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最強最悪の守護者

作者: セロリア
掲載日:2016/11/29

1999年。




12月13日。



13時3分。




日本。




青森県。




公衆トイレ。




女子高生「は・・は・・は・・うううううううう〈ぶりりゅ〉」



赤ん坊「・・あ・・ううう・・」



泣き叫ばないが・・普通に息をしているようだ。




女子高生「はっは・・・・どうしよう・・どうしよう・・」








翌日。




恐れ山。




午前4時13分。



〈ビュオオオオオオオオオオオオオ〉




一人の霊媒師らしき老婆が歩いている。




赤ん坊「あ・・あうう・・あ・・」




恐れ山に捨て子あり。




老婆はその子を拾い上げ、暫く辺りを見渡しー・・お辞儀をして去っていった。








2016年。




3月下旬。





青森県。





午前5時。




〈ドドドドドドドド〉


滝行。



?「・・」



白装束姿の少年が雪降る中、お経を唱えながら滝行をしている。




?「ふう・・」



岩から立ち上がる。




体からは湯気が立ち上っている。




?「あっちー汗かいたぜ・・風呂入って、飯飯」




ビニールからタオル、浴衣を取り出し拭いて、着る。




男性。



15歳、中学生3年生。



顔は普通より下。



筋肉質。




身長は低め。




背中に炎のような痣が赤く浮かび上がっている。



一見したら刺青かとも思うが・・火傷でもないようだ。







少し川を下り、大きい神社の裏口にたどり着くと、そこにタオルが置いてある。




それでまた軽く拭いて、濡れたモノをビニールから取り出し、屋外洗濯機へ。




中に入り、お風呂。




大きいヒノキ風呂だ。




?「いいっ湯だっな♪あははん♪」




?1「失礼します、おばば様がお呼びです」




神装束見習い男性が半透明の扉越しに声をかける。




?「あいよー〈ジャブジャブ〉」





囲炉裏部屋。





小さな部屋だ。




紫の煙が軽く立ち込めている。




?「おばば来たよー」




おばば「入れ」




?「失礼しま・・って・・くせえ!もう・・折角風呂入ったのにー・・〈カチ、ブウウウウウウ〉換気回すかんね?・・んで?何?」




おばば「明日から京都の神社でお世話になるんじゃからの、しっかり心得とかなあかん事がある」




?「はあ・・」




おばば「いいか?お前のソレは最も質が悪いモノじゃ、生半可な神社には絶対に入ってはならんぞ?でないと・・」




?「そこの神様も食べちゃうんだろ?分かってるよ、散々言われて来たじゃん」




おばば「そうじゃ、それから霊が集まる場所もじゃ、それに出来るだけ食わせるな、良いな?」





?「んなこと言われても・・俺見えないし・・」




おばば「当たり前じゃ!見えるも何も見る前にそいつが全部食っとるんじゃからの」




?「知らんよ」




おばば「今の所そいつを外す事が出来る者はおらんじゃろ・・おったとしても・・命懸けじゃ・・誰もそんなモンに係わりとうないわい」




?「あ~も~・・用事は何?」




おばば「これを・・お前にやる」




?「うん?何コレ?新しいネックレス?」




銀で出来た細い鎖型ネックレス。



他に飾りは何もない。




おばば「特注品じゃ、高校生のクラスメイト達の守護霊や、守護神を食ってしまわんようにの、お前のソレの力を押さえ込むモンじゃ・・まあ・・あまりに成長したら効くかは分からんが・・壊れたら知らせい」




