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ロリーナ・ボーンアゲイン!〜異世界に転生したら褐色ロリエルフになりましたぁ!〜  作者: 柚亜紫翼
1章 めるとていこく

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007 - りーしおのまちをでよう! -(挿絵あり)

007 - りーしおのまちをでよう! -


「今からミアさんのお部屋に送るから今度はちゃんと僕の服を買って来てね」


「・・・」


「明日私達もあなたのお部屋に行くわ、裏切れば今度こそ身体が腐り落ちて死ぬわよ」


「ひゃい・・・」


すっ・・・


怯えるミアさんを眺めながら僕は彼女を「箱」に送った。


目を瞑って様子を確認すると一瞬のうちに自宅のお部屋に転移した事が信じられないようで挙動不審になってる、一緒に出て行って説明した方が良かったかな?。


そんな事を考えているとようやく落ち着いたミアさんが自室のベッドで眠り始めた。





「ここやズィーレキの街はスキナンジャー商会の勢力が強いからあまり外を出歩かない方がいいわ」


「そうなんだ?」


「今居るリーシオの街は森から持ち込まれた魔物素材を全国に出荷する一大拠点になっていてそれを取り仕切るスキナンジャー商会の支部があるのよ、商会長は支部に常駐していて魔導列車の路線が通っているズィーレキの街には大きな本部があるわ」


僕とロリーナはミアさんを待っている間、アイテムボックスの中でこれから行くズィーレキの街について話している。


ロリーナが言うには悪徳商会長はこの地域を治める貴族の子息らしく、その勢力圏にいる間は油断できないそうだ。


「だからミアさんに顔が隠せるフードの付いた服を買うように言ってたのかぁ・・・」


「そうよ、あの変態野郎は私が死んだと聞いても念の為に死体を探すと思うの、見つからなければ普通は毒竜に食べられたと思って諦めるのだけど・・・あいつの事だから私が生きている可能性を考えて近隣の街に捜索の手を伸ばすでしょうね」


「わぁ・・・執念深い」


「今の私の力なら簡単にあのクソ野郎を殺せるわ、でも貴族を殺すと面倒臭い事になるしあいつを恨んでいて動機もあるリーナが疑われて捕まる可能性もあるから逃げた方が賢明ね」


「・・・」


「包帯だらけのダークエルフなんて物凄く目立つから・・・とりあえず隣国に入るまでは極力外を出歩かないようにしましょう」


思っていたより大変そう・・・まずはこのリーシオの街から歩いて5日、馬車?を使うと3日のところにあるズィーレキの街へ向かう、ミアさんには頑張ってもらわないと。






「・・・」


「えっぐ・・・ひっく」


「・・・」


翌日、僕とロリーナはミアさんのお部屋に隠してある「箱」に向かって転移した、そこで僕の服を見せて貰っているのだけど・・・。


「誰が金貨1枚全部使えと言ったのよ!」


「ひぃ・・・ごべんなざい」


僕達の足元で泣きながら土下座するミアさんと罵声を浴びせるロリーナ・・・。





転移したらお部屋には既にミアさんが居た、何も無いところから急に現れた僕達を見て少し驚いていたけれど紙袋に入った服を差し出してきた。


「お釣りは?」


ロリーナの質問に目が泳いで挙動不審になるミアさん。


「・・・ないです」


「あ?」


「これでも精一杯値切ったんです!、おまけして貰って全部でちょうど金貨1枚でしたぁ・・・」



どうやら僕の服一式買うのに金貨1枚全部使ってしまったようだ、一応ロリーナからは事前にこの世界のお金の価値を教わっていた。


金貨一枚はかなりの大金だ、日本の相場に換算するとおよそ40万円くらいだろう、ちなみに銀貨1枚は4万円、銅貨は4千円、鉄貨は4百円程と僕は予想している。


つまりミアさんは僕の服を買うのに40万円使ってしまったのだ、最初はこの世界は服が高いのかと思ったのだけどロリーナの怒りっぷりを見るにそんな事はないようだ。


「でっ・・・でもこれは私達斥候の憧れのフランドで・・・耐熱、耐寒に優れていて動きやすく更に耐刃、耐魔法の魔法陣が生地の内側に刻まれて・・・」


ミアさんが目の前にある服の優秀さを力説している、まるで服屋の店員だ。


「私、お金を貯めていつかこの服を買うのが夢だったの・・・」


「だからあんたの金じゃないと言ってるの!」


会話が弾んでいる二人を放置して紙袋の中の服を部屋の隅で確認する・・・下着が3セット、上下の服とブーツが入っていた、ブーツも買って40万円か・・・品質が良いのならもしかして妥当な値段?。


