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錬金術は『分析・解析』『浄化』『合成』『分解』『抽出』『構築』『固定』『等価交換』のスキルを法則と流れを組み合わせて発動する事だ。


ポーション生成によく使ったが錬金術だが、今回は花瓶を復元させる。


床に割れた花瓶が入った木箱を置き、集中する。「始めますか」と気合いを入れて破片に手をかざすと、私の膝ぐらい高さの竜巻ぽっい ものが発生し破片を巻き上げた。


花瓶の形を思い浮かべて「構築」と呟くと、破片は竜巻の中心に集まり花瓶の形作る。が、やはり細かな破片は無くなっていたりして、破片と破片の間に隙間が空いている箇所がある。


「繋ぎが必要ね」


換気窓から身を乗り出して、土を掴み竜巻の中に放り込む。土はグニャグニャと形を変えて破片の隙間を埋めた。


「固定」


これで花瓶として使えるが、銀継のようにヒビや欠けた箇所が土色になっている。が、土色の箇所の物質を「等価交換」で陶器にすれば、ピンクの花模様の花瓶が元通り復元できた。


「完璧!」


前世のスキルが問題なく使えた事に満足して、木箱に花瓶を仕舞うとノックもなくドアが開き、キャロライン付きの侍女2人と彼女達の後ろから侍女長が入ってきた。


「ここから何が割れる音が聞こえたんです」


「リデアお嬢様に物置部屋に仕舞ってある花瓶を取りに行ってもらっているので、もしかしたら"何か"割ったのかもしれません!」


芝居がかった彼女達の言動を真に受けたようで、侍女長の眼光が鋭くなる。


「リデアお嬢様。何を壊したのです?」


「私は何も壊してません」


嘘など言ってないが、侍女長は信用してないようで異常がないか周囲を見回し、キャロライン付き侍女2人がクスクスと嘲笑う。


「もしかして、リデアお嬢様が持っている木箱、私達が取りに行くようにお願いした花瓶ですか?」


「割ってませんよね?」


嫌な言い方するな。 感じ悪いとモテないよ?と内心でキャロライン付き侍女2人に毒を吐く。


「確認しますので、リデアお嬢様。その木箱をお渡しください」


「はい」


べつに花瓶を隠す必要など無いし、ささっと侍女長に木箱を渡すけど。なんだろう。お嬢様と呼びながらの命令口調は、私を見下すのを隠しもしなくて、前世を思い出したからかモヤッとする。


我慢だ私!今、口答えしたら反省部屋行きになるから!と木箱を差し出す。


奪うように木箱を取った侍女長が、その蓋を開けるとヒビ一つないピンクの花模様の花瓶が収まっていて。


「問題ないですね」


花瓶を確認した侍女長の言葉に、キャロライン付き侍女2人は呆然としている。


「…どうして」


ポツリと漏れたキャロライン付き侍女の疑問に、侍女長の眉が釣り上がった。


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