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ロリーナ・ボーンアゲイン!〜異世界に転生したら褐色ロリエルフになりましたぁ!〜  作者: 柚亜紫翼
1章 めるとていこく

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005 - すごいけんをてにいれた -

005 - すごいけんをてにいれた -


「私は魔法があるけど、外に出て隣街まで歩くのならリーナには武器が必要ね・・・毒竜と戦った時に弾かれた私の剣が落ちていると思うから拾って来る?」


「え・・・この世界は平和なんでしょ」


「何を言っているの、平和と言っても魔物はいるし普通に野盗も出るわ、今までどんな世界で暮らしていたのよ?」


「夜中に女の子が一人で外を歩いても平気だったよ」


「・・・」


「・・・」


この世界に来て3日が過ぎた、僕とロリーナはまだ森に居てアイテムボックスの中で過ごしている。


身体が透けていたロリーナは少しずつ色が濃くなってきた、あと一息で実体化できそうだと本人は言っているけれどいつになるのか分からない。


全裸に包帯を巻いた姿で街を歩くのは嫌だから隣街に着いたら実体化したロリーナに服を買いに行って貰う事にしている。


「ところでロリーナは何でこんな森の中で毒竜に襲われたの?」


色々な事があり過ぎてまだ聞いていなかった疑問を僕はロリーナに尋ねてみた。


「ハンターギルドに高額な報酬の依頼が出ていたの、どこかの学者が珍しい薬草を探していてね・・・それが生えている場所が毒竜の巣の近くだったのよ」


「わぁ・・・」


「毒竜はそれほど凶暴な魔物では無いのだけど自分の縄張りに入った外敵に対しては容赦なくてね・・・」


「つまりロリーナが縄張りに勝手に入ったから襲われたと?」


「そうよ」


「・・・もしかしてここって毒竜の縄張り?」


「縄張りの近くなのは間違いないわ」


この森は超危険地帯でしたぁ!。


「早く森から離れようよ!」


「全裸で森を歩くのは嫌だって言ってたじゃない」


「そんな事を言ってる場合じゃないし!、僕普通に森の中でおしっこしてたよ!」









・・・


・・・


「この谷は深そうだね」


「そうね、森の奥だし竜の巣が近くにあるから殆ど人は来ないわ」


「じゃぁここにしようか」


ぽんっ!


手のひらの上に小さな四角い「箱」が現れて宙に浮いた、これは僕の持っているアイテムボックスを分割したものだ。


「隠蔽魔法・・・教えた通りやってみて」


ロリーナが僕に魔法を使うよう促す・・・。


ぱあっ!


手を翳すと魔法陣が現れて箱が見えなくなった、成功だ。


僕は頭の中のリストから取り出す対象を選ぶ。


「ゴミ・・・全部取り出し」


ぼとっ・・・ぼととっ・・・ぽたぽたっ・・・


箱があった場所からアイテムボックスの中で出たゴミ・・・食べ残しや排泄物が深い谷底に落ちていった、成功だ。


この森が毒竜の巣の近くだと分かった僕は外で排泄するのが怖くなった、でも食べたら出るのは自然の摂理だ・・・ボックスの中に作ったトイレで用を足し谷底に捨てる事にしたのだ。


