表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ロリーナ・ボーンアゲイン!〜異世界に転生したら褐色ロリエルフになりましたぁ!〜  作者: 柚亜紫翼
2章 ゔぇんざていこく

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

18/22

018 - みなみのだいきぞく -

018 - みなみのだいきぞく -


「貴族と関わりを持ってしまったわね・・・」


ロリーナがため息を吐きながら呟く。


「まだ僕達の秘密はバレてないからしばらく様子を見る?」


「そうね、仲良くなって利用する手もあるけれど・・・面倒な事の方が多いしあまり近付き過ぎないように注意しましょう」


あれから僕とロリーナは夜中に村の宿泊所を抜け出しアイテムボックスの中で話し合っている、宿泊料だけ払って利用しないのは勿体無いけれど今はそんな事を言っている場合ではない。


ミアさんに頼んで僕達は夜明け前に村を出た事にして貰う予定だから怪しまれない筈だ。


「フェニーナさんはヴェンザ帝国の上級貴族かぁ」


この世界の君主制の国には身分制度がある、王族や皇族を頂点に上級貴族、下級貴族、平民、奴隷・・・殆どの人達は平民で一握りの者が特権階級、違法なものを除いて合法奴隷は基本的に重犯罪者だけだ。


「・・・全然そんな感じには見えなかったわ」


彼女は乱暴な言葉遣いだし性格が大雑把そうでとても貴族には見えない。


「ミストゥー家って言ってたよね、ロリーナは知ってる?」


「ヴェンザ帝国の南部を支配する大貴族ね、確か・・・今の皇帝の妹が嫁いだ家じゃなかったかしら」


「え・・・フェニーナさんって皇族の血筋なの?」


「とても信じられないのだけど・・・そうなるわね」


「えぇ・・・」


僕は昨日、豪快に服を脱ぎ散らかして全裸になったり、笑いながらユーリさんを裸に剥いているフェニーナさんを思い出して頭を抱えた。


「ミアさんは今後もあの3人と一緒に行動しそうだね・・・」


実はミアさんにはこの国の他の街やアリア王国に「箱」を運んで貰う予定だったのだ、ミアさんがダメなら時間をかけて僕とロリーナで運ぶしかない。


「僕達は楽ができるしミアさんはお金を稼げる・・・お互い良い取引だと思ったのになぁ」


「何の話?」


僕はロリーナに考えていた計画を話した。


「確かに楽ができるし効率が良いわね」


しばらく2人で話し合ったけれど結論は出なかった、別に急ぐ必要もないしアリア王国でネリーザと会うのは1年先だ、その時になったら考える事にした。


・・・朝になったから僕は画面を出してミアさんの様子を覗き見る。


宿泊所の食堂で朝食を食べているミアさんと3人組、その後一緒に村を出るのかと思ったら・・・。


「3人と別れたよ!」


ミアさんが手を振って3人組と別れた、3人はミアさんを置いてエースの街行きの馬車に乗り込んでいる。


僕は宿泊所の大部屋で荷物を整理しているミアさんをアイテムボックスの中に回収した。


「3人と一緒に行かなかったんですか?」


「うん、だって馬車代や旅費がかかるし・・・リーナさんのスキルならヴロックの街まで一瞬だから」


僕の質問に当然の事のようにミアさんが答えた、確かにアイテムボックスと「箱」を使えば旅費が要らないよね・・・。


「仲良さそうだったから今後も一緒にお仕事するのかと思ってました・・・」


「一緒にパーティ組もうって誘われたけど貴族様3人の中に平民の私が混ざるのは居心地悪いし・・・あの3人はヴロックの街を活動拠点にしてるそうだから斥候が必要な時だけ協力する事にしたの」


