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第6話

次の日。


いつもの朝のお勤め。

小鳥のさえずりを聞きながら、竹箒で掃き清める。

あまねは葉っぱや枝やゴミを掃きながら、朝の空気の少しぴんと張り詰めたこの始まりの緊張感が好きだった。


ふと空気が濃く密になった感じがあって振り向くと、鳥居の内側を男の人が歩いていく所だった。

まだ若く背筋がしゃんと伸びていて、目を引く切れ長の瞳の端正な顔立ち・・・あまねはなぜかその人から目離せない。

普通の人と何かが違う気がするのだ。だがそれは何かはわからない。

一瞬その男の人と目が合う。

その男は軽く会釈をする。

あまねもあわてて会釈をする。





神社の一角にある稽古の間。


龍宮(たつみやです。」


そう名乗る男は、あまねが朝見かけた男だった。

今日から舞いやうたいや楽器などの先生として教えてくださることになったのだ。


「よろしくお願いします」


みさと、みなも、あまねの三人で挨拶をする。


切れ長の憂いを帯びた目、通った鼻筋、薄い形のよい唇、どこをとっても非の打ち所のない顔立ち。

みなもは顔を赤らめポーっとした顔で龍宮を見つめている。

あまねはうたや舞いや楽器をじっくり習えるのがうれしくてにやにやしていた。


龍宮は3人を見回し


「少し厳しいかもしれませんが、私の知っている限りのことを伝えたいと思っています。これから一緒にがんばっていきましょう」


たんたんとそういうと、あまねを見て少し下を向き微笑んだような気がした。




声の出し方、そのための体の調整など、かなり身体を使い、みなもはすでにばて気味で、みさとも表情には出さないが息が上がっていた。

2、3時間ほど運動をし続けているような激しさを感じたが、ほんの1時間しかたってはいない。

あまねはいつも山を駆け登ったり木に登ったりで、このくらいは普段運動しているのであまり息も上がってはいない。

龍宮は物腰や言葉は柔らかいが、要求する内容はかなり厳しい。

次に舞の練習をすることになり、3人を並ばせ、どのくらい今まで習ってきたのかを龍宮に見せた。

手を上に上げるしぐさのとき自然に袖が腕までまくり上がる。

そのとき・・・龍宮の表情が固まり、難しい表情をして下を向く。


「今日はそこまで!」


顔を上げそういうとあまねの方を向き


「あまねさん・・・少し手直しの部分があります。残っていただけませんか?」


すごく真剣な顔で言うと、みなもとみさとのほうを向き表情を和らげ


「少しきつかったですか?身体も楽器の一部・・・手入れをしないとうまく鳴りません。毎日続けてみてくださいね。今日はお疲れ様です」


「毎日」という言葉にみなもは目を真ん丸くしてショックでよろけると、みさとに支えられながら挨拶をし部屋を出て行った。



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