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じゅうはち

ヤバ、鏡見すぎた。女将さんに指摘され、なんか恥ずかしくなり、顔が赤くなるのが分かった。


さあさあ、と女将さんに促されやって来たのは、宿に併設された食堂だ。


この時間は丁度、夕食時で混んでいるがウェイトレスは、1人だけ。三角キンから三つ編みにした茶色い髪見えている彼女は、女将さんに顔がよく似ていて多分、娘さんだと予想する。


「ユナちゃん、日替わり定食2つ!」


「こっちはエールを頼む!」


「はい、ただいまお持ちします!」


各テーブルと厨房を行ったり来たり、1人でクルクルと動きフロアーを仕切っている。16歳ぐらいなのに、流石異世界、子供も働き手なのだ。逞しい。


因みに、アランス王国では17歳で成人する。貴族令嬢なら、成人と同時に婚姻も珍しくない。


「母さん、受付終わったなら、手伝ってよ!」


「はいよ!」と答える女将さん。やっぱり親子かぁと、ユナさんと言う名前らしきウェイトレスと女将さんの顔を交互に見る。


「カガチさんは、あそこのカウンターにいるから行っておいで。私は仕事にもどるからね」


「はい。忙しいのに、ありがとうございました」


「困ったことがあったら、何時でも言うんだよ」と言う女将さんの好意に感謝して、カガチがいるカウンターに向かうと、丁度隣りが空いていて、ちょっと高い椅子に腰掛けた。


「お待たせカガチ」


「お、橙子か。亡者一歩手前から、痩せっぽっちの町娘に進化しおったな」


「進化前の私が死ぬ一歩手前って、酷くない?」


「事実じろう。痩せっぽっちなんじゃから、なんか頼まんか。邸の摘み食いだけじゃと、腹の足しにもならんじゃろう?」


「いやいやいや、お腹いっぱいだし。普段殆ど何も食べていない胃に、急に固形物を入れると、負担になるんだよ。様子を見ながら食事するの大事だから」


「小難しい奴じゃ。詰まり脆弱な胃じゃっちゅうことじゃろう」


「その通りなんだけど…。言い方酷くない?と言うかカガチは食べすぎだよ」


カガチの目の前には、空の皿が何枚も重ねてある。デュモンディー伯爵家の厨房で、摘み食いじゃなく本気食いして満足そうにしていたけど?


「別腹ちゅう言葉を知らんのか?」と言いながら、ユナさんを呼びおかわりとエールを注文するカガチは、大食いキングか暴食の称号を取得しているのだろう。


鬼は酒好きと聞いたことがある。そして獄卒は酒豪なのが常識なのを学んだ夜だった。


「エールのおかわりじゃ!」


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