にじゅうなな
必要なのは異世界固有の薬草と、故郷でもお馴染みの薬草のドクダミや蓬などだが、異世界では効力が桁違いに高い。ただし野生の薬草は見つけづらいと、1000年前にギルドから言われ、薬草は高額だった。
まぁ、『探索』スキルがある私なら簡単に薬草採取できるだろう。が、『サーチ』と唱える前に、よもぎの群生地を発見した。
それに白い花を咲かせたドクダミに、ゲンノショウコ、チドメグサ、池の浅い所にはガマまで自生しているし他にも色々ある。
「この森は、薬草パラダイスか!」
ん?ちょっと待て。こんなに簡単に薬草が見つかるってことは、前世でギルドの薬草の値段の高さは何だったの?まさか騙されてた?
右手の中指を天に向けて突き立て…。うん、やめよう。私からぼったくった奴らはもう、天に召されている筈だから。などと考えていると遠くから遠吠えが聞こえた。
背中に冷たい汗が流れる。
もう遅いけど、キャッシー・リルバーさんに問えばよかった。初心者用の森に潜む魔獣は何?と。私にとって危険なら、カガチに護衛を頼んだのに!
今さら言っても、仕方ない。
遠吠えってことは、野犬か狼系の魔獣だろう。
チワワのように可愛い魔獣なら良いが、世の中そんなに甘くないはず。
ともかく、匂いに敏感な魔獣が近くに居るということだ。犬はハーブの匂いが苦手だと聞いたことがあり、運のいいことにミントを採取したし、朝市で買った忌避剤のヒトデと組み合わせれば、魔物避けが錬金術で作れるはずだ。
さっさと、前世でポーション作りの達人と自称した私の腕前を披露しよう。
ミント、ヒトデの魔獣避けに有力な成分を『分析・解析』して、竜巻っぽいのに入れ粉々に。ミントからは香りの成分メントールなどを、ヒトデからはヒトデアルデヒドを『抽出』したら、それらを『合成』して…深緑色の粉の出来上がり。
ちゃんと魔獣避けになったかな?と『分析・解析』を発動すると…
[嗅覚が優れた魔獣に効果的な魔獣避け]
流石、私。
じゃあ早速と、深緑色の魔獣避けを全身に振りかける。スーとするメントールと石灰のような粉っぽさで、鼻がムズムズして…。
「クシュン!」とくしゃみが。