どうやら3人はミアさんが最初にヴロックの街に来た時に泊まった宿・・・「リンスの宿屋」に長期滞在しているらしい。


「エースの街を拠点にした方が便利なんじゃないですか?」


「あ、私も気になったから聞いてみたの・・・ヴロックの街にはフェニーナさんの親戚が住んでて、その人を頼って家出したんだって」


何故かそれを聞いて僕の頭の中にギルド長の顔が浮かんだ・・・。









もっもっ・・・


がつがつ・・・


もそもそ・・・


「美味しい!」


「美味いな!」


「おいしいです・・・」


ここはまだ営業再開していない「マリアンヌの食堂」の中、カウンターに座ってティアさんの料理を試食しているのはフェニーナさんをはじめとする愉快な貴族令嬢3人組だ。


このお店を僕が買って23日になる、ティアさんはまだお婆さんの合格が貰えず改装を終えてあとは開店を待つだけの状態になっている厨房に立ち練習に明け暮れている。




・・・


「あたし達より早くヴロックに戻ってきてるし!」


エースの森で起きた騒動から3日後、街で食材を買っていたミアさんが3人組に声をかけられたようだ。


「途中で私たち追い抜かれた?」


「いやそんな筈は・・・」


「エースのハンターギルドで話をしてた時に・・・」


3人の会話を聞きながら秘密がバレないか挙動不審になっていたミアさんにユーリさんが尋ねた。


「そういえばミアちゃんってどこに住んでるの?」


「街の外れにある「マリアンヌの食堂」というお店の2階だけど」


「あー、あの店一度行って美味かったからまた食いに行こうと思ってたのに閉店しちまったよなぁ!」


「そうそう!、もう一度食べたかった!」


「実は私のお母さんが引き継いでお店を再開しようと・・・」


「「「!」」」




「・・・というわけで3人を連れて来たらちょうどお母さんが試作品を作り過ぎてて・・・」


ロリーナと散歩から戻って来た僕にミアさんが経緯を説明してくれた、シアちゃんはロキくんと海へ遊びに行っているようで居ない。


「この量は僕達だけじゃ食べきれないだろうから3人が来てくれて良かったかも?」


カウンターの上には試作した料理が山積みになっていた、なんでも味付けのコツを掴みかけてきたようで自分が納得できるまで作っていたらこうなったようだ。


「あのお婆さん、無意識だろうけどお料理を作ってる時にスキルを使ってるみたいだったよ」


以前このお店でお婆さんの料理を食べた事があるユーリさんが香草ソースの付いたお肉をパンに挟みながら呟いた。


「え?」


それを聞いたティアさんが首を傾げる。


「あぁ、ユーリの奴は他人がスキルを使うと魔力の揺らぎ?を感じて分かるらしい、あたしは全然分からねぇけどな!」


「それじゃぁ私がいくら頑張っても同じ味にならない?」


フルフル・・・


ティアさんが泣きそうだ・・・個人的には今の時点でも十分美味しいしお店に出しても問題無いと思う。




「美味かったよ!、店を再開する時には食いに来るから呼んでくれ!」


そう言い残して3人は帰って行った。







・・・


翌日の朝、いつものようにお婆さんを店に連れてきて試食して貰った。


カウンターの上に取り分けられた小皿に並ぶのは味付けのコツを掴んだと言っていたティアさんの自信作だ。


「・・・」


「あの、師匠・・・どうでしょうか?」


「いいだろう、まだ少し足りないがこの店の味になってるね」


「ありがとうございますっ!」


お婆さんが笑顔でティアさんに言った、どうやら合格のようだ。


「よく頑張ったね、色々厳しい事も言ったがお前さんになら安心して任せられる」


「ぐすっ・・・うりゅ・・・」


ティアさんが泣き出したよ・・・それを見たお婆さんはティアさんの頭を撫でている。


結局準備期間も含めて3日後に店を再開する事になった、お婆さんも体力が続く限り毎日お店に入って手伝ってくれるそうだ。


「給料なんて要らないよ、老後の趣味みたいなもんさ・・・この店を売った金が沢山あるし生きてるうちに使い切れるかどうかも怪しいからね」


お給料を払うと申し出たティアさんにお婆さんは笑いながらそう言った、僕はユーリさんが言っていたスキルについて尋ねてみる。


「・・・スキルかい?、私のは「料理が美味しい(中級)」だよ、子供の頃から料理だけは得意でね、両親にはよく褒められたもんさ・・・旦那にもそのスキルを見込まれて求婚されたんだよ」


