表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/42

じゅうに

「橙子の身代わりを置いて、こそっと連れ出す予定じゃったが、デュモンディー伯爵家を潰すか?」


本気でデュモンディー伯爵家を潰しかねない気迫のカガチだが、潰したら国とかから目をつけられそうだから、やめてほしい。と言うか、私自体がもうデュモンディー伯爵家に関わるつもりは無い。


「いやいやいや、潰さなくていいから。それより、私の身代わりってどう言うこと?」


「貴族に家出人ちゅうて、手配されると厄介じゃからな…。橙子は今にも死にそうななりしちょるし、身代わりに死体を置いて連れ出す予定じゃったんだ」


良いアイデアだろうとドヤ顔するカガチ。死体には悪いけど、私を死んだことにすれば、完全にデュモンディー伯爵家と関わることはなくなる。


確かに良いアイデアだが…


「いやいやいや、死体を身代わりにするなんて、罰当たりだからお断りだよ」


「何を言うとんのじゃ!橙子の身代わりにするんのが、1番面倒がないんじゃぞ」


「そうかもしれないけど…。罪悪感塗れになるし、止めようよ」


「しょうのない橙子じゃ。そこの掘り返した骸の遺品を遺族に返せば、罪悪感が消えるんじゃないか?ちょっと待っちょれ」


カガチが示す穴の中を覗くと、茶色く変色した骸骨がまだ半分くらい土に埋もれていた。


今世で初めて見る遺体。こんな寂しい場所で埋められて、無念を訴えるような骸骨を見た瞬間、私は自然と名前もわからない骸骨の冥福を祈り手を合わせた。


「この指輪なんてどうじゃ?」


私に遺体が身に付けていた金色の指輪を手渡すカガチは、暗に身代わり案は実行だと告げる。カガチの言い分がどうしても納得いかなくて、金色の指輪を弄んでいると、裏側の刻印に気がついた。


指輪には日付と『A to S』と記されている。つまり結婚指輪だ。


私の父は、アルフレッド・デュモンディーで、母はソフィア。イニシャルは『A』と『S』。


ある日突然、家から居なくなった母。男と駆け落ちしたと使用人達は噂したが、誰と駆け落ちしたのか分からない。実際は行方不明だ。


そして、『A to S』と刻印された結婚指輪をした身元不明の遺体が、デュモンディー邸の裏庭に埋まっていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