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真戯武装パワードフォース  作者: 桜崎あかり
第2部

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第12話『暴かれる世界』その3


 アークロイヤルが過去にVRゲームで一連の事件を起こした、あの人物と同じ事はネットでも話題だったが――こちらはニュースで取り上げられることはなかった。

何故取り上げなかったのか、その真相は不明だが――芸能事務所的な意味でも言及を避けた可能性が高い。

しかし、この件が拡散したのはアークロイヤルにとってはトラウマを拡散されたのも同然で、大きく落ち込んでいた。

「これが拡散してしまった以上――」

 午前12時、アークロイヤルはセンターモニターで流れるARニュースを見ていたが――そこで自分の話題がニュースになっていた事に気付いた。

VRゲームで起きた、あの炎上事件を――。封印しておくべきであり、同じような犠牲者が出る事を恐れていた例の事件である。

「もう二度と――同じような悲劇は起きて欲しくない。アフィリエイト系まとめサイトバブル等と揶揄された――あの事件を」

 アークロイヤルは、急ぎ足と言うよりは早歩きで別のARフィールドへ向かう。何かを探すというよりは、フィールドへ向かってから決めるような表情で――今は急ぐ。

普通に走ってもよいのだが、混雑具合を踏まえると――走ってけがをするとネットで炎上しかねないリスクがある。

 距離としては数キロ単位ではなく、店舗の3~4件ほど先のARフィールドが目的地だ。数百メートル程度なのでARボード等を使えば、すぐに到着するだろう。

それでもボードを借りるのに手続きがある為か、走った方が早いと考えているのかもしれない。

 様々な部分でアフィリエイト系まとめサイトが増え始め、まとめサイトビジネスと言う常識では考えられないような超展開が起きた。

それに巻き込まれる形でアークロイヤルが炎上し、気が付けば自分のプレイしていたVRゲームも大炎上したと言う。

――そこまではネット上にもまとめが存在していた。しかし、これにはネット上で言及されていない続きが存在する。

一連の炎上事件を生み出したのが、芸能事務所AとJ、それに様々な権利団体等が協力してVRゲームを潰しにかかったのだ。

その結果として、一部のVRゲームが事業撤退、そこを射抜きするかのように芸能事務所Aに所属するアイドルとタイアップしたゲームが誕生している。

しかし、そのゲームはプレイユーザーが一万人未満だったという話もある。そして、そのバックには様々な芸能事務所絡みの――と言えば、大体がどういう状況なのかは容易に想像出来るだろう。

つまり――そう言う事だ。一連のVRゲームにおける炎上事件の犯人は――芸能事務所と見せかけて、邪魔なコンテンツ排除をしようとした特定コンテンツ勢力だったのである。

それが何処の勢力なのかは、ネット上でも憶測ばかりが飛び交い、それこそ炎上合戦に展開していた。

この状況を皮肉として『日本ネット炎上事変』と皮肉を混ぜて紹介するまとめサイトもあったが――。



 その一方で、アークロイヤル以上にニュースで取り上げられているのは芸能事務所Aのアイドルによる不祥事だった。

内容はネット上でも話題となったが、その情報は何とSNSで取り上げられることはなかったと言う。

週刊誌限定で拡散した訳ではないが――おそらくはSNSの運営を買収して情報の拡散を防いだとも言われている。

 この状況に対し、明らかに何かを再現していると考えたのはジャンヌ・ダルクだった。

更に付け足すとすれば――今回のSNS封じとも判断できる作戦は、ヴェールヌイ発案ではない。

『遂に――化けの皮が剥がれたようだな。自分の妄想を他人に押し付けて――それを承認させる。歌い手や実況者の夢小説勢力によくある事だろうな』

 ジャンヌは、偽まとめサイトの件を含めて――事件と見せかけて便乗している勢力を突きとめていた。

単純に通報して夢小説禁止法案を出させるのは簡単だろうが、それではジャンヌとしては白けるのは間違いないし、これを瞬間的に壊滅させたらご都合主義と言われるのは当然だろう。

まるで、超展開で俺TUEEEを展開し、打ち切りエンドや飽きた等の理由で執筆断念するようなWEB小説の典型例なのは間違いない。

『真犯人よ――簡単には逃がさない。貴様がVRゲームで行った事を含めて――』

 ジャンヌの口元は、あまりの怒りで震えていたのかは不明だが、何時もの冷静さを欠いていたのかもしれない。

だからこそ、あるニアミスでフラグを立ててしまった――そう言わないと説明がつかないミスを起こしてしまう。

『この私が――直接引導を渡してみせる!』

 明らかに私情で動いている可能性が高いのだが――ジャンヌは草加市へと向かう。

向かう手段はARボード――特殊な形状のARゲームエリアへ移動する専用のサーフボードだ。

バイクの免許も車の免許も持っていないし、自家用車でも乗ろうと言うのであれば正体がばれてしまうかもしれない。

太陽光システムを使っているARボードであれば、ARガジェットと連動して動かす事は可能という利点もある。

 


 午前12時15分、アークロイヤルとジャンヌ・ダルクは偶然にも同じアンテナショップで遭遇した。

『アークロイヤル――今は、お前に構っている時間はない』

「それはこっちの台詞――ジャンヌ・ダルク!」

 お互いに急ぐ事があったので、重要な遭遇のはずなのに――スルーという状態である。

それ程に急がなければいけない理由は、目の前の光景にもあった。それは、ARパルクールのロケテストの中継なのだが――。


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