世界のすべて
元々、その世界には普通には感知できない物質が存在している。
人々はそれらを「マナ」呼び、恐れ奉った。
先人たちはそれをどうにか活用できないかと試行錯誤し、生み出されたモノがある。
それが「術式」と「感応制御器」である。
「術式」は「マナ」を人間が扱えるモノへと変換するプロセスに、「感応制御器」は変換したものを空間へと顕現されるモノとして開発された。
これらの開発によって人々の生活はより豊かに、より便利なものへ変化していく。
しかし、愚かなことに「術式」は暮らしの質を向上させることだけには使われなかった。
新たな力は戦いを呼び、戦いは新たな力で終結される。
人々は戦乱を繰り返し、思う。「術式」を扱い力ある者たちが世界を統べるのだと。
今まで存在していた科学。科学の理から外れた「術式」。
それら二つの力を人々は使い、世界は存在し、統べられ、構成されている。
例外はない。
術式の完成により、それを教える機関が必要になる。そうして建てられるのが一般的な教養と術式について指導する学舎。
国立第三地区高等学園もその一つである。
中央にある学園よりは生徒数は少ないものの、設備は整い毎年の卒業生達の満足度は高い。
そして、四月。また新たな生活が始まろうとしていた。
つわものは世界を観測る
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