この箱は僕が消さない限り、たとえ隣街に移動してもここに存在し続ける・・・。


「さて、ゴミも片付いたし私の剣を探しに行きましょう」






・・・


「毒竜に襲われたのはこの辺りよ」


「わぁ・・・」


僕とロリーナは森の中を進み毒竜に襲われた現場にやって来た、毒を含んだブレスの影響なのか周囲の木が黒く腐り、草も枯れていた。


「剣で竜の皮膚を斬ろうとしたのだけど、死角から尻尾で攻撃されたの・・・誰にも拾われていなければ向こうに転がっていると思うわ」


僕はロリーナが指差す場所に近付く・・・いつ竜が出て来るか分からないので凄く怖い。


「あっつ!」


枯れた草の上を歩くと毒が残っているのか足の裏に激痛が走った、慌てて治癒のスキルを発動する。


「気をつけてね」


ロリーナが後ろでふよふよと浮かびながら僕に話しかけてきた。


「もっと早く言って欲しかったよ」


・・・


がさっ・・・がささっ・・・


「ロリーナ・・・もしかしてこれ?」


「そうよ、誰にも拾われなかったようね」


「・・・」


現場から少し離れた草むらの中にその剣は落ちていた、目測でも僕の身長とほぼ同じくらいの大剣だ。


「すごい剣だね、重そう・・・」


黒い刀身はそれほど太くないけれど長くて鋭い、持ち手のところは赤・・・ロリーナの趣味なのか中二病くさい見た目の剣だ、正直持ち歩くのが恥ずかしい。


「鞘は身に付けていたから毒で使い物にならないと思う、重量はそれなりにあるのだけど私は身体強化の魔法を使って筋力を上げていたわ」


持ち上がるのか不安だったし一刻も早くこんな危険な場所から離れたかったのでアイテムボックスに収納して立ち去ろうとした・・・。


「・・・」


「・・・」


「誰か居るわね」


ロリーナが嫌な事を言う。


「・・・痛い・・・助けて・・・」


聞こえないふりをしていたのに今度は助けを求める声がはっきり聞こえた。


「向こうから聞こえるわ」


ロリーナがふよふよと浮かびながら声のする方に近付く・・・。


「ぐすっ・・・痛いよぅ・・・死にたくない・・・」


そこには木の根元に寄りかかるようにして座っている10代後半くらいの女の子が居た。


左の太ももには斬られた跡があり大量に出血、毒竜のブレスを浴びたのか右肘から下が腐り落ちて地面に転がっている。


顔も右半分が毒で爛れていて両目から血が流れているから僕達の姿は見えていないようだ。


「ミア?・・・」


「知り合いなの?」


僕は女の子の名前を呟いたロリーナに話しかける。


「私が拠点にしていたリーシオの街に住む駆け出しのハンターよ、ランクは石級・・・顔と名前を覚えているだけで知り合いと言えるほど親しくはないわ」


「今の僕達なら助けられると思うけど・・・どうする?」


「他人だし助ける義理もないわ、私が生きている事を街に戻って広められても厄介だし」


「じゃぁ見捨てるの?」


短い間だけど一緒に過ごしてロリーナの性格は把握できている、他人に無関心で人助けをするタイプではない、死にそうな女の子を前にしても無表情だ。


「リーナが助けたいならそうすればいいわ、ちなみに彼女には優しい母親と病弱な妹が居て妹の治療費を稼ぐ為にハンターになったと聞いているわ」


「そんな話を聞いたら放っておけないし!」


「・・・ひっく・・・うっく・・・誰か居るの?・・・」


思わず叫んだから気付かれちゃった!。


「・・・こんにちは」


僕は女の子に声をかけた、ロリーナは冷たく見下ろしてるだけで何も言わない・・・。


「・・・ぐすっ・・・私・・・死んじゃうの?」


「酷い怪我だから放っておいたら死ぬだろうね」


僕は見たままの感想を伝える。


「・・・お願い・・・このハンター証を持ち帰って・・・お母さんにごめんなさいって伝えて・・・」


左手でポケットから身分証を取り出そうとしているけれど震えてうまく掴めないようだ、大量出血で意識が薄れてるのかも。


「今楽にしてあげる・・・」


僕の言い方が悪かったようだ、女の子が絶望的な表情で震え始めた。


「嫌ぁ・・・怖いよぅ・・・」


「怖がらないで、今から傷を治すから」


すっ・・・


治癒を始めようと手を伸ばす僕の耳元でにロリーナが囁いた。


「目は治癒しないで、私達の姿を見られるのはまずいわ」


「うん・・・」


女の子・・・ミアさん?を地面に寝かせて腐り落ちた右腕を見る・・・この場合は腕が生えるのかな・・・そう思っていると頭の中で「落ちた腕が残っているなら傷口に添えると治るのが早いよ」と表示される。


僕は黒く腐ったミアさんの右腕を拾い傷口に添えて置いた。


ぱあっ!


治癒のスキルを発動するとミアさん?の身体が光に包まれ黒く爛れていた右半身と深い斬り傷のあった左の太ももが綺麗に復元し始めた。


「貴方のスキル、駄女神より優秀だわ」


また耳元でロリーナが囁く、確かに僕の身体より傷が綺麗に治っている。


「あれ・・・傷が痛くない・・・無くなった腕もある・・・でも目が見えないよぅ」


起き上がり自分の身体をペタペタと触ってミアさんが驚いている。


「ごめんね、僕の姿を見られると都合が悪いから目は治してないの」


「・・・私の目、もう見えないの?」


フルフル・・・


ミアさんが泣き出してしまった、閉じた瞼からは涙に混じって血が流れている・・・ちょっと可哀想かも。


「僕達の事を街で喋られると困るから・・・でも絶対に喋らないって約束してくれるなら治すけど」


そう言っている僕を見てロリーナがダメだと首を横に振っている、僕はミアさんから少し離れて小声でロリーナと話す。


「何でダメなの?(ひそっ)」


「人間は信用できないわ(ぼそっ)」


ロリーナは騙されて酷い目に遭ったから人間不信になっているようだ。


「僕だって人間だよ?(ひそっ)」


「貴方はエルフでしょ(ぼそっ)」


がしっ!