ネリーザのスキルと同じだった、貴族のネリーザは役に立たないと笑われたそうだけど食堂を営む家に生まれたお婆さんにとっては自慢のスキルのようだ。






お店の開店まであと1日、僕とミアさん、シアちゃんはお店の準備を手伝っていた。


調理や給仕の段取り確認の為にミアさんに頼んで例の愉快な3人組を試食だと言って連れて来て貰ったのだけど、3人とも元気が無い・・・。


「どうぞー」


「ありがとう、ミアの妹か・・・かわいいな」


なでなで・・・


今までのフェニーナさんならシアちゃんを抱き抱えて撫で回していただろう、テンションが普段の半分以下だ。


もっもっ・・・


もぐもぐ・・・


もっちゃもっちゃ・・・


「美味しいねー」


「そうだな、婆さんがやってた時の味と同じだ」


「おいしい・・・」


もっもっ・・・


・・・


・・・


「誘ってくれてありがとうな、開店したら時々食いに来させてもらうぜ」


「あのっ!」


ミアさんも3人の様子がおかしい事に気付いていたようだ、帰り際に声をかける。






「気を遣わせちまったな・・・」


申し訳なさそうに謝るフェニーナさん、やはり様子がおかしい。


「実は宿を追い出されちゃって・・・」


「この街には宿が他に1軒あるけどそこは高いし、今日から野宿なんだぁ・・・」


抜け落ちた表情で宿を追い出されたと語るモレナさんと涙目で野宿だと言うユーリさん・・・。


「何で追い出されたんです?」


僕は3人に理由を尋ねた。


「1人用の部屋に3人で泊まってるのがバレた」


思ってたより間抜けな理由だった!。


「親戚の人を頼ってこの街に来たって聞きましたけど・・・」


「あたしの叔父・・・いや叔母が街に住んでんだけど家があまり広くねぇから3人世話になるのは心苦しくてな」


何で叔母って言い直したんだよ!。








「うぉぉ!、すげぇ!」


「見晴らしが良くて気持ち良いー」


「いいなぁ・・・」


僕は3人を店の3階にある部屋に案内した。


ここは部屋が2つに仕切られていて他人に貸し出されていた頃は2組の人が住めるようになっていた、片方は僕とロリーナが使っているからもう一つは空いているのだ。


この前ロリーナと話し合って3人とは距離を置こうと決めたばかりだから貸し出す気は無かった、でも・・・。


「3階のお部屋が一つ空いてるよ」


普段ロキくんと3階の空き部屋で遊んでいるシアちゃんが無邪気な笑顔で余計な事を言ってしまったのだ。


「シア!」


ティアさんが慌てて止めたけれど間に合わなかった、それを聞いた3人が期待に満ちた表情で僕を見る・・・これは断れない!。





「ベッドや家具は無いですけど」


「床に直で寝る、野宿よりはマシだぜ」


キラキラ・・・


「3人住むのは狭いかも・・・」


「今まで宿の一人部屋で3人並んで寝てたから問題無いわ」


キラキラ・・・


「お手洗いは3階にもあるけど僕達と共用、お風呂は1階だけでティアさん達家族と共用になります」


「大丈夫っ!」


キラキラ・・・


3人ともそんなにキラキラした目で僕を見ないで欲しい!。


「・・・60日締めで家賃は銀貨1枚です、水道代込み、魔導灯の魔石のような消耗品は自己負担になります」


およそ2ヶ月で家賃4万円・・・上下水道の利用料込みだから超格安だ。


「そんな安くて良いのかよ!、凄ぇ助かるぜ!」


ぎゅぅぅ!


「ぐはっ!・・・苦しい・・・」


フェニーナさんに抱き締められた、力が強いから骨が折れそうだ!。












・・・


・・・


ざざぁぁ・・・


ざぁぁぁ・・・


「ふぅ・・・遠くに陸地が見えてきたな、あと半日ってとこか・・・」


空を見上げると快晴、見下ろすと穏やかな青い海・・・俺は紫煙を吐き出し咥えていたタバコを靴の底で揉み消した。


「そうですねー、メルト帝国は久しぶりですー」


「銀髪のダークエルフ、性別女、見た目は人間の13歳ほど、全身に熱傷の痕があり包帯を使用・・・か」


「これだけ目立つ容姿なら楽勝ですよー」


「・・・だといいがな」







アイテムボックス(0)(駄女神管理)

金貨:沢山

食料:沢山


アイテムボックス(1)

リーナが作った部屋:1

中二病くさい剣:1

下着:2組

ミアさんの家から貰ったソファ:1

斥候服(ロリーナとネリーザ用):2


アイテムボックス(2)

リーナのう⚪︎こ:少量

ゴミ:少量


アイテムボックス「箱」

1:メルト帝国、大森林(不法投棄用)

2:ミアさんに貸出し

3:メルト帝国、大森林の野営広場

4:メルト帝国リーシオの街、ミアさんの部屋

5:メルト帝国ズィーレキの街、路地裏

6:メルト帝国シリィの街、駅の近くの路地

7:ヴェンザ帝国ヴロックの街 拠点「マリアンヌの食堂」3階

8:ヴェンザ帝国ヴロックの街 お婆さんの部屋

9:ヴェンザ帝国エースの街 路地裏

10:ヴェンザ帝国ヴィエンの村 宿泊所裏口

11:ヴェンザ帝国 エースの森


読んでいただきありがとうございます。


趣味で空いた時間に書いている小説なので不定期投稿です、続きが気になる人はブックマークして気長にお待ちください。


面白いなって思ったら下のお星さまやいいねをポチリと押してもらえると作者が喜びます・・・。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