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俺の日常が突然終わった件  作者: カプチーノ
1章 始まり
4/9

4話 衝撃の告白 そして検証

よろしくお願いします!

「桐間くんは... ...フルワールドの住人なの?」

「... ...えっ?」


麻乃さんの口から出てくるはずの無い言葉が出てきて俺は動揺する。


「実は昨日、私桐間くんが魔法を使うのを見ちゃって... ...」


「えーっと、それに答える前に一つだけ質問していいかな?」


「なにかな?」


「麻乃さんはなんでフルワールドのことを知ってるの?」


彼女はエンプティワールドの人間。だから普通なら彼女はフルワールドという言葉は知らないはずだ。

いやまぁ、彼女が中二病なら別だがたまたま一致するなんてことはまぁないだろう。


「たしかにそこから話さないといけないね。じつは私、7歳のときまでフルワールドにいたの。だから魔法の存在も知ってるし、桐間くんが昨日戦ってたシャドウのことも知ってる」


すごい告白がきた。てかフルワールドの人間ってこっちいすぎだろ。魔力持ち多すぎだ。


「でも、7歳になった時に色々あってこっちの世界に来たの」


いろいろってなんだ?

そう思ったが俺は尋ねようと彼女の方を見る。

しかし、俺は聞くことができなかった。

なぜなら彼女は下を向いて震えていたからだ。おそらく辛い出来事だったのだろう。思い出したくもないような出来事。僕もなんとなくだがその気持ちがわかる。しかし、僕よりもつらいはずだ。だって彼女は僕よりも幼い時に最愛の両親とお別れをしなければいけなかったからだ。だから、尋ねてはいけないと思った。


「そっか... ...」


「それで桐間くんが昨日魔法を使ってるのを見て、それでもしかしたら桐間くんもフルワールドの人なのかなっておもって... ...」


「いや... ...俺はエンプティワールドの人間だよ」


彼女は僕に期待をして尋ねてきたのだろう。しかし僕はこの世界の住人だ。彼女にこのことを伝えるのは心が痛いが嘘はつけない。


「そうだったんだ... ...。もしフルワールドの人間ならフルワールドに連れて行ってもらおうと思ったんだけど... ...。でも桐間くんはどうして魔法が使えるの?」


「それが自分でもよく分からなくて... ...。ごめん、フルワールドに帰りたいのに役に立てなくて」


「ううん、こっちこそビックリさせてごめんね。あ、もうここでいいよ。ありがとうね。また明日学校で」


そう言って彼女は小走りで走っていく。

僕はなんの力にもなれない。心苦しいがどうしようもない事なのだ。

ちなみに僕は彼女の告白には驚いた。けれどとても驚いたという程では無かった。

やはり俺の感覚が麻痺ってきたのだろう。


あー、慣れたくなかったなぁ。


そう思いつつ俺は家に帰る。

家に着くと8時だった。ご飯は喫茶店で少し食べたが少し足りないのでコンビニで買ってきたおにぎりを食べる。


「さて、お風呂入る前にやることをやるか」


やること... ...それは宿題ではない。いやまぁ宿題もやらないといけないけどそれは置いておこう。俺がいまからすることは昨日貰った指輪の検証だ。あのルミナという少女が言うことにはこれは魔法のアイテムらしく、魔力を流すと剣が出せるらしい。


なぜ俺がこれを使おうと思ったのかは正直興味があるからだ。

だって指輪で剣を出せるんだぞ!凄くねぇか!男子のロマンである。たぶん。


さて、とりあえずこの指輪をはめてみようか。見た感じすこしサイズが大きいようだ。まぁ仕方ない。とりあえず左手の中指に付けてみる。

すると... ...


「おおっ!サイズがピッタリになった」


俺の中指の太さに合うよなサイズになり、ピッタリと嵌る。

そして次に魔力を流してみる。


ぐぬぬぬぬぬぬぬ... ...。



... ...いや、まったく出ねぇじゃねぇか。そもそも魔力を流すというのはどうやればいいのだろうか。

とりあえず指輪に魔力を込めようと頑張ってみる。

ぐぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬ。


「... ...あれ?」


今なにか体の中で動いたような気がした。そしてその"なにか"の感覚には覚えがある。

そうだ、この感覚は魔力障壁とやらを出した時と同じ感覚だ。

魔力障壁ってたしか... ...


