ジャングルジム
あの頃を思い出していいでしょう。
屁理屈を仄かに染める無責任な抵抗の季節を。
心地よく響く我儘な暴言。
無茶苦茶な論理もたまにはいいでしょう。
捏ねてべたつく理屈に絡まって、青い鳥を炭色に変えてしまいましょう。
今日は覚悟はできている、信じてなんかいないけど。
性懲りもなく、理不尽な我儘に頭を抱える姿が見えるでしょう。
それなら、それでも構わない。
偏屈な正義より、平等な反逆に憧れる。
いつかその憧れに近づける。
いつかは登る山を夢見て、砂を少しずつ積み上げていこう。
いつかは別れる苛立ちの季節を夢見て、望みを少しずつ捨てていこう。
決別と再会、どちらを約束して手を振ればいいのでしょう。
疑いの目や嘲りの口を、ジャングルジムが消えた場所に書いてみて。
最後は無駄死にの夢を置けたなら、苦しむだけの夜を終わらせられる。
もう一度だけ、あの頃を思い出してみて。
無邪気な論理の虜だったのは、無知な望みがそうさせたのでしょう。
意味のない覚悟に救いを求めていた頃。
そろそろ無駄死にの夢に、愛想尽かしていい。