にじゅうろく
[スライムとは粘液状とゼリー状の両状態を行き来し、半固体状の核組織を持つも魔獣のことを指す。粘液は食べ物によって成分が変化する。この個体の粘液はグリセリン、ワセリンである]
と書かれていた。ゲーム的なHPやMPのバーが表示されないことに、『分析・解析』の限界を感じたが、このスライムの粘液がグリセリン、ワセリンとは良いことを知った。
グリセリンは化粧水の材料で、美を意識する乙女としては、是非とも欲しい。ワセリンも使えるし。
さて、どうやってグリセリン、ワセリンを採取しようか?
匠のモンスター図鑑にスライムは弱いと書いてあったし、攻撃力が低いのはゲームのお約束。襲ってきても簡単に怪我はしないだろうと判断した私は、『アイテムボックス』から試験管2つを取り出し、スライムに近づくため池を迂回した。
前世では生き物に錬金術を使ったことがないから、効果があるのか分からないが、スライムのところまで1メートルに。
私を威嚇してか、ブルブル震えるスライムにむけて、試しに錬金術を発動させるのに必須の竜巻っぽいのを放つ。
呆気なく竜巻っぽいのに巻き上げられるスライム。
ソフトボールの投球はイマイチだが、竜巻っぽいのを投げるのは百発百中だと自慢できる。
「よし!遠慮なく採取させて頂きます!グリセリンとワセリンを『抽出』!」
竜巻っぽいのが水色に色づき、キラキラと光を反射する核組織が弾き出されて地面に転がった。某アニメの天才錬金術師のように魔獣を倒した気分だが、調子に乗ってはいけない。スライムは弱いから、簡単に『抽出』が成功したのだから。
採取しますか。と試験管を水色の竜巻っぽいのにむけると、無事に試験管の中にグリセリンとワセリンが収まった。
「満足!」
あっ!カガチに「錬金術禁止」って言われていたのに、余裕で使ってたよ。まぁ、森には私しかいないし、当然、目撃者ゼロ。厄介ごとになってないし、バレなきゃ良いんだよ。バレなきゃ。
第一魔獣スライムを無事に討伐したことを喜び、ウキウキと『アイテムボックス』に戦利品のグリセリン、ワセリン、何に使えるかわからないけどスライムの核組織を仕舞い込んだ。
さぁて、薬草採取の続きをしましょうか。