?「へえ・・今してるこれは?」




数珠型のネックレス。




勾玉がついている。




おばば「中学までは知った仲の校長だったからの・・だが京都の学校となると・・ちと面倒でな・・体育やら不便じゃろ?」




?「おばばは気が利くなあ・・ははサンキュー・・んで?今のこれは外しちゃって良いの?」




おばば「銀をしてから外せ」




?「分かった」





交換した。





?「何も変わんねえ・・」





おばば「それでいいんじゃ」





?「これで終わり?」





おばば「ああ・・用事は済んだ」




?「んじゃあ・・飯行って良い?」




おばば「ああ」





?「んじゃあ・・」



立ち上がる。





おばば「もしな」




?「え?」





おばば「もし・・それがお前に姿を現したら・・」





?「・・」





おばば「・・」





?「・・何?」





おばば「・・諦めろ」





?「・・はん!嫌だね!ぶん殴って従わせる」





おばば「・・」





?「んじゃねー〈パタン〉」





おばば「なんで・・あの子なんじゃろうなあ・・これも定めか」







翌日。



午前5時



京都駅。



バスターミナル。





迎えが来ていた。




大人しそうなOLスーツ姿の眼鏡お姉さん。


20代前半。



美人ではない。



?「私は由佳子と申します、貴方がお話の与島銿国 (よしまかねくに)さんですね?」




銿国「はい」




由佳子「それでは行きましょう」




定額タクシーだった。





車内は中々賑やかになった。




おばばの悪口で。




お姉さんは笑ってくれた。





そうこう話しているうちに着いた。





銿国「うわあ・・」




大きい。





銿国が育った神社も大きかったがー・・ここは比べ物にならない。





銿国「うわあ・・大きいですねえ・・」




由佳子「さ・・案内しますよ、どうぞ」




銿国「あ、はい」





朝早くから参拝客やら、散歩者、犬の散歩者、ランニング者、差し袴の人が箒で掃いている。




由佳子「物部 (もののべ)さんおはよう」




差し袴の人に由佳子が声をかける。



物部「あ!由佳子さん!おはようございます・・あ、そちらの方が?」



不機嫌になる。




身長150cm、細い。



髪は黒、ロング、小顔、美人だが、冷たい凛とした雰囲気。






由佳子「・・そうよ・・」




由佳子、物部から見られる。




銿国「あ・・お世話になります・・与島銿国 (かねくに)です」





物部「・・何で・・そんなに薄着なの?」




銿国「え・・あ・・これはその・・そんなに寒くないから・・あはは・・は・・はは・・」




現在マイナス2度。



薄い夏服の長袖、ジーパン。




物部「由佳子さん・・やっぱりこの子・・」





由佳子「決まった事です」




物部「でも・・」




由佳子「物部さん?」




怖い雰囲気。





物部「・・はい・・すいません」





銿国「(あれえ?・・もしかして俺、歓迎されてない?)」





物部「君・・何か対策してるの?何も見えないけど・・」




銿国「(あ!この人見えるんだ!)ああっと・・コレ・・おばば・・祖母から貰いました」




ネックレスを見せる。





物部「・・ふうん・・それ・・絶対に外しちゃ駄目よ?いいわね?」




由佳子「物部!」




物部「これは絶対譲れません!いいわね!」




命令口調。





銿国「〈ムッカ!〉い・・言われなくても!絶対外すなって言われてるよ!」




物部「お風呂の時もだよ!絶対絶対だよ!?」




銿国「分かってるよ!うるせえな!」




物部「んな!〈ムッカア〉なんですってええ!!」




銿国「んだよ!うるせえんだよ!」




物部「この・・不細工!」




銿国「な!・・んだと・・このアイアンメイデン!」




物部「んな!」




由佳子「ぷふ!」




物部「な!?由佳子さん?」




由佳子「あいあん・・ぶふ・・あははは」




物部「~~~・・この・・童貞!変態!化物!」




銿国「処女!変態!雪女!」




物部「ぐぐ・・中々言うじゃない」




銿国「お前には負けるがね~」




物部「あ”あ”ん”?」




銿国「ん”た”こ”ら”?」




物部、銿国『「ん”~?」「お?」「あ?」「あ?」』





由佳子「あっはっはっはっはっはっは」






?「こらこら、何をやっておるか」




由佳子「あ・・おはようございます神主」




神主「ああおはよう、お出迎えご苦労さま、君が話の銿国君だね?」




銿国「あ、はい!どうもお世話になります!」




お辞儀。




神主「はっはっは、いいよいいよ、さ、荷物置いて、朝ご飯は?今日はゆっくり休むといい、電車と、バスで疲れたろう」




銿国「はい、お腹空きましたあ」




神主「はっはっはっはそうかそうかでは命 (みこと)朝ご飯の支度頼む」




銿国「んえ?」




物部「ええ~どうしよっかな~?」



勝ち誇った顔。




銿国「あの・・神主・・こちらの方は・・」




神主「ああ、はは娘の命だよ」




銿国「ええ?でも苗字が・・」




神主「この子は、訳ありでね・・家で引き取ったんだ・・」




物部「どうしよっかな~ご飯・・んん~~?」




神主「こら!意地悪しない!」




物部「でもお父さん!こいつ私に悪口言った!」




神主「どうせお前がしつこく言ったんだろう!ほら・・2人共、謝って」




銿国、命『ええ~?』




神主「早くしなさい!」




怖い。




銿国「・・言いすぎた・・ごめん」




命「・・ふふん!分かればいいのよ!」




神主「こら!」




命「ふん!」



走って行ってしまった。





神主「すまんな・・銿国・・呼び捨てでいいかい?」




銿国「あ、はい」




神主「あの子はね・・色んなモノが見えるせいで・・その・・苦労してきたんだ・・両親は・・悪霊に殺されてね・・遠い親戚からたらい回しにされて・・私の友人から相談を受けて・・今ここに居るんだ・・だから君についてるモノにも思う所があるんだろう」