「あの人は魔力を出して創るって言ってたな」


そう考えた俺は、あの時の感覚を思い出しながら指輪に魔力を流してみる。

それにしても、魔力を流すというのはなかなかにむずかしい。あのときできたのは俺が命の危険に晒されていたからだろう。人間命が危ない時には限界を超えた力が出せるものだ。


それから10分ほど魔力を流す練習を続けた。なかなか上手くいかなかったが、ようやく指輪に魔力が流れたようだ。僕の右手に90センチほどの剣が現れる。


その剣は黒い柄で剣身が少し青く光っているような剣だった。剣身には少し紋様が付いておりかっこいい。

普通は剣は金属の塊なのでだいぶ重いはずが、この剣はとても軽い。

てか、剣身が金属じゃないようだ。剣身を触ってみると冷たくもなく暖かくも無い。ちなみに傘よりも軽いのであまり筋力のない俺でも簡単に振ることが出来そうだ。

まぁ家で振ったら危ないので振らないけど。


てかさっきから頭の中にデータの様なものが入ってくる。



名称:エーテルソード

充填率:60%



... ...ゲームかよ!

って、こういうのって普通フレーバーテキストだっけ?そんなのがついてるものじゃないのか?正直に言うつけておいて欲しかったな!


そういや充填率ってなんだろうか。

そう思い色々考えていると... ...



充填率:59%



あ、減った。つまりこれは剣を出すのに必要なエネルギー量の残りってことか。

じゃあもっと魔力を込めたらどうなるんだろうか。


魔力を込めてみる。練習したおかげで少しはスムーズにできるようになったのだろう。さっきよりかは楽に魔力を流すことが出来た。

さて、充填率はどうなったかな?



充填率98%



やっぱりか。すげーファンタジー感がある。


「でもこういうの見たら試したくなるよなぁ... ...」


大体の人が思うことであろう。そう、この剣を振り回したい。

だって!最新のテクノロジーだぞ!未知のテクノロジーに触れたらちょっとは試したくなるもんだって!


という訳で、近くの空き地に来てみた!

さっきも言ったように家で振り回すとなにかを壊しかねないので、空き地に来た。

切れ味を試してみたいので使わなくなったテーブルを持ってきている。

あ、ちなみにあの剣は"消えろ"と念じてみたら消えた。

あと、剣を振っているときに警察に見られたりしたら銃刀法違反で捕まりかねない。

そんなのは御免なので近くの森というか林のような所で木の棒を拾ってきた。

警察が来たら直ぐに剣を消して木の棒を持ち、素振りの練習をしている風にしようと考えている。

まぁ普通に考えて剣が消えるわけないので、納得してくれるだろう。


「よしっ!じゃあ剣を振ってみるか」


てか剣ってどう振ればいいんだろうか。

まぁ適当に振ればいいか。

とりあえず俺はテーブルを置いて上から剣を振りかぶる。


サッ!


なにかを斬ったような感覚はなく、剣を下まで振り下ろすことが出来た。ちなみにテーブルの断面はとても綺麗だった。

切れ味は抜群だ。すげぇ。

なんかここまで凄いと俺がとてつもない剣の使い手のように勘違いしてしまう。


そのあとはしばらく剣の練習をしてみた。まぁアニメで少し見ていたおかげかなかなか様になった動きがそれとなく出来るようになった気がする。たぶん。

幸運にも警察にも、近所の人にも見つからなかった。よかったよかった。


それから俺は家に帰り、すぐに寝た。いや、寝られるわけないな?

あんなに興奮したのに簡単に寝られるわけがないだろう。

けれど、布団に入らないことには寝ようにも寝られないので、布団に入りとりあえず目を瞑るる。


あのようなことが起こるとはまったく考えることなく... ...。










光が眠ったその頃、エンプティワールドのとある家で若い女と10人ほどの大人が集まっていた。大人たちは女の前にひざまづいている。

女がつぶやく。


「まさか、あの子が私たちの求めていた子だったとはね。これで私たち、セブワ教の目的が達成できるわ」


そして女は目の前にいる大人たちに命じる。


「あの少年... ...桐間光を捕まえなさい。作戦のために必ず生かして捕まえるのよ。まぁ必要があれば手足くらいなら切り落としても構わないわ。

作戦の決行は明日よ。それまでに準備しなさい!」


女がそう言うと大人たちは声を揃えて返事をし、姿を闇に消して行った... ...。


女は全員が立ち去ったあと歪んだ笑みを浮かべてつぶやく。


「桐間くん、私が、他でもない私が桐間くんのことを有効活用してあげるね」






もしよければ感想などを頂けると作者の1層の励みなりますので、どうかよろしくお願い致します。

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