表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ロリーナ・ボーンアゲイン!〜異世界に転生したら褐色ロリエルフになりましたぁ!〜  作者: 柚亜紫翼
2章 ゔぇんざていこく

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

14/23

014 - おうちをかった! -

014 - おうちをかった! -


「そういえば最近森の中から裸の男の人が出て来るから気をつけろって屋台のおじさんが言ってた」


「げふっ!、えふっ!」


僕はシアちゃんの言葉を聞いて豪快にむせた。


「・・・その男の人はどうなったのかな?」


僕は鼻から出た野菜スープをテーブルの上に置いてあるナプキンで拭いながら聞いてみた。


「衛兵さんに捕まったみたい」


捕まったんだ・・・。




ミアさんの家族をヴロックの街に連れて来た翌朝、僕達は全員で街を散策した。


青い海、朝日を浴びて光る白壁、海の色と同じ青い扉や屋根・・・この街はとても綺麗だ、ティアさんはその絶景を見て感動しているしシアちゃんは楽しそうにはしゃいでいる。


「お姉ちゃん!、海?、あれが海なの?」


「海だよ、私もこの間初めて見たけど綺麗だねー」


元々彼女達が住んでいたリーシオの街は内陸だから海が珍しいのかもしれない。


ティアさんは生まれてからずっと街を離れた事がない、旦那さんは他国からサウスウッド大森林の魔物を求めてリーシオに移住してきたハンターだった。


街の景色を一通り堪能した僕達はお気に入りのレストラン「コアラーノ」で食事をする事にした、例によって食事のできないロリーナはアイテムボックスの中で留守番だ。


ティアさんは値段を見て遠慮していたけど、初めての家族旅行の記念に僕が奢る事にした、何よりこの街に来てから楽しそうにしているシアちゃんに喜んで欲しかったのだ。


頼んだのは前回食べたお肉の香草焼きと野菜のスープだ、お肉のソースが選べるようだったので僕とミアさんは前と違う香辛料のソース、シアちゃんとティアさんは酸味のある果実ソースを選ぶ。


筋肉モリモリマッチョなおじさん・・・マーチンさんが前回同様お客の注文を聞いて料理も運んでいる、カウンターの奥を見ると給仕の女の子が口を開けてだらしなく居眠りをしていた・・・何の為に居るのか謎過ぎる。


料理の味については皆に好評だった、量が多過ぎてシアちゃんが食べきれない分はミアさんのお腹の中に消えていった・・・。




・・・そこで冒頭のシアちゃんの発言が出た。


どうやら僕が森の野営広場に放り出した2人組のハンターと強盗は全裸で森から街にやって来て衛兵に捕まったようだ。


「そういえばこの通りに古着や武器を買い取ってくれるお店がありましたね、ちょうどいらない剣や魔法用の杖を持ってるけどミアさん売って来ます?、買取のお金は全部あげるから・・・」


そう言ってミアさんを見ると激しく頷いている。



・・・


「金貨1枚と銀貨2枚になったよ、本当に貰っていいの?」


査定を終え満面の笑顔でお店から出てきたミアさんが僕に尋ねる、そんな顔をされたら今更ダメとは言えないじゃないか。


「いいですよー」


全部で約48万円か・・・衣類や財布は鉄貨数枚にしかならなかったけれど武器は高く買い取って貰えたらしい、あのクズ野郎2人組は結構いい武器を持っていたようだ。







・・・


「これは残しますか?」


「もう必要ないねぇ、捨てていいよ」


「お婆ちゃんこの本は?」


「おや懐かしい、これは息子が幼い頃に読み聞かせていた物語だよ、欲しいなら持って行きな」


「ありがとう!」


今僕達は「マリアンヌの食堂」の2階居住スペースで引越しの荷造りをしている。


明後日には僕のハンター身分証が手に入りその2日後にこのお店を売って貰う予定になっている、でもまだお婆さんはこの家の2階に住んでいて息子夫婦の家に持って行くものと捨てるものを仕分けしていた。


