第18話 ★(挿絵有り)
リビアの初めてのダンジョンダイブを行った翌朝、俺達はギルドにてロキとレインと落ちあい、昨日のドロップ品をギルドに買いとってもらっていた。
査定の間、俺とリビアはダンジョンダイブをしながらできるクエストがないか、クエストボードの前に立ってクエストを物色していた。
ロキとレインはギルドにいる冒険者に、何か聞き込みを行っていた。
「査定番号八番の方ー」
そうしている内に俺達の査定が終わったようだ。
買取専用のカウンターへ向かい査定金額を聞き、全員が金額に納得してから買い取り金額を受け取った。
「わー、思ったよりいっぱいお金もらえるんだね!」
「ん、色々食べられる」
「今日もダンジョンから帰ったら美味しいもの食べようか。 ロキとレインの取り分は……これくらいかな?」
俺はそう言って受け取った金額の内、三分の一の金額をロキに手渡した。
ダンジョンの往路と復路どちらも同じくらいドロップしたので、復路の半分の金額に少し色を付けた金額だ。
「僕達が受け取る分にしては少し多いんじゃないか?」
「いや、そんな事ないよ。二人は街にいる間俺達と違って宿代がかかっているし、何より二人がいてくれてすごく楽に帰れたから気にせず受け取ってほしい」
「そうか……すまない、たすかる」
「ありがとうテイトさん!」
俺達はその後エレンさんのアトリエに行き、昨日のダンジョンで使ったポーションなど補充を行ってダンジョンへ向かった。
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ダンジョンに入った後、俺達は俺達は一層のセーフエリアまで進んだ。
この時の陣形は俺とリビアが前に出て、後ろでロキとレインが魔法で援護を行う。
俺とリビアが前に出たことで、より前衛同士でフォローできるようになり戦闘が安定した。
ただしレインは今日も簡単なトラップに引っ掛かり、転ばされたり水を被ったりして「もー! なんでレインだけー!」と叫んでいる。
大きな怪我をするようなトラップに引っ掛からないのは何故なのだろうか……。
そうして一応全員無事にで順調に奥へと進み、俺達はセーフエリアへと到着する。
「ん~、やっとついたー! トラップは相変わらずだったけど、戦闘が昨日より凄くしやすいから楽ちん!」
「キミは相変わらずトラップに掛かっていたけどそうだね。テイトさんとリビアさんに改めて感謝しないと」
「いや、俺達も二人のカバーに助けられているからお互い様だよ。少し休もう」
俺はそう言ってストレージリングから、大きめの机と四人分の椅子を取り出した。
そして全員が着席してから俺は全員分の飲み物も取り出し配る。
「テイト、おやつ……ないの?」
俺が飲み物しか出していないのを確認したリビアが、残念そうな顔をして獣耳が垂れ下がった。
「ごめんごめん、リクエストを聞いてから出そうと思ってて。みんなどんなのおやつがいい?」
「ん……なら私は甘くて柔らかいものがいい」
「あ、じゃあ私もリビアちゃんと同じ意見で!」
「おいレイン……僕達の分もいいのかい?」
「いいよ、ロキさんは希望はない?」
「僕は特に希望はないかな、すまないね」
「いえいえ、昨日のお返しと思ってもらえれば」
ということでリビアのリクエストを満たすおやつか……。
大福とかどうだろうか、確かストレージリングに入れていた気がするが……あった。
「リビア、大福とかはどう?」
「ダイフク……ってなに?」
「食べたことないんだ? 美味しいから食べてみて」
そう言って俺はストレージリングから大福を取り出し、リビアに渡した後にロキとレインにも配る。
ロキとレインからお礼を言われ俺達はそれぞれ食べ始めた。
「ん……美味しい」
「ほんと、これ美味しい!」
「ふむ……すごくもっちりしていてまるでチーズのように伸びる皮に、程よく潰されていて小豆の触感を楽しめる粒あん、実に美味しい」
「みんなの口に合ったようでよかった。こしあんの大福もあるからよかったらどうぞ」
「テイト、わたし欲しい」
見るとリビアはすでに食べ終わっていたので、お代わりのこしあん大福を俺の分を含めて二個あげる事にしたのだった。
俺達はその後三十分ほど休憩しつつ、この後はボス部屋の前まで行ってから、再度このセーフエリアに引き返しお昼休憩を取ることを決めた。
何日か後にチャレンジ予定の一層ボスまでのルート確認の為だ。
「よし、じゃあそろそろ出発しようか」
俺がそういうと全員が席を立ったので、ストレージリングを起動し机と椅子を収納する。
そしてセーフエリアに来るまでと同じ隊列で、ボス部屋へと向かうルートを進み始めた。
道中はセーフエリアに到着するまでと同じく、特にこれといったトラブルは起きなかった。
いや、レインは相変わらず偶にトラップに引っ掛かっている。
そうして奥へと進んでいくと前方の通路に、透明な膜のような物が広がっていた。
奥にはかなり広めの空間が広がっており、中央には五体それぞれ武器が異なるスケルトンが佇んでいるのが見える。
「よし、ボス部屋の前に到着だ」
