表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/42

じゅうく

今世、久しぶりのベッドは極楽と言っていいほど、寝心地が最高だった。


フカフカの枕。程良い硬さのマット。良い匂いの毛布。


なのに、おばあちゃん家にあるような古い掃除機に追いかけ回されて、花びらと一緒に吸い込まれる悪夢を見た。


原因は、隣のベッドで寝ているカガチだと、断言する。ともかく「ガァーゴォー」とイビキがうるさいのだ。防音の魔導具を錬金術で作るか、カガチと別の部屋にしないと寝不足で死んでしまう。


私は案外、神経質だったようで。


二度寝に挑むが、イビキとデュモンディー邸で培った早起きの習慣が抜けず挫折する。仕方ないかと窓を少し開けると、潮の匂いがする風が麻のカーテンを軽く揺らした。


ぬぅんと背伸びをして窓から顔を出すと、家々の間から海が見えた。


「そぉ言えば、ここは港町だから、朝市とかあるのかな?」


ポツリと漏れた独り言。前世でも港町に行ったことがないし、朝市も未体験。新鮮な生牡蠣をレモンと醤油で食べれるかも!それからウニとか刺身も。


「イカ焼きじゃ!イカ焼きを5枚たのむぞ!」


「!?」


ついにイビキだけでなく、寝言まで言い始めたか!とカガチを見れば、奴は上半身を起こして自分の荷物をゴソゴソと漁っていた。寝言じゃないことにホッとしたと同時に、おつかいを頼まれたのだと理解した。


差し出された小袋を受け取ると、そこそこ重い。


アランス王国の貨幣は硬貨で、紙幣はない。価値は日本円だと、小銅貨1枚が10円、銅貨1枚が100円、小銀貨1枚が1000円、銀貨1枚が10000円だ。小金貨や金貨もあるが、平民が普段使うのは銀貨までが一般的だ。


小袋の中は銅貨10枚と小銀貨9枚。


「釣りは駄賃じゃ」


「ありがとう!」


イカ焼き5枚が銅貨10枚と小銀貨9枚もするはずないし、ホクホク顔で私は女将さんにオススメの露店を聞いて。


「草色の屋根の露店だよ。でも、あんまり買い食いしちゃダメだよ。ちゃぁんと、朝ご飯用意してるんだからね」


「はい。行ってきます」と宿を出た。


因みに宿の名前は「ごめの宿木亭」だ。



「ごめ」と呼ばれる海鳥の鳴き声を聞きながら、露店が並ぶ通りをぶらぶら歩く。まだ早い時間だと言うのに、人が多い。朝市の効果だろう。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