服を着る、下着はピッタリだけど服はちょっと大きいかも?。


「あ、それは表面に描かれている青い魔法陣に魔力を流すと自動的に大きさを調整できます、体格に合わせて調整できる最高級品だと店員さんが・・・」


お説教をされながらも僕の様子を横目で見ていたミアさんがこの服について補足説明をしてくれた。


「まだ話は終わってないわよ!」


「あぅ・・・」


ロリーナに怒鳴られて涙目になるミアさんを放置して僕は言われた通り服の横に付いている魔法陣に魔力を通した。


しゅっ!


「あ、ちょうどいい感じに服が縮んだ」


僕の言葉にミアさんがドヤ顔をするがロリーナに睨まれてすぐに真顔になる。


「でもこの服、お尻の形も丸見えだし身体にピッタリし過ぎてちょっとえっちだ」


素直な感想を言ってロリーナを見ると・・・何で目を逸らすの!。


「それは斥候がよく着ている服よ、こんな格好で外を歩いて恥ずかしくないのか私はいつも疑問に思っていたわ」


「ひどい!」


ロリーナの無慈悲な言葉にミアさんが抗議する。


そういえばミアさんが今日着ている服も身体にピッタリとしたレギンスっぽい黒の上下におへそくらいまでの丈の上着と革の靴・・・今日は革鎧を着けていないから見た目がとてもエロい。


「まぁ・・・確かに品質は最高級のものだろうし機能的には旅に適した服だと思うわ、リーナが恥ずかしくなければの話だけどね」


「いや恥ずかしいし!」


「でも一度買ったものは返品できないわ、裸よりはマシだろうからその服でいいんじゃない?」


「ひどい!」


今度は僕がロリーナの無慈悲な言葉に抗議する。


でも肌触りは良いし・・・まるで何も着てないみたいに軽くて快適だ、あまり外に出ないのならしばらくはこれでもいいのかもしれない。




「・・・で、貴方にはその「箱」を持って隣国のヴェンザ帝国まで行って貰うわ、この中には私達が入っていて常に監視しているからおかしな事をすれば身体が腐り落ちて死ぬわよ」


フルフル・・・


ミアさんが怖がり始めたので僕はフォローしておく。


「あ、これはギルドを通してないけどミアさんへの正式な仕事の依頼です、ちゃんと報酬も必要経費も出るから・・・」


そこまで聞いてミアさんの表情が明るくなった、病気の妹さんを抱えて貧しい暮らしを長く続けていたようだからお金には汚いけれど悪い人では無い・・・と思う、たぶん。


「あの・・・でも隣国のヴェンザ帝国までどのくらいかかるのでしょう?」


ミアさんが僕に尋ねた、今まで一度も他の国へ行った事が無いので分からないらしい、僕もよく知らないからロリーナを見る」


「少なく見ても片道20日・・・往復で40日程度かかると思うわ」


「そんなに長く家を空けると母や妹が心配で・・・」


「そう、なら別の人を探すから金貨を返しなさい!」


ミアさんが言い終わる前にロリーナがまた無慈悲な事を言う。


「わぁぁ、やらないとは言ってないよ!」


「安心してください・・・2日おきに昨日みたいにミアさんをこのお部屋に転移させます、ご家族には短期の依頼が連続で入った事にすればいいと思います」


「・・・転移?、そうだ!、昨日のあれは何?、白くて何も無い部屋から一瞬で私のお部屋に戻ったの!」


「詳しくは言えないけど僕のスキルです」


「この事を他言しても身体が腐って死ぬわ」


「ひぃ・・・」


僕の言葉に続いてまたロリーナが脅す・・・ちょっとかわいそうだけどこれくらい脅しておけば安心かな?。


がちゃ・・・


「お姉ちゃん、お母さんが夕食の時間だって・・・あれ、お客様?」


ドアが開いて入ってきた妹のシアちゃんが僕とロリーナの姿を見て呆然としている・・・まだ若干透けているとはいえロリーナはもう殆ど人間と見分けがつかない、そんなにおかしなところはないと思うのだけど。


ささっ!


