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第11話『集うランカー達』その5

>更新履歴

・11月7日付

誤植修正:蒼空→青空へ一括修正。出ない→でない


振り仮名ミスを修正:かみはら→かんばら(午後11時28分付)


 アークロイヤルが発見した小説『虚構神話の我侭姫』と作者である青空奏あおぞら・かなで――。

彼女自身は名前に覚えがありつつも、思い出せない一方で、その人物を探している人物は別に存在する。

「やはり、彼に真相を聞くべきなのか――」

 青空を探している人物、それは神原颯人かんばら・はやとだった。

何故、彼が探しているのかには理由がある。それは、ジャンヌ・ダルク事件が彼の差し金ではないのか――と言う部分。

実際には様々な考察サイトが事件の真相を暴こうとしているが、アイドル投資家説やARゲーム炎上勢力説と言う的外れなものばかり。

そう言った情報も歌い手や実況者のフジョシ向け夢小説を炎上させる為のネタに書き換えたり、それこそ――と言う状態になっていた。

まるで、ジャンヌの言っていた『コンテンツハザード』が現実化したような状態である。

 このままでは――クールジャパンどころでもないし、芸能事務所AとJの日本支配を許す――と言う話どころではない。

何としても一連の事件を鎮静化させ、解決させなければ――それこそ、超展開やご都合主義を自在に起こせるであろう『フラグ』を使用してでも。

「しかし、芸能事務所の話題は別所でも炎上しているが、肝心のジャンヌに関しては――」

 歩きスマホをする訳にもいかないので、アンテナショップの前に止まり――そのままネット検索を始める。

【偽者騒動も鎮静化したな】

【本物が警告をしたくらいだからな――】

【あの発言の影響もあってか、最近はARゲームも静かになっている。ネット炎上が減っている的な意味で】

【炎上させていた勢力は、歌い手や実況者のフジョシ向けジャンルに移動して炎上させているのかもしれない】

【芸能事務所AとJは?】

【その話題は草加市ではタブー扱いだ。下手をすれば、逮捕されかねないレベルで摘発される噂も拡散しているほどだ】

【そこまで動くのは警察ではないだろう。ガーディアンの名を騙る炎上勢力だろうな】

【どちらにしても、最近のARゲームはネット炎上防止の為に保護主義サイドへ移行している話もあるが――】

【それこそ、特定のネット炎上勢力に燃料を投下しかねない案件だ】

 ネット上では様々なつぶやきがあるのだが、いかにもネット炎上させようとねつ造つぶやきを入れてまとめをしているサイトも――ある程である。

それはWEB小説上だけなのではないか――と見ている神原も疑うのだが、現実世界でも類似案件はあるらしい。

こういった闇バイトが横行すれば、いずれはリアルウォーが起こる可能性も否定できないだろう。今のうちに、対策をする事が必要かもしれない。



 午後3時頃、一部の芸能ニュースがネット上で話題になっているタイミングで青空がアンテナショップで何かを見ていた。

彼の視線にはセンターモニターがあり、ARゲームのニュースを見ているような気配がする。

 しかし、彼はARゲームをプレイしていただろうか? プレイヤーネームで似たような名前もなければ、アカウントを持っている形跡もない。

私服に関してもセンスがあるようには見えず、まるで自分の存在を隠すかのような気配さえ感じ取れるだろう。

「やはり、そう言う事なのか――」

 彼は過去にヴェールヌイと接触をした事があり、そこで様々な事を聞いた。

ジャンヌ・ダルクに関しても、その時に知ったのだが――未だに信じられない状況である。

本当に、あのジャンヌ・ダルクなのか? イメージビジュアルすら出ていないようなキャラクターが――このような経緯で表舞台に出るとは。

 しばらくして、彼の隣に姿を見せたのは――何と神原だったのである。人影には気づいていたようだが、青空本人は神原が姿を見せたとは気づいていなかった。

「そう言う事とは――?」

 神原の方は青空の発言が気になっていた。彼が何に対して言及しているのかを含めて。

しかし、それをあっさりと見ず知らずの人間に教えるほど――甘くはない。

「噂には聞いています。神原颯人――あなたの事は」

 何か含みを持っているような青空の言い回しだが、今は突っ込まない。

下手に何かを見せれば、彼が何をするのか分からないからだ。WEB小説家だと言っても作品は多数執筆しており、一部は書籍化もしている。

それに、彼は確か――。

「青空奏――そう言う事か」

 ようやくだが、彼の正体がわかったような気配がした。あるARゲームでシステムデザインを担当した人物であり、そのゲームを担当したのは――自分である。

「こちらとしては――こういう形で遭遇したとしても、答えが出ないと思ったが――」

 そして、ある画像が画表示されたスマートフォンを青空に見せた。そこに映し出されているのは、ジャンヌ・ダルクである。

動画からのキャプションを使っている関係で、画像は微妙なのだが――顔は分かる範囲で映っているので、そこの問題はない。

しかし、ジャンヌのイメージイラストは存在しない以上――別絵師の看板娘等のコスプレと言い切られたら、それで終わりだ。

「なるほど――貴方も気になっていたのですか、ジャンヌ・ダルクが何者かを」

 青空はため息をひとつ――その後に話を始める。彼としては、ジャンヌの正体を調べていく内に――ある事実を知ったのだが。

その後、神原は問い詰めようと強引な策に出る事はなかった。しかし、彼は何かを避けている可能性は高い。

「こちらも――向こうの目的がコンテンツハザードだけとは思えない」

 神原もある事を知っている関係で、微妙に詳細をぼかす。そうでなければ、企業機密を関係者とはいえ――第三者に話してしまう事になる。

向こうも黙っている事があるのでお互いさまかもしれない。

「ネット上では、様々なトップランカーが集まりつつあるという話もありますが――」

 青空にとってはネット上の情報は興味がないと言うよりも――愛着がわかない。

あくまでも自分の小説で使えるような題材でない限りはスルーを決めるつもりだろう。


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