お婆さんの息子さんは大通りでレストランを開いていて忙しいようで、一人作業していると聞いて僕は手伝いを申し出た。


ティアさん達は「コアラーノ」でのお食事の後、僕が引越しの手伝いをすると聞いて食事のお礼に手伝うと言ってくれたのだ。


「不用品はこれで全部ですよね」


夕方になって荷造りが終わり僕はお部屋の片隅に積まれた家具や木箱、大量のゴミを指差してお婆さんに尋ねた。


ベッドや戸棚などの大きな家具は輸送が大変だろうと息子さんが新品を買い揃えてくれたらしい。


「そうだけど・・・これだけの量のゴミだと捨てるにもお金がかかるだろう?」


そう、この街では粗大ゴミを捨てる時には手数料を取られるのだ。


しゅっ・・・


「消えたよ!」


お婆さんが目を丸くして驚いている。


「僕のスキルです、収納系のスキルは珍しいようなので秘密にしておいて下さいね」


難しい事はしていない、アイテムボックスに収納して不法投棄の谷底に捨てただけだ・・・。


「あとは3階だが・・・8年ほど前まで住んでた奴が残して行った荷物がある、好きにしていいよ」


僕達は人に貸していたという3階のお部屋を見に行った・・・2階と同じで海が見える景色のいい部屋だ、荷物は予想していたより少なく前の住人はハンターだったのか錆びた剣や靴、皮袋が壁際に置かれている。


「イヴっていう20代後半くらいの女ハンターだったねぇ・・・いつものように店で朝食を食べて仕事に行ったんだが帰って来なかった・・・もう生きてないだろうよ」


2つに分かれている部屋にはしばらく誰も入っていないようでベッドや机には埃が積もっていた、お手洗いや水回りもあってこの階だけで生活が出来るようになっているけれどお風呂は1階にしか無い。


足腰を痛めてからお婆さんは3階まで上がれずこのお部屋に入るのは3年ぶりらしい、家具は新しいのを買いたいから全部不法投棄かな・・・。


「僕は3階を使いますから2階は半年・・・リーシオに戻るまでティアさん達で好きに使って下さい、1階はしばらく使う予定が無いから放置かなぁ・・・」


シアちゃんは僕の言葉を聞いて大喜びだ、この街で暮らせるのが嬉しいらしい。


僕はお婆さんの荷物をアイテムボックスに入れて息子夫婦のお家に運んであげたらとても喜ばれた。


実は息子さんは大通りに店を構える高級レストランのオーナー兼シェフで今度お礼にタダで料理を食べさせて貰える事になった。










僕達はアイテムボックスに入りミアさんは借りている宿に戻った、宿のお部屋は1人用なので僕達が一緒に入るとまずいのだ。


その夜は疲れたので早く寝る事にする、僕がソファで寝ていると隣のお部屋からティアさんとシアちゃんの話し声が聞こえてきた。


拠点を買うまでの間の仮設だからとボックスの中の間仕切りは薄いし天井は吹き抜けだ、隣の会話がよく聞こえてしまう。


「シアちゃん、この街素敵だねー、気に入った?」


「うん、すごく綺麗だし街の人も優しそう」


「ずーっとここで住めたらいいなぁ、シアちゃんはどう思う?」


「この街に住めるの?」


「まだ分からないよ、家賃だって高そうだし・・・リーシオの街に戻るかもしれないわ」


「えー、やだ、私この街に住みたい!」


・・・


・・・


ティアさん意外とあざといな・・・もしかしてこれは僕に聞かせてるのか?、天然っぽいから無意識なのかもしれないけど・・・。


僕はソファから起き上がり、ボックス内にもう一つ空間を作ってロリーナを呼び出した。


「2人の会話、聞いた?」


「聞こえていたわ、あの女、見た目と違ってあざといわね」


僕の問いにロリーナが呆れたように答える。


「どうする?、僕としては1階と2階は空き家のまま放置する予定だったから別に住んで貰っても構わないけど」


「リーナは甘いわ、甘々の甘ちゃんね、私はまだあの家族を信用していないわ」


うん、確かにまだ完全に信用できない、特にティアさんとは何度か一緒に食事をしただけでまだ人柄をよく知らない。


「悪い人ではないと思う・・・シアちゃんも可愛いし」


「本性は分からないわよ・・・確かにシアは可愛いけれど」


「そういえばロリーナはシアちゃんに懐かれてたよね」


「・・・」


「シアちゃん可愛いから向こうに戻ったらまた狙われるかも・・・」


「・・・」


「代わりにリーシオの街にあるあの家、貰っちゃう?」


「あんなボロ家を貰っても仕方ないわ」


「じゃぁ家賃を貰う?」


「3人のうちの2人は無職で残りの1人は借金があるわ、払えるの?」


・・・


・・・


僕達の話し合いは結局深夜まで続いた・・・。








・・・


翌日、僕達は屋台で朝ごはんを食べた後、再び「マリアンヌの食堂」に向かった。


建物の引き渡しまであと3日、人生の大半を過ごしたお店に愛着があるのかお婆さんは最後の日まで昼間はお店で過ごしていると聞いていた。


「お婆さん、お話があります」


僕はお店から出てきたお婆さんに向かって話し始めた。


「・・・というわけで、2階にティアさん達が住むのですが、1階のお店を放置しておくのは勿体無いのでお婆さんからティアさんに料理を伝授してお店を引き継いで貰おうかなと」