「これはなに?」
リビアが目の前の透明な膜を指さして質問してくる。
「これはボス部屋を区切る仕切りみたいなもので、この膜を超えた瞬間にボスが俺達を認識して攻撃してくる。逆に言えば膜のこっち側に戻れば、ボスは俺達を追ってこれないから逃げる時は全力で入り口に走ればいい」
「なるほど、わかった。ちなみにこれ触ってみてもいいの?」
「もちろん」
「あ、レインも久しぶりにこれ見たからリビアちゃんと一緒に触ろーっと!」
そういってリビアとレインが膜に近づいて、リビアは恐る恐るといった感じで膜をつつき、レインは撫でたりつまんだりしている。
「シャボン玉の膜みたいに薄い」
「あはは、確かに! 光が反射して綺麗なところも一緒だしね!」
「ん、きれい」
リビアは微笑を浮かべ、レインはいつもと同じ様に笑顔で膜の感想を言い合っている。
「それにしてもやっぱりこの膜は不思議だな……」
「ふむ、不思議とは?」
「あぁ、いや。この膜はこんなに薄いのに、ボスの攻撃で絶対破れることはないよな?」
「そうだね、僕の認識もその通りだ」
「しかも人間は通すけどボスは通さないと来た。妙に人間に優しい構造だなと。それがまるで……」
「……まるで?」
「――『ダンジョン』がいざという時、人間を守ろうとしているようだと思って」
「――」
「なんてね。ダンジョンに意思がない限りそんな事あり得ないと思うけどね……ロキさん?」
ロキの表情をうかがうと、考え込むような顔をして固まっていた。
「すまない、そういう捉え方も出来るんだな、と感心していた。常識にとらわれない考えをするんだね、テイトさんは」
「いや、冗談というかただの世迷言なんで忘れてください」
そんな雑談をしていると膜を触るのが飽きたのか、リビアとレインがこちらに戻ってきていた。
二人の表情は十分膜で遊べたからか満足げだ。
「おもしろかった、ロキと何の話していたの?」
「それはよかった、ちょっと雑談だよ。ルート確認も済んだからセーフエリアまで引き返してお昼休憩にしよう」
そうして俺達はセーフエリアへの道を引き返したのだった。
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無事にセーフエリアについた後、また俺が机と椅子を出しそれぞれが食事の準備をする。
今日のお昼ご飯は俺とリビアが、いつもの料理屋さんでテイクアウトしたカレーだ。
カレーはオークの肉が使われており、普通の豚肉を使ったカレーよりも肉が大きく味もいい。
その代わり少々値段が高くなってしまっているが、ここ最近はソロでなかったので魔物討伐の効率が上がり、懐に余裕が出来ているので大丈夫だ。
ロキとレインは今日もロキの手作り弁当の様だ。
今日は白身魚の切り身を焼いたお弁当になっていて、見たところシンプルに塩で味付けしているようだ。
「テイトさん、一層のボスには挑む予定ある?」
お昼ご飯を食べ始めて少し経った時、レインからふとそんなことを言われた。
「俺とリビアの新しい防具を今作ってもらってて、それが数日後に完成するからその時だね。何か挑みたい理由があるの?」
「レインの今の実力を測りたいから、出来るだけ早く奥まで進みたいなって思っててそれで聞いたんだ」
「テイトさん、レインはそう言ってますが無理に進まなくていいですよ。命あっての物種ですから」
「一応そのつもりだよ。ただ今日の午後からはこのセーフエリアに近い、湧き部屋に挑んでもいいかなって思ってる」
「テイト、湧き部屋危ないから暫く挑まないんじゃなかった?」
「今は四人だからね。二人のままだったら暫く挑めなかったと思うけど、今はロキさんとレインさんがいるのと一層ボス攻略に向けて、五体以上のスケルトンとの戦闘に慣れておきたいからね」
「それならもう二日……いや、せめて後一日だけ僕達の連携を高めてから挑んだ方がいいのではないだろうか?」
ロキからそのような提案をされ俺は少し考える。
確かにいくら人数が増えたからと言っても、連携がまだまだ詰められそうなところはある状態で、数的不利の戦闘は行うべきじゃない。
ロキの言う通りまず無事にダンジョンから帰られるよう、ダンジョン内では立ち回るべきだ。
「確かにそうですね。それじゃあ今日明日で連携を高めつつ、連携度合いを見て二日後か三日後に沸き部屋に挑みましょう」
お昼休憩が終わった後、このまま帰ると入り口に早く帰ってしまう。
その為もう暫くセーフエリア近辺で魔物と戦い、その後またセーフエリアにて休憩を取り帰路につくという事にした。
その後のダンジョンでの戦闘も特に大きなトラブルはなく、無事にダンジョンから帰還をし夜も一緒にご飯を食べ明日に備えるのだった。
※ノベルAIにて作成した挿絵です。
※AIイラストの為毎回キャラの雰囲気は変わる可能性が有ります。
明日も22時頃に投稿予定です!
基本手動での投稿の為多少前後すると思います。
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