「シア・・・どうしたの!」


急に我に返ったシアちゃんが僕の前に跪いて祈り始めたよ!。


「聖女様っ!いえ、女神様!、私の身体を治してくれてありがとうございますっ!」


「え?」


「お姉ちゃんと一緒に寝た夜・・・女神様がお部屋に入ってきて私に手を伸ばしたの、そしたら温かい光に身体が包まれて、今まで苦しかったのが治ったのっ!」


ささっ!


「ちょっと待って!」


シアちゃんの言葉を聞いたミアさんまで僕の前に跪いて祈り始めたよ!。


「身体が楽になってずっと眠ってたからお姉ちゃんには言ってなかったけど、包帯の女神様が私を治してくれたのっ!」


ごごごごご・・・


僕の背後に冷気を感じて振り向くと・・・ロリーナの表情が抜け落ちていた、これは絶対怒ってる!。




「・・・というわけで、僕はお姉ちゃんのお友達のリーナだよ、女神じゃないからね!」


「でも・・・私の身体が楽になって・・・」


「女神じゃないよー(ニコッ)」


「あ、はい」


あれから僕は2人を落ち着かせて女神じゃないと言い聞かせた、あんな駄女神とは間違っても一緒にされたくない!。


がちゃ!


「ミア、シア、何をしているの?お夕飯冷めちゃうわよ」


ようやく騒ぎが収まったと思っていたら今度は母親が入ってきた、シアちゃんと同じように僕の顔を見た後・・・。


ささっ!


「聖女様っ!いえ、女神様!、シアの身体を治してくださりありがとうございますっ!」


また祈られた!、どうやら僕の事を母親にも喋っていたらしい。








「左目を怪我していたから心配していたの、まさか毒竜に襲われたなんて・・・」


「黙っていてごめんなさい、お母さん」


「・・・もうそんな危険なお仕事しちゃダメよ」


「明日からミアさんと一緒にお仕事だけどそんなに危険じゃない荷物運びですので!」


「娘をよろしくお願いします」


「いえ、こちらからミアさんに無理を言ってお願いした事ですから・・・」


あれから僕は誘われるままミアさんのところで夕食をご馳走になっている。


生活が苦しいのに一人分余計に用意して貰うのは悪いと思ってアイテムボックスからハムや果物を人数分出したらとても喜ばれた。


ロリーナは僕の背後にふよふよと浮かんで僕達の会話を聞いている・・・「後で話があるわ」などと不穏な事を言っていたのだけど機嫌が直ってよかった。


まだ少し身体が透けていて僕と双子という設定で押し通すのは苦しかったから急遽ロリーナは謎の精霊さんという事にした!。


「大通りで何度かお会いした事がありますよね」


ミアさんの母親もロリーナの事は知っていた、スキナンジャー商会で酷い扱いを受けているかわいそうな奴隷エルフさんという認識だった。


僕の後ろで「奴隷じゃないわ!」と、ロリーナはまだ文句を言っているけれどもういい加減諦めようよ・・・。


「ある日突然契約紋から解放され治癒のスキルまで手に入れました、変態商会長に知られると一生飼い殺しになりそうなので僕の力の事は他言しないで貰えるとありがたいです!」


ミアさんの母親にはそう説明して信じて貰えたようだ、瀕死の重傷を負ったミアさんを助け、シアちゃんの命まで救った恩人からのお願いという事で秘密は絶対に誰にも言わないと約束して貰った。


「明日出発するから今日はゆっくり休んでね」


「はい・・・妹の事、本当にありがとうございました」


ミアさんとはお部屋で別れ、僕とロリーナはアイテムボックスの中に戻る・・・明日からはいよいよリーシオの街を出てズィーレキの街へ向かうのだ!。








アイテムボックス(0)(駄女神管理)

金貨:沢山

食料:沢山


アイテムボックス(1)

リーナが作った部屋:1

中二病くさい剣:1

下着:2組


アイテムボックス(2)

リーナのう⚪︎こ:少量

ゴミ:少量


アイテムボックス「箱」

1:メルト帝国、大森林(不法投棄用)

2:ミアさんに貸出し

3:メルト帝国、大森林の野営広場

4:メルト帝国リーシオの街、ミアさんの部屋





挿絵(By みてみん)

世界地図

読んでいただきありがとうございます。


趣味で空いた時間に書いている小説なので不定期投稿です、続きが気になる人はブックマークして気長にお待ちください。


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