銿国「・・そうだったんですか」




神主「ささ!清めの朝風呂に入って、その間に朝ご飯用意させとくから」




銿国「はい!」






ヒノキ風呂から上がり、台所へ。




加奈子、神主、命、銿国の4人で食事。






肉はない。



魚もない。




味気ない食事。




銿国「(うわあ・・もしかして・・これずっと続くのか?酷いなあ・・肉・・お肉・・)」





神主「命、部屋に案内してあげなさい」




命「・・はあい」






部屋に案内された。




一人部屋だ。





命「ここよ、もういい?」




銿国「あ・・ああ」




命「はいじゃね」



そそくさと行こうとー。




銿国「あのさ!」




命「・・何?」




銿国「絶対・・外さないから」




命「・・は?んなの当然でしょ?もしあんたのせいで何かあったら・・そん時は・・殺すから」



去っていった。




銿国「・・〈プルプル〉・・んだよあの女ああああああ!!」





高校入学式後。




命と同じ高校だった。




命「信じらんない!同じクラスだなんて最悪!」




銿国「俺に言うなよ!馬鹿!」




クラスで大喧嘩。





犬猿の仲が続きー・・半年が経過した頃。






深夜に電話が鳴った。




神主が電話を取った。




話し声が聞こえる。




銿国「・・ん・・何だ?」




何かただ事ではない様子だ。




ふすまを開け、廊下を歩き、話し声の方へ。




神主「分かりました、準備をしておきます、はい・・はい・・では〈ガチャ〉」





銿国「何かあったんですか?」




神主「ああ・・悪霊に取り憑かれた男性が今から来るからね・・なるべく離れの堂には近寄らないように・・いいね?」




銿国「は・・はい」




時々こういう事はあったが・・こんな急に来たのは初めてだった。






車から男性4人掛りで運ばれてきたのは同じ高校男子だった。




見たことはなかったが・・制服で分かった。




どうやら不良少年のようだ。



ピアスに茶短髪。



半分誘拐されてきた格好だった。




タオルで目隠し、口を結ばれ、躰をロープでグルグル巻き。





お弟子さん達は既に40人以上集まって大規模な除霊準備をお堂内で結界を張り、待っていた。




偉いっぽい人も12人集まっていた。





広い中庭には大きい火柱が立っている。




その火柱を正面に準備がしてある。




神主「ささ、こちらに寝かせなさい」




炎に近づける位置に寝かせる。




イモムシみたいにぐねぐね動いている。




早速始まった。




大規模なお経?の合唱。




茶髪「お・・おお・・」




体が勢いよく、動き、止まりを繰り返す。




茶髪〈グネ!・・グネ!・・グネ!〉




続く合唱。




茶髪「ぐふぉふぉ・・ぐふぉふぉお・・ぐふぉふぉ」




神主「・・」




口タオルを外そうとする。



神主が外している間も周りは続ける。





銿国「・・」




庭の縁側からこっそり見ていた。





命「・・何やってんのよ」




銿国「うわ!驚かすなよ!」





命がいつの間にか後ろにいた。




銿国「いつもと何か違うんだ」




命「・・でしょうね・・」





銿国「・・?・・何か見えんの?」





命「・・まだ・・見えない・・けど・・あのタオルが外れたら・・出てくるかも」





銿国「・・マジ?」




命「・・」






タオルが外れた。





茶髪「ううううう・・あううううううう・・〈ボコ〉おおおおお・・うううう〈ボココ〉」





命「・・」




茶髪「おおおお・・〈ボコ〉うううは・・は・・・・あが・・〈グニュ、ボココ〉」




お腹の辺りが動いている。



命「・・」




茶髪「は・・〈ぢゅろろろおおおおおお〉」




命「ひ!?」




茶髪の口から黒い液体?が吐き出された。




命「血?」




銿国「え?血?いや?涎じゃねえの?」




命「え?・・見えないの?だってあんなに血が・・」





銿国「・・いやいや・・血なんて吐いてないぞ?」




命「じゃあ・・あれは・・何?」




茶髪「あ・・ぐ・・〈チュ・・ジチュ・・ジュク・・〉」




どんどん流れていく。




神主には見えているようだ。




どんどん後ずさる。




合唱は続いているがー・・。




命「・・やばい・・あれは・・霊じゃない!〈ダ!〉」




走る。





銿国「あ!?おい!?」




