表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/27

第25話

・・・龍神の湖・・・


ドォン


湖のまわりの木が倒れる。

あまねが、紫藤の幻術にかかったきり正気に戻らない。

体中傷だらけで、きっと骨も何箇所か折れているだろうが、痛みを感じていないのか無理な動きをして自分をも傷つけている。

龍宮は攻撃をかわしつつもあまねに正気に戻るよう声をかける。


ドォン


今の攻撃で破壊された木のかけらが、あまねの肩にささる。

肩から血が流れ出る。目の上も切ったようでまるで血の涙を流しているようだ。


「やめろ!それ以上もう動くな!」


龍宮は叫ぶがあまねの目はうつろなままだ。


「あまね!あまね!……天音!」


龍宮はもうこれ以上あまねが傷つくのを見たくなかった。

稲妻の攻撃をよけることなく身体に受け、あまねを抱きしめる。

龍宮の身体には裂傷が無数に広がり、そこからはぼとぼとと大量の血が流れ出ていく。

見る間にあまねの身体は龍宮の血で染まっていく。

龍宮を振り払おうと必死に身体を左右に振るが、龍宮はぎゅっと抱きしめ耳元でささやくように話しかける。


「天音…天音…戻ってくれ…いつもの天音に。私のために…お前を失いたくない…」


とくん…とくん…


何かがあまねの中で目覚め始め、あまねの動きが止まる。

目に光りが宿ってくる。


「龍宮…センセ?」


あまねは龍宮が傷だらけで真っ赤に染まっているのを目の当たりにし驚く。

そして自らも体中に激痛が走り立ってはいられなくなりよろける…その時、さぁっと黒いものがあまねを覆い次の瞬間あまねは紫藤に抱きかかえられていた。


「返していただきますよ。私のあまねを…」


「お前!」


あまねは抱えられる刺激だけでも声も出ないほど体中が痛くて、苦痛に顔をゆがめている。


「怪我をしているのだな…人はあまり丈夫ではない…これ以上使うと壊れるか…ここで休んでいなさい…あまね」


そういうと紫藤はあまねを木の横へと下ろし横たえた。


「あまねを返してもらおう…」


そういうと紫藤の方へと歩き出す。


「残念ですがあまねと私は契約を結びました。契約(キス)をね。彼女は私の所有物です」


「あまねは物などではない!」


龍宮はこぶしを握り紫藤の襟首を掴み殴りつける。

紫藤は龍宮の拳を素手で受け止めニヤニヤしながら


「その程度ですか…」


そういうと龍宮のみぞおちに衝撃が走ったかと思うと大きく飛ばされる。


「やめて!!や…めて…」


あまねが激痛をこらえ、紫藤に向かって叫ぶ。


「私は…た…つみやセンセと…契約を結んでます」


「契約?そうか…だから完全に術が効かず意識が戻るのだな…」


今までのあまねの様子を納得する紫藤。そして少し考え満面に笑みを浮かべて


「それなら先の契約者を無くしてしまうまで!」


そういうともとの黒龍の姿に戻り、龍宮に向かってゆく紫藤。


「やはり同族か!」


龍宮はあまねに大きく傷を負わされており、前の紫藤の攻撃でまだ体勢を整えていなかった。

気がつくとすぐそばまで紫藤が迫っている。

龍宮も龍へと変化し、応戦しようとするが、この攻撃はよけられそうにない。


「だめ!…センセ…」


か細い声と共にふたりの間に割って入る影。


紫藤の体当たりがあまねと龍宮を跳ね飛ばし湖の中へと勢いよく沈んでいく。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