未定
僕は今日、タバコを一本もらった。
「どうだかっこいいだろう」
彼はそう言い僕らに一本づつそれを配って言った。
スゲーだの、いらねーだのと各々言い、湧き上がる。
罪悪感と好奇心の真ん中で揺れる不安定な気持ちはちょっとした非日常だ。
500円ばかりのものでここまでのスリルを味わえるのは高校生の僕らの特権だ。
僕らはそれに火をつけてみたが皆咳込み、それでまた笑いあっていた。
僕の住む町は何の変哲も無い町だし、取り上げて語ることも無い。
強いて言うなら山もあるし海もある。自然豊かな事ぐらいしか取り上げる事がない。
そんな町の高校に通う僕もまた、特に取り上げることもないような人間だ。
部活もやってない僕らは、放課後はただダラダラしているだけだ。
今日もとりあえず集まったのは近所の駄菓子屋。
「どうやら山に行くとミステリーサークルがあるらしいぜ?」
そう話を切り出す佐藤はいつだって突拍子も無い事を言う。
「誰から聞いたんだよ?嘘くさいんだよいつもー」
佐々木の言う通りだ。
だいたいそんなものが出来れば、僕たちの情報網に引っかかるより先に世間で話題になるだろう。
「試しに見に行ってみようぜ笑見なきゃわからないだろう笑」
と高橋が言い始めたら最後。この流れは非常にまずい。
これから見に行こーぜ、なんて言いかねない。
「これから見に「「嫌です!行きません!後で調べて確認してから行きましょう」」
「後で調べるったってどう調べるのさ笑なぁ佐藤笑」
「そうな。まだ噂レベルの話だからな。第一発見者になれるとしたらいまだろうな」
斎藤のインターセプトも失敗に終わったようだ。
佐藤から始まって高橋。この流れでこんごの方針はあらかた決まるのだ。斎藤が何を言っても。
そしたらそろそろ来るだろう。
「お前ももちろん来るよな笑??」