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真戯武装パワードフォース  作者: 桜崎あかり
第2部

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第9話『レーヴァテインの反撃』その2


 アークロイヤルが発見した謎のデータ、それは自分にとってもトラウマの内容と言える物だろう。

過去にVRゲームで自分が起こした――と言うよりも第三者によって引き起こされた事件だからだ。

【――によって引き起こされた、パワーインフレ。どう考えてもおかしいだろう】

【どう考えてもチートプレイヤーだよな】

【明らかに――。実際、あのプレイヤーのスキルは常識で考えても無茶過ぎる】

【カンストとかツールとか不正プレイと言う枠では扱えないだろう。むしろ、リアルチートだ】

【あの動きだとリアルチートとはほど遠い。パラメータ等を細工している可能性が高い】

 あの当時は、プレイして一カ月位で話題になっただろうか?

自分があの領域に到達できない事に対しての嫉妬等で炎上させた――そうとも考えられた。

しかし、実際は違う人物が犯人だったらしい。この辺りの経緯は、意図的に削除されている――と言うよりも、書きかえられたらしい。

犯人が芸能事務所Jのジュニアアイドルなので週刊誌で報道されると都合が悪く、芸能事務所側の圧力があった――と言うのはまとめサイトが書いた記事による物。

 この記事がきっかけなのかどうかは不明だが、このVRゲームはプレイ人口を一気に減らした。

サービス終了という話をネット上では効かないので、規模縮小のままサービスを続けているのか――は、分からない。

自分も興味がなくなったゲームなので、今更戻るような気力もなかったのもある。



 その後もレーヴァテインは近場のフィールドで暴れまわっているチートプレイヤーを狩り続けていた。

「お前が噂のチートキラーか?」

 今回のプレイヤーは、レーヴァテインをチートキラーと勘違いしているようである。

チートキラーは別のARゲームだった気配もするが――違うのだろうか?

「――ダンマリか。ありとあらゆる医療行為を全て魔法で解決するようなWEB小説が出版化している程の世界だ――お前の様な存在がいる位は、まとめサイトとしても都合がいい」

「それに、日本でネット炎上するようなかまってちゃんは、大抵が芸能事務所AとJに金で雇われたに過ぎない。一部のまとめサイトを摘発したとしても、第二、第三の――」

 相手の方が喋り続けることに対して『速く始めろ』というブーイングも聞こえているようだが、レーヴァテインは無口でARガジェットを取り出す。

しかも、そのガジェットを取り付けたのは――右腕である。それを見て、相手は自分が敵に回した人物――レーヴァテインの恐ろしさを自覚した。

『パワードフォース、ガジェットオン!』

 まさかの台詞にも相手は驚いた。それでログインは出来るはずがない事に加えて――。

相手はコールなしでログインを完了するが、これはオプションでログインコールを設定していない場合だけである。

ログインコールの台詞変更は、基本的にカスタマイズの領域であり、いわゆるゲーム料金とは別課金が発生するだろう。

課金と言うよりは追加料金の言い方が正しいのかもしれないが。

 レーヴァテインの掛け声とともに、瞬時にARアーマーが装着される様子は――特撮番組であるパワードフォースの完全再現と言ってもいい。

これを見て――相手は逆に恐怖を感じるほどだった。まるで、一連の事件に関係していたジャンヌ・ダルクを思わせるようなアバターと思ってからである。

『レーヴァテイン――バトル開始だ』

 彼の眼が本気だったのを――相手が読み取ることはできなかった。

既に戦意が消失しているような状態である事に加えて、相手にした人物を完全に間違えたと言わんばかりの展開だったのである。



 午後1時、アークロイヤルは自宅近くのコンビニで買いだしをしようと考えていたのだが――せっかくなので、そこから自転車で5分ほどのアンテナショップへ足を運ぶ。

そこでは既に何人かのプレイヤーがアカシックワールドとは別のARゲームをプレイしようと準備している。

 ちなみに、アカシックワールドはプレイできる場所に制限がない。

アンテナショップでなくても、ARゲーム用のセンターモニターやガジェット読み取り機械があればプレイは可能である。

ただし、アカシックワールドはロケテスト中と言う事が公式で言及されている為、ガジェットが公式の物であったとしても草加市内でしかプレイできない。

「あのプレイヤーは――」

 アークロイヤルがアカシックワールドのプレイ動画を映しているセンタモニターの前を通り過ぎると、そこには見覚えのあるプレイヤーが映し出されていた。

そのプレイヤーの正体は――別のタイミングで遭遇していた、あの人物だったのである。

「――レーヴァテイン。彼がどうして――」

 あの時、彼女はレーヴァテインには遭遇していたが、それは彼本人ではなくコスプレイヤーか何かと判断していた。

後になって本人ではないか――と思い始めたのは、あってから時間がたってからである。

しかし、モニターに映し出されていたのは――本人と言って差し支えない。これには、驚くしかなかった。

「あれはコスプレイヤーだろう」

「芸能人がARゲームをプレイするのは禁止されているのでは?」

「芸能人禁止は違う。あくまでも芸能事務所AとJの所属アイドルは禁止じゃないのか」

「じゃあ、あれはどう説明する? 主演俳優は芸能活動休止のはずだ」

「もしかすると、そっくりさんと言う可能性もある。本人と決めつけるのは早計だろう」

 センターモニターで見ていたギャラリーからも、本人とは否定する意見が多い。

実際、彼らのいう芸能人禁止はVRゲームの炎上した一件を受けて追加されたガイドラインである。

このガイドラインはネタだったりARゲームプレイヤーの夢小説等で炎上する事を防止する為――と言う風にはネット上で言われていが、実際には違うという意見も。

「あの人物を御存じなのですか?」

 アークロイヤルの隣に姿を見せたのは、ヴェールヌイだった。

別のタイミングで会った事があるかもしれないが――アークロイヤル自身は、あまり覚えていなさそうな状態のようでもある。

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