銿国も後に続く。





命「お父さん!駄目!」




神主「!?こら!?駄目だ!来ちゃいかん!」




茶髪「うううううううううううう」



いきなり大声を上げる茶髪。




皆『!?』




神主「止めるなああ!!続けろおおお!!」




また続ける周り。




命「お父さん駄目!それは霊じゃない!駄目!無理だよ!払えないよお!」




神主「黙ってなさい!もっと大声で続けろおお!!」




茶髪「おううううう〈グン!グン!〉」 でたらめに激しく揺れだした。




命「ひ」




茶髪「〈グボボボボ・・ビチャビチャアアアアアアア〉」



壊れた蛇口のように大量に黒い液体が溢れている。




お経と連動しているようだ。




命「止めてったらあ!!お経が上がるに連れて酷くなってるの分かるでしょ!?」




神主「全部吐き出させる!」




命「ここにいる人達全員に感染させる気なの!?」




皆『「え・・」「そんなやばい?」「いや・・」「あの子確か見えるって」「マジ?」』



周りのお経が止んだ。




茶髪「おおおおおおおおお〈グン!〉」



起き上がった。




片足のつま先で立っている。





ロープは解いてないのに。




神主「続けろおおお!!」




娘「だめえええ!!逃げてえ!!早く逃げてえええ!!」




皆『う・・うわああああ』






52人中残ったのは16人。





残りはまだお経を続けている。






茶髪「おおおお〈グン!〉おおおおおお〈グン!〉」 




首をあらゆる角度に曲げている。





神主達も必死に汗だくだ。





神社の外で見守る弟子たち。





命「お父さん!見えてるんでしょ!もう足元来るよ!逃げてよお!」




神主「黙れええ!!」





命「ひう!?」





神主「・・これが仕事なんだ!」




また続ける。




命「馬鹿馬鹿あ!払えない!手に負えない!無駄だって分かんないの!?」





茶髪「あ・・あああ・・〈ブチブチ・・パララ〉」



ロープが解けた。



〈ボフ!!〉




中庭の火柱が一気に消えた。



《バリリン!!》



神社内の照明らが一気に割れた。




月明かりしかない。



命「ひいい!!」




茶髪「あおうううううう《ゴボボボボボボボボボボボボ》」




ますます黒い液体が広がる。




もう神主達は腰まで黒く染まっている。





銿国「なあ!なあって!今何が起きてんだ!おいって!!」




命の肩を揺らすが・・。




命「〈ガチガチガチガチ〉」



歯を鳴らし、目を見開き、立ち尽くしている。




茶髪「あ・・あうう・・〈クン!〉」




首を回す。




神主「〈クン!〉!?」



神主達の首も一緒に回る。




茶髪「ああ〈クン!〉」




神主「〈クン!〉くは!?」




ますます顎が左横へ上がる。




神主「お・・は・・」




銿国「おい!?これってまずいんじゃねえの!?おい!?」




命「〈ガチガチガチガチガチ〉」




他のお坊さん達も立ち上がり、首を曲げながら必死にお経を唱えている。




茶髪「あううう〈コキン!〉」




神主達『《コキン!》あはう!?』





もうお経は唱えられないようだ。




立ちながら必死によたよた歩いている。




あの紳士だったお坊さん達が、まるで・・壊れた人形のように首を押さえ・・よたよたと歩いている。




17人全員がよたよたお堂内を歩き回る姿は異様だ。





神主「か・・かか・・か・・か・・くか・・」




白目を剥いて・・両手で顎と頭押さえながらよたよた歩き回る17人。





銿国「てんめえええ」〈ババ!〉




命の傍を走り、茶髪に飛びかかった。




命「!?」





茶髪「うぼあ〈ゴバア〉」




銿国「うお!?」 大量の涎がかかった。





茶髪「あ”あうううう」




銿国「〈グン!〉う!?・・〈グン!〉は!?〈コキン!〉うっかか!?」



銿国も首が回っていく。




銿国「・・く・・そ・・何の・・修行・・だったんだ・・あの・・くそ・・ば・ばばあ・・」




茶髪「ううう・・」





命「〈ズシャ〉もう・・駄目だ・・お終い・・お終いよ・・はは・・あはははは」



座り込み、目が離せずに震える。





銿国「・・いい・・顔だなあ・・て・・めえ・・」





茶髪「ああううう・・」





銿国「・・お前・・さ・・ん・・ざん・・食ってき・・たんだ・・ろ?はは・・無・・敵って・・思・・て・・だろ・・?」




