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夜間飛光

作者: すみ いちろ



どこかへ走り去る

恋する肖像画

止まったままの時計

深夜0時



消えた裸婦像

嗅ぎ分けた鼻腔の奥の刺激



月夜に吹いた

雲間から

少年

イルカに乗って現れる



星のピアス

ハートの鎖

流れ落ちる



真空管に放電

紫色のリング

秘密くぐり抜ける

真夜中の奥

壁の向こう



ツインテール

解かれるリボン

バースデーケーキ

あなたにあげる

白い生地



指先入れる

赤い宝石

(まぶた)開く

赤くなる



ルビーの輝き

おへその奥

仕舞い込む

ぬくもり

ダイアに変わる



ささやかに

(ささや)

小さな未来

透明な木霊(こだま)

響き合う



どこからか

地平線が目覚める

水平線が開く

地球の輪郭


 

小さな手のひら

泳ぐ宇宙























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― 新着の感想 ―
[一言] 泳ぐ宇宙 いい
[一言] 夜の描写、心の中のイメージ。その後に 「どこからか 地平線が目覚める 水平線が開く 地球の輪郭」 朝の始まり。 はっとする場面転換に感じました。ここ好きです。 (*´Д`*)、
[良い点] >ささやかに  囁く  小さな未来  透明な木霊  響き合う この部分が好きです! 透明な木霊、 見えない掴めない感じが素敵といいますか。 クリーンなものが体内を潤してくれるような~… …
2021/06/23 06:16 退会済み
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