転生
俺が一人暮らしをしているマンションの中、階段側の奴が馬鹿をやり大火事になった、その炎はまるで生き物の様に蠢き俺の部屋まで入ってきて現在に至る。
燃え盛る炎の中、俺が最後に言った言葉は。
「うおぉ!あっちィィィ!」
だった。
自分でも何故炎に包まれて黒煙で喉をやられてろくに喋れないって時にこんな言葉を吐いたのだろうか、全くわからない。
そう考えていたがふとあることに気がついた、熱くないのだ。
そして俺はこういう状況ついての本をよく読んでいた、その知識からよく考えて出てきた結論は。
「これが、あの!異世界転生!神の力!俺って滅茶苦茶運が良かったみたいだな、身体も痛くないし」
「気付くの早いなぁー、流石は日本人の若者と言ったところかな?でも焼死してるから運が良いとは言いづらいね」
振り替えるとそこには超絶イケメンの少年がいた、おそらく神様だろう。
俺は何とか気にられるべく出来るだけ礼儀は正しくすることにした。
「お褒めの言葉、ありがとうございます」
「心の中は兎も角神に対する礼儀は多少わかってるみたいだね、いやぁ、そういう子で助かったよ」
「何かあったのですか?」
「僕の所じゃ無いんだけど口が悪かったり、元々スキル持ってるからって喧嘩売ってくる奴とかがいたみたいでね」
神様の機嫌が良かったので他にも色々と聞いてみたが地球の増えすぎた人間の魂を別の世界に送って間引こうみたいな感じらしい、しかし只の間引きではなくしっかり転生にボーナスを付けてくれるそうだ。
「ちなみに転生の他に転移も有るけど君の場合は肉体が焦げちゃってるから転生しかないね、あぁ心配はしなくていいよ僕が完璧な体を探してるから」
「ありがとうございます」
「素直でよろしい、お?これなんてどうだい?まだ死んでそんなに時間が経ってないから再利用に使えそうなんだ」
そう言った神様が何もない所に手を伸ばすとうっすらと透けてる人間のからだが現れた。
「うっは、イケメンじゃん!これでいいんですか!?」
「勿論、それに赤子の体を奪うよりは君達も罪悪感とか少なくなるだろうしね、後この体はもう魂が輪廻に戻ってるから乗っ取りとかじゃなくて、例えるなら中古品って感じかな?」
「了解です!この体でお願いします」
「よしそれじゃ飛ばすから目をつぶってね」
「分かりました」
言われた通りに目を瞑り待っていると手足の感覚がなくなった、これは所謂魂状態なのだろうか?
「よし、発射……あ」
「え?」
突然の「あ」に思わず目を開けた俺の目には丁度運悪く俺に向かって何かが飛んできた様に見えた。
次回から異世界
6/20食用油って簡単には燃えないんだね。