「ぴゃぁ!」


「お願いです私の目を治してくださぁぁぁい!、ハンターのお仕事をして妹の治療費を稼がないといけないのっ!」


知らない間に僕達のところに近付いていたミアさんに抱き付かれた、どうやら会話を聞かれていたようだ。









「・・・というわけで、私は一緒に来ていたパーティの仲間に捨てられたの」


あれから僕はしがみついて離れないミアさんをアイテムボックスに放り込み、う⚪︎こを不法投棄している谷まで移動した。


今僕達はボックスの中でミアさんからこれまでの経緯を聞いている。


リーシオの街のハンターギルドでお金になりそうな依頼を見ていたら他の街から来たという男2人に声をかけられた。


剣士と魔法使いの2人は報酬の良い依頼を見つけたものの斥候が居ないから探している・・・そう言って誘われたミアさんはまだ石級の駆け出しだからと断った・・・。


でも絶対に守るからと執拗に誘われた、依頼は珍しい薬草の採集だけど竜の巣が近く危険であるため斥候が必要だと・・・。


高額な報酬に釣られたミアさんは臨時のパーティメンバーとして加入、街から2日かけてこの場所までやってきた。


薬草が見つかり採集していると怒り狂った毒流に襲われた、逃げる途中で剣士がミアさんの左足を斬り置いて行かれた。


「囮役として連れて来られたようね」


ロリーナが呟く、そうなの?。


「えっぐ・・・うっく・・・優しそうな人達だったし、ソロで活動してる石級ハンターには受けられない高額報酬の依頼だったの・・・ぐすっ」


「私が受けた依頼と同じものだと思う、危険な竜の巣が近くにあるからギルドの規則で3人以上のパーティ必須になっていたわ」









「右目だけ治すから・・・動かないでね」


ぱあっ!


「見える・・・あれ?、貴方は確かロリーナさん?、スキナンジャー商会の奴隷の人だよね・・・ってかロリーナさんが2人居るし!」


「失礼ね!、奴隷なんかじゃないわ!」


「え・・・でも街の人達はみんな奴隷だって・・・」


「借金の代償に契約紋を刻まれて逆らえないようにされていただけよ!」


「それって奴隷だよね」


「・・・ぐぬぬ」


反論できないロリーナが涙目で僕を見る・・・いや僕にどうしろと!。


僕はロリーナに反対されたけどミアさんの片目を治癒して見えるようにした。


ミアさんにリーシオの街まで行って服を買って来て貰うのだ・・・街に戻ってもここで起きた事は他言しないと約束して貰った。


「服を買って来てくれたら左目を治してあげるからね、それから金貨1枚と・・・この「箱」を持って行って」


僕はミアさんにアイテムボックスから分割した小さな「箱」を渡す。


「あの・・・もしかして私の妹の病気も治せ・・・」


「治せたとしても貴方のために力を使うような義理は無いわ」


ロリーナがミアさんの言葉を遮るようにして言った。


「勘違いしないでね、主導権は私達にあるのよ、もし貴方が約束を破って裏切るような事があれば治癒は無効になるわ、右手が腐り落ち皮膚が爛れて死ぬでしょうね」


「ひっ・・・」


ロリーナの言葉にミアさんが怯える、治癒が無効になるというのは嘘だけど・・・僕はミアさんとロリーナをアイテムボックスから外に出した。


「分かったら早く行きなさい、待ち合わせは3日後の夜明け前、大森林の入り口にある大きな木のところよ・・・約束に遅れても死ぬから命が惜しければ急ぐ事ね」


「ぐすっ・・・はい・・・」


だっ!・・・


ロリーナに脅されてミアさんは街の方に走り去った。












アイテムボックス(0)(駄女神管理)

金貨:沢山

食料:沢山


アイテムボックス(1)

リーナが作った部屋:1

中二病くさい剣:1


アイテムボックス(2)

リーナのう⚪︎こ:少量

ゴミ:少量


アイテムボックス「箱」

1:メルト帝国、大森林(不法投棄用)

2:ミアさんに貸出し

読んでいただきありがとうございます。


趣味で空いた時間に書いている小説なので不定期投稿です、続きが気になる人はブックマークして気長にお待ちください。


面白いなって思ったら下のお星さまやいいねをポチリと押してもらえると作者が喜びます・・・。

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