じゅうさん
「あのさ、カガチ。この遺体もしかしたら、私の母親なのかもしれないよ!弔わないとダメだよ」
かもしれないと言いながらも、点と点が繋がるような感覚に、私にはこの遺体がリデア・デュモンディーの母親だと言う確信がある。
だってそうでしょ?父と母は、身分違いの大恋愛の末、周囲の反対を押し切り結婚したのだ。それなのに母が突然、全てを捨てて出て行くなんて考えられない。
きっと母は、親戚か父を慕う誰かの怒りを買って殺されたのだ。
「橙子が何と言おうちょ、この骸は古井戸に放り込む!」
この獄卒!!死者を弔うと言う心はないのか!?
ダンジョン攻略をメインにした異世界ファンタジー、略して異世ダン。異世ダンの中じゃあ死体が転がっていたら、その死体の装備や金品など、喜んで臨時収入として持ち帰り、死体は放置するのが常識って聞いたことがあるが…。
カガチは獄卒のくせに、死体すら利用しようとする。異世ダンの常識より酷い。
「いやいやいや、身内の遺体を弔いもせずに、身代わりにするなんてことしたら、私確実に地獄行きじゃないの!?カガチなんて、閻魔様に叱られてしまえばいい!」
「!?」
閻魔様に叱られることを恐れているのか、カガチの顔色が悪くなる。もう一押しで何とかなるか?
「遺体を古井戸に放り込むなんて、遺体損傷罪でカガチも地獄行きかもね」
遺体損傷で地獄に行くか分からないけど、カガチにこの言葉が効果的だったようで。
「すきにすればいいのじゃ。そいで、この骸はこのまんま埋めて、さっさと墓石でも立てて弔えばいい!」
「いやいやいや。きちんと教会で供養だよ。でも教会で供養してもらうには、お布施が必要だからね。父に最低でも母の遺体は教会の集団墓地に埋葬してもらうよ」
「埋葬すんなら、此処でも良いと思うんじゃがな」
「いやいやいや、此処じゃ無理だから」
「その、いやを連呼するんは、癖なんか?」
「いやいやいや、違うから」とノリ良く返したら、睨まれた。獄卒とは、冗談が通じない生き物らしい。
「ワシを揶揄っているなら、覚悟するんじゃな。治療で思いっきし、しみるようにしちゃる!」
微妙にズレた思考をしたカガチの治療を受けてる最中に、私のお腹が何か食べないとヤバいと主張した。
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