「は?」


「え?」


お婆さんは驚き、ティアさんは訳が分からないという表情だ。


「貴方ここにタダで住むつもりじゃないでしょうね」


僕の背後からロリーナがティアさんに話しかける。


「・・・いえ、ちゃんと家賃は払います」


「どうやって?、貴方は無職でミアは私達に借金があるわよ」


「・・・」


「ロリーナ、ティアさん泣きそうだから続きは僕が話すよ」


「・・・」


「ティアさんにはこのお店「マリアンヌの食堂」を引き継いで貰おうかなって・・・ティアさんはお仕事を見つけてこの街で暮らせます、お婆さんは常連客に愛されたこのお店が復活します、2人にとって悪い話じゃないと思いますけど」


「あのっ・・・食堂で働いていた経験はあります、是非私にこのお店を続けさせて下さいっ!」


ティアさんが僕とお婆さんに頭を下げた。


「私の指導は厳しいよ・・・」


お婆さんが悪そうな笑顔でティアさんを見る。


「これで上手く収まったかな」







・・・


このお店を買ってから5日が過ぎた・・・僕とロリーナは3階、ティアさん一家は2階に住引っ越した。


結局、お婆さんには最初の約束通り、お店を引き継ぐ代わりに金貨10枚安くして貰いこの建物は僕のものになった・・・役場での手続きは息子さんの信用があったので思っていたより簡単に終わった。


僕は浮いた金貨10枚を使ってお店を改装して貰っている。


黄ばんだ壁紙を貼り替え、傷だらけの床やカウンターは修繕、椅子やテーブルも新調・・・今も下の階では職人さんが改装作業をしている。


お婆さんがティアさんに料理を教え込み、満足できる味になればお店を再開する予定だ。


どさっ!


「まずはこれを全部読むんだよ」


2階の居住スペースに山積みになったレシピノートを前に呆然とするティアさんと悪そうな笑顔で迫るお婆さん・・・。


僕は毎朝お婆さんの新しいお部屋に置かせて貰った「箱」からお婆さんをここに連れて来る事が日課になってしまった。


息子さん夫婦からもお店を続けられるようになって母に昔のような笑顔が戻ったと喜ばれている。






「全然ダメだね、甘過ぎるよ!」


「あぅ・・・」


2階居住スペースの簡易キッチンで試作品を作るティアさんと、味見をしてダメ出しをするお婆さん・・・お店の再開までしばらく時間がかかりそうだ。



バタン!


「シア、海に行こうぜ!」


「あ、ロキくん!」


「こらロキ!、勝手に人様の家に入るんじゃないよ!」


お婆さんが怒鳴る。


「シアは良いって言ってるよ!、それにリーナ姉ちゃんもダメって言ってないし!」


ドアを開けて入って来た男の子はロキ君・・・お婆さんの孫だ、このクソガキ・・・いや、こいつは毎日のように遊びに来てシアちゃんを連れ出そうとする。


「危ないところには行かないでね」


しかもティアさん公認の仲だ・・・。


ロキ君はどうやらシアちゃんに淡い恋心を抱いているようだけどまだ子供で純真なシアちゃんは気付いていない、よく遊んでくれる仲良しのお友達という扱いだ。


「さて、僕もこの街での生活を始めようか・・・楽しく過ごせるといいなぁ」









アイテムボックス(0)(駄女神管理)

金貨:沢山

食料:沢山


アイテムボックス(1)

リーナが作った部屋:1

中二病くさい剣:1

下着:2組

ミアさんの家から貰ったソファ:1

斥候服(ロリーナとネリーザ用):2


アイテムボックス(2)

リーナのう⚪︎こ:少量

ゴミ:少量


アイテムボックス「箱」

1:メルト帝国、大森林(不法投棄用)

2:ミアさんに貸出し

3:メルト帝国、大森林の野営広場

4:メルト帝国リーシオの街、ミアさんの部屋

5:メルト帝国ズィーレキの街、路地裏

6:メルト帝国シリィの街、駅の近くの路地

7:ヴェンザ帝国ヴロックの街 拠点「マリアンヌの食堂」3階

8:ヴェンザ帝国ヴロックの街 お婆さんの部屋

読んでいただきありがとうございます。


趣味で空いた時間に書いている小説なので不定期投稿です、続きが気になる人はブックマークして気長にお待ちください。


面白いなって思ったら下のお星さまやいいねをポチリと押してもらえると作者が喜びます・・・。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