茶髪「あ”あ”あ”あ”あ”〈ククー」



回そうとー。



あと一回、回れば首の骨は確実に折れる。




銿国「紹介・・いたすぜ・・〈グ〉」



ネックレスを掴んだ。



茶髪「〈クー〉」



銿国「まあ俺には・・見え・・な・・いけどな!」〈バ!〉





命「あ!?」



命の目にはー。




眩い光が走った。





茶髪「!?」





〈ポン!〉





小さな女の子。





赤い袴姿。




小学生?。




命「・・は?」




茶髪「・・おおおお〈ゴキン!〉」




最期の回転が終わった。




茶髪「!?」




銿国「お!?・・あれ?・・自由に動けるぞ?」




神主達『おおお・・動ける!?・・動けるぞお!?」




神主「・・あの子は?」




命「・・何が・・・・あ!?・・液体がない?」




少女「〈ちゅるるるううううううううううううッチュポン!〉ぷは!」




命「あ・・嘘・・」




吸い込んで飲み込んだようだった。





茶髪「!?!?!?」




少女「・・」




近寄っていく。




茶髪「あ”お”お”お”お”」



また液体を出すがー・・。




少女「じゅるるるううううう」



出すそばから吸い取っていく。




少女「・・〈トン〉」



抱きつき、〈ミュチュウ〉キス。




茶髪「!?」




少女「〈ジュッリリリイイイイイイイイイイイイイイイイイ〉」





茶髪「うご!?ゃべべべべべべべべべべえべべべべべべべべええええええ」





少女「〈りりりりィィィジュポン!〉・・」






茶髪「・・」〈フッ、ドサア〉



茶髪は畳に倒れた。





少女「・・」



キョロキョロしている。




お堂内の上に漂う神聖な白い空気が復活していた。




少女「・・〈スウウ・・ヒュゴオオオオオオ〉」




なんと神様の気まで吸い込み始めた。




命「早く!ネックレス!」




銿国「は?」





命「早く!神様まで食べられちゃう!早くうう!!」




銿国「あ!ああ!」



急いで首にかける。




少女は同時に消えてしまった。




命「はあ・・」 



肩を落とす。





弟子達も恐る恐る戻って来た。





神主「銿国君・・」




銿国「?はい?」




神主「君は・・」




お偉いさん1「おい!魂が・・」




神主「何?」



慌てて駆け寄る。




茶髪は生きては居たがー。




眠っているようだが、目がおかしい。




半分白目で、涎をだらだら流している。




神主「これは・・魂がない・・」




お偉いさん1「何て事だ・・」




神主「あの子が一緒に・・食べてしまったか・・」




命「仕方ないよ」




神主「命・・」




命「・・仕方なかったんだよ・・」




皆『・・・・』






翌朝。





皆さんにお詫びの品と、朝の食事を用意。




銿国「どうして一番の功労者の俺が手伝わなくちゃいけないんだよお」





炊きたて混ぜご飯を混ぜる。




命「うっさいわね!あんたは何もしてないでしょうが!やったのは女の子!」 




〈ジュウウウウ〉




唐揚げを揚げる。





銿国「女の子女の子って・・んな事言われてもなあ・・可愛かったか?」




命「うっさいロリコン!さっさと皿によそって!」




銿国「ば!?・・馬鹿!俺はただ見えないからー」





命「・・まあ・・可愛かったかな・・」




銿国「・・そっか・・」




命「それにしてもあんたってさー・・」




銿国「ん?」





命「どうして生きてんの?」





銿国「はあ?悪かったな」





命「違うそうじゃなくて・・」





銿国「ああ?」





命「・・何でもない」





銿国「ああ?何だよ?」




命「うっさい!」〈ジュ〉




油に箸を突っ込み、ピッっと飛ばす。




銿国「あっちいいいい!?馬鹿!何すんだ!?」




命「ふん!」





銿国「信じらんねえ・・たっく・・」




皿によそおう。





命「・・(普通はあんなのに憑かれたらすぐに死んじゃうのに・・何で・・どうして気に入られてるの?)」





銿国「・・おお・・美味そ~」






命「(もしかしたら・・私の親の仇も・・利用出来るかも)」






銀のネックレスに小さく全体に彫られている梵字513文字の内、二つがー・・消えていた。




Fine。

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