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さんじゅうはち

ごめん。味は最悪なんだよ。と心の中で軽く謝罪をする。でも効果は抜群にいい。


「…あ、あ。うそ!声が…、本当に治ったわ」


信じられないと呆然とするキャッシーさんに、私はニタリと笑いかける。


「私の勝ちですね」


「…トーコちゃん、カガチさん。あの…、場所を移動しましょうか」


「もう遅いんとちゃうか?」


カガチの言う通り。バッチリとお茶を飲みに来たギルド職員達に、ポーションの治療を見られているのだから、今更プライバシーが…、とか気にするのって遅いと思うよ。


もう注目されているし。


「いいから移動しましょうね」


強引だなぁ。御局と呼ばれていた先輩を思い出す。



そして移動した会議室。


「改めて、失礼な態度をとってごめんなさい」と潔く頭を下げるキャッシーさん。うん。好感が持てる。


飲み切ったポーションが入っていた試験管を回収し、『アイテムボックス』に片付けて…、喜ばれると喧嘩を買ったとは言えポーション調合して良かったと思う。


流石、ポーション作りの達人でしょ!


「トーコちゃんの冒険者ギルドの登録の前に、聞きたいことがあるのだけど良いかしら?」


YESと頷くと、肩に乗せているイムルが私の真似をしてかプルプルと震えながら頷く。ポケットに入るモンスターのようで、可愛い。そのうち意思疎通が可能か?


「ポーションって言う物を調合?したのは、本当にトーコちゃんで間違いないかしら?」


「そうじゃよ。ワシの寝床を散らかしてな」


なんか、カガチの言い方に棘を感じる。散らかした資料はちゃんと片付けたんだけど…、片付け方が気に食わなかったとか?いや、まさかの潔癖症か?


潔癖症の男ってモテないぞ〜


心の中で揶揄うと鋭い視線が!冷や汗がでるから、睨まないで!!


「ホレ、忘れ物じゃ」


カガチが差し出す紙を受け取り見ると、片付け忘れた資料だった。


「雑な片付け方をして、ごめんなさいです!」


「しょうのないヤツじゃ」


獄卒の睨みは半端なく怖く、許されたことにホッと息を吐いた。


「つまり、トーコちゃんは治癒薬の調合ができるのよね。それならスキルの異常を治すこともできるかしら?」


冷や汗を拭ってキャッシーさんを見ると、瞳がキラキラして期待しているのがわかる。


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