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第9話『レーヴァテインの反撃』その5


 5月21日、天気予報では明日から雨が降る予報だったらしいのだが――この晴天で翌日に雨と言うのもおかしな話である。

午前10時30分、周囲も驚くような観客を集めたバトルが予想外の所で行われていた。

 そんな中でもレーヴァテインの反撃は、まだまだ続いている印象である。パワードフォースのシナリオ再現を思わせる部分はあるのだが――彼としては、そこにはこだわっていない。

「こっちも、噂の人物が言っているような事にはなってほしくないからな――チートアプリの出所を教えてくれれば――」

 ARアーマーを解除したレーヴァテインは、相手プレイヤーにチートアプリの出所を聞こうとするが、それで簡単に教えてくれるはずがない。

相手側はレーヴァテインと分かった上で勝負を挑んだのだが、それが裏目に出た形である。

「こっちも公式サイトにアップされていたアプリをダウンロードしただけだ」

「公式サイト? そんなはずはないだろう。偽装されたサイトや裏サイトの間違いじゃないのか?」

 相手は公式サイトでダウンロードをしたと証言するが、レーヴァテインはその発言を信用していない。

むしろ、嘘発見器でもARガジェットに搭載されていれば即座に使うレベルだ。

「裏サイトではない。裏サイトでアップすれば、ガーディアンに摘発されると掲示板でも言われている。だから、公式サイトに――」

 相手は他にも何かを言おうとしたようだが――何者かに口止めされたかのように気絶する。

一体何者が――とレーヴァテインが周囲を警戒するが、人の姿は全くない。一体、どのようなトリックを使ったのか?



 午前11時40分頃、今回のレーヴァテインに関するニュースが拡散する。

《レーヴァテイン、相手プレイヤーを気絶寸前まで攻撃。芸能事務所Aに対するヘイト目的か?》

 この辺りであれば、小学生並の偽装であり――見破られる可能性は絶大だ。

実際、このニュースを拡散したユーザーはガーディアンが速攻で摘発している。

《レーヴァテイン、相手プレイヤーをKO。その後、何者かに襲撃》

 これもあっという間に炎上した。理由としては襲撃されたのは相手プレイヤーだけであり、レーヴァテインは違うからである。

芸能事務所の名前を出さなければ炎上しないと言う浅知恵と慢心が、炎上を招いたと言えるだろう。

《レーヴァテイン、相手プレイヤーを撃破するも――試合が没収される》

 こちらも相手プレイヤーに関して深く言及されていないが、あっさり炎上した。

公式サイトでも没収試合はチートが使われた時と非常時限定と明言されており、その辺りのルールを知らなかった為と思われる。

「やはり、偽ニュースが高速で拡散するのは何とかならないのか――」

 レーヴァテインも疑問に思う様な気配だが、これは他の人物も同じだろう。

そして、お昼のニュースでも取り上げられそうだが――。

『お昼のニュースをお伝えします――』

 しかし、レーヴァテインの予想を裏切るような形で別のニュースが報道された。

その内容は芸能事務所の不祥事との事だが――。

「やはり――あのニュースを報道するのは芸能事務所側に抹消されると言う事か」

 センターモニターでニュースを見ていたのだが、そこではレーヴァテインのニュースは取り上げられなかった。

あくまでも民放のニュース番組であり、ARゲーム専門ニュースサイトのインフォメーションではない。

何故、このような事が起こるのか? 草加市では一連のニュースをタブーとしている動きがあるのか?

その真相は不明のままである。おそらく、レーヴァテインが一連の行動を起こしている理由と関係があると思われるが――。



 午後2時、一連のレーヴァテイン事件を追跡していたのは斑鳩いかるがだった。

彼女は普段のメイド服ではなく、既にARインナースーツ姿で行動している。ARインナースーツ姿でも警察に捕まらないのは、草加市内では着用許可されている事もあるが――。

「もしかして――?」

 斑鳩が草加駅の近くまで到着した所で、ある人物が視線に入って来たのである。

その人物は――レーヴァテインと全く別の人物だったのだが、ここで会うのは想定外の人物でもあった。

「遅かったようね。既に――決着した後だけど」

 アークロイヤルの言う通り、既に決着後と言う状況だった。相手プレイヤーはガーディアンによって拘束され、既にこの場にはいない。

相手プレイヤーが何を知っているのかどうかは、アークロイヤルも分からずじまいだったと言う。

「あなたが――あの事件に関係していたとは、思わなかった」

 斑鳩はARガジェットを展開し、戦闘態勢に入っている。

それを見たアークロイヤルも、戦闘を回避する事は出来ないと考え――ARガジェットを構えた。

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