さんじゅうなな
いやいやいや、王族しかお菓子が食べられないとは、言い過ぎかもしれないが、それぐらい砂糖は貴重なのだ。
限られた人しかお菓子を楽しめない、なんとも残念な国だと思う。
そういえば、デュモンディー伯爵家で蜂を見たことないよいな?とデュモンディー伯爵家自慢の薔薇園を思い出し…、ついでに我儘なキャロラインと女好きなユージン・サフィーロも。
思うところはあるが、彼らはお似合いのカップルだ。
「イムル、蜂蜜ちょっとちょうだいね」
不愉快になったから、気分を変えるため蜂蜜をもらい、美味しいと絶賛しているうちに冒険者ギルドの建物が見えた。
さあ、ここからが本番だ。
「たのもう!!」
「何、道場破りみないにギルドに入るんじゃ。普通に受付に行かんか!」
「そう言う気分だったからね…」
「やかましい」
カガチに背中を押されて、キャッシー・リルバーさんの前に。
「あら、トーコちゃん。私の声を治すことは、できるのかしら?」
相変わらずキャッシーさんの声は酷い。
「もちろんですよ」と私は頷く。
受付カウンターだと迷惑だと言うことで、私達は職員休憩スペースに移動した。こう言う時はプライバシーの観点から、会議室を利用するのがベターだが…。
きっとキャッシーさんは、声が治らないと思っているのだろう、私に対しての扱いが軽い。
「治癒系のスキルでも手に入れたのかしら?」
「いやいやいやキャッシーさん、こんな短期間にスキルを習得するなんて無理ですよ。私は、キャッシーさん用にポーションを調合したんですよ」
と、ドヤ顔をして『アイテムボックス』から件のポーションを取り出してテーブルに置く。
「不味そうな色しちょるな」
余計なこというなし、カガチ。ほら、キャッシーさんが胡散臭そうな顔してるし!
「カガチは黙って。さあキャッシーさん、一気にポーション飲み干しちゃってください!」
「毒じゃないのよね?」
「もちろんですよ」
女は度胸って感じでキャッシーさんがポーションを手に取り、飲み干す。
「…」
直後、淑女の顔を崩して不味さを主張するキャッシーさん。




