vs蜘蛛の群れ
基本的にこんな感じ
能力を貰った俺は肌をつねり痛みを感じないことを確かめる、神様の言っていた通り痛みは無いらしい。
耐性は試しようが無いので再生を確かめようと思ったがよく考えたらここは死体があった場所の近くの筈だったことを思い出し再生は後回しにして辺りを見渡した。
ここは横に長い長方形の形の部屋の様で丁度俺のいる場所の反対側に扉があった、しかしそこら中に蜘蛛の巣が張ってありその辺りをよく見ると手のひらサイズの蜘蛛がわんさか居た。
「これは、不味いな」
蜘蛛の当たりには錆び付いた兜や籠手が落ちておりこの蜘蛛が肉食であることを物語っていた。
俺は音をたてないように靴を脱いでペタペタとゆっくり歩いていく。
しかし扉まで後数歩のところで偶々足元を通った蜘蛛を踏んづけて盛大にスッ転んだ。
「いてっ」
ついそう漏らしてしまい直ぐに口を押さえたが既に蜘蛛は俺を囲み目を爛々と輝かせ今にも飛び掛かってきそうな勢いだった。
「あー、ハロー?」
そう言った瞬間全方位から蜘蛛は飛び掛かってきた。
「やっぱりこうなるよな!」
顔に飛び掛かってきた蜘蛛を右手で殴り飛ばしそのままの行きよいで地面を叩き無理やり立ちあがり戦闘を始めた。
立ち上がるまでに体に張り付き噛み付いてくる蜘蛛を引き剥がし踏みつけ、殴り、殺し続けた。
しかし腕一本では一度に殺せる数は大分限られ苦戦を強いられた、何故なら蜘蛛はどこに隠れていたのか既に部屋の壁も天井も床も全て見えなくなるほどに大量だった。
唯一ましなところは一匹一匹が弱いことだ。
「ぬぐわぁ!しゃらくせぇ!勝てば良かろうなのだぁ!」
俺は直ぐに戦い方を変え猪の如く壁に突撃した、結果俺の体に張り付いたやつと壁から逃げ切れなかったやつがあっさりぐちゃりと潰れた。
俺はそれを何度も繰り返しじたばたともがき続けた。
「追い詰められた人間はどんな獣よりも狂暴だ!」
どれだけそれを繰り返したのか、既に着ていたドレスは蜘蛛を潰した時に飛び散る消化液で殆ど服としての役割を成しておらず靴を履いてなかった足の裏は蜘蛛の甲殻の破片や錆びた防具と武器、ざらざらした地面で肉が剥き出しになり全身噛み跡や這い回った鋭い脚による刺し傷だらけになった。
しかしその頃には蜘蛛も殆ど残っておらず無傷のやつは自ら逃げだし俺の攻撃を避けきれずに脚をもがれたやつが飛び掛かってくるだけになっていた。
それを潰し終えて俺は戦闘を終えた。
「最初からめっちゃハード」
そう呟き靴を探したが蜘蛛の大群に巻き込まれたのか履けないくらいボロボロで消化液塗れだった。
「辛いです」
俺はそう呟きため息を吐いた。