさえなってれば、料理は得意だよ。捌くのは やっぱり苦手なんだ……
獲物…じゃなくて、魔物雷鳥が 襲ってくれるように、魔法の絨毯を しまって、ボク達は 歩いていた。
「雷鳥襲って来ないね?さっさと襲ってくれないかな?」
「もしかしてだけどな?オレ達 ウマそうに、見えないんじゃないか?あと 強そうにも見えないから、縄張りは大丈夫と 考えてるかもな? 」ジョコビッチ師匠、当たっているかも。
〈おいしいから揚げが、食べられないなんて…〉ティニィ、しょんぼりしちゃったよ…
夕方 平らな場所に、馬車を出し 結界を張った。順番に お風呂に入って、出来たての 普通のから揚げを 出して食べた。普通の 焼き鳥を、串から 食べながら、
「いつもの おいしいから揚げと焼き鳥じゃが、雷鳥も食べて みたかったなぁ…、しかし 巣は断崖絶壁な 山肌なんて、わざわざは 狩りには、危険過ぎて 行きたくはないなぁ…」じいちゃんは、正解だよ。翌朝 雷鳥のから揚げは、諦めて、魔法の絨毯に乗って 山をくだる。サザンクロス帝国側の山道は、ちゃんと敷石がしてあったり、階段に ロープも張ってあった。雷鳥はホに 襲って来なかった。残念だ。
サザンクロス帝国の最初の村は、結構大きくて 外壁も石で造られていて、小さな街のようだった。街の真ん中を 清流が流れていて、全体が清潔で キレイな外観だ。あと 温泉の村経営、温泉宿があり 大きな街からも、わざわざ湯治客が来て 長期間滞在していた。肩こりや 関節の痛みに、よく効くらしい。ボク達は、一泊して 山道の国境越えの、疲れも お湯に溶かした。
サザンクロス帝国は、大陸一の広大で 豊かな土地を誇る。農業が 盛んで、小麦や 米、果樹園に、酒造所も多い。海岸線では 漁業に、塩作りも、盛んに行われいて 豊かで、穏やかな帝国だ。昔 勇者が建国した、王家が 分裂せず、代々続く 平和な帝国なのだ。
山麓や ダンジョン近くには、冒険者ギルドや 騎士団が、常駐しており 魔物対策も、概ね万全なのだ。
「サザンクロス帝国は、問題なく 通過出来るじゃろう!?何か やりたいこととか、あるのかの?」じいちゃんが みんなに尋ねた。
「サザンクロスの帝城は、大陸一デカいらしいから、一度はみてみたいなぁ!あと帝都の 鍛冶屋もみてみたい。」ジョコビッチ師匠は、帝都観光ね。ボクも 遠くからなら、帝城みてみたい。
「わっちは、ダンジョンに行ってみたいさ。大陸で 3番目に、大きくて 古いダンジョン。青龍のダンジョンという、伝説だし〜!」パピア、ダンジョンは コリゴリだよ。勘弁!
〈ダンジョンは、コリゴリだよ!小さい浅いたなら ちょっとはいいけど、深いダンジョンに かかわったら、年単位の覚悟がいるだろ!〉ティニィ正解だね!
「ここは、やっぱり帝都観光かな?帝城もみて 大港から、黄龍国を 目指したい。国を隔てる山脈は、険しい高山だし ワイバーンや竜種の 棲家らしいか、山越えは悪手なんだ。」
「じゃぁ、ソレで決まりじゃな!」
ボク達は、サザンクロス帝国は 馬車で通過することにした。ルークは、馬車の横を パカパカ歩いている。師匠の作業場から 転移して戻って来た。やっぱり一緒が さみしくないよね?
最初の村で 手に入れた馬2頭は、高額だったけど とてもキレイな栗毛で、よく調教されていて 賢かった。




