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真・おみやげ

「学生たちは、ザ・ストームの下部組織のパーティの

ザ・サイクロンってことにするわ。リーダーはマーチよ。」

「その話は聞いとらんなぁ。」

「当然でしょ。さっき思いついたんだから。」

「エルザはどうするんや?」

「当然、ザ・サイクロン所属よ。」

「ほなら、ザ・ストームから抜けるんか?」

「抜けないわよ。」

エルザとマーチの夫婦漫才。

「複数のパーティに同時に所属するのは大丈夫です。」

ルカが漫才に割り込んだ。

「大丈夫なんか。ほならええわ。」

なあ。

ザ・ストームに学生を入れたらダメなのか?

「駄目じゃな。」

「ダメ。」

ゲンテツとステラが即答した。

なんでだ?

「ザ・ストームは名が売れ過ぎた。

学生が初めて所属するには適さない。ってことだな。」

ゲイルがまとめると

ガンテツ、ステラ、エルザが頷いた。

なるほど。

今、ザ・ストームは最強のパーティみたいに

思われているらしい。

有名人のステラとエルザがいるしな。

「悪魔48柱の攻略には2人は参加するんですよね?」

「もちろん。」

ミラの質問にエルザが答えた。

なんだ。だったら何の心配もないな。

「学生たちにも参加させるわ。」

な、なんだって?

「勉強の一環よ。」

いやいやいや。

待て待て待て。

「あら。さっきザ・ストームに学生を入れるのは

ダメなのかって聞いたじゃない。」

パーティの二軍にしようか?って意味だぞ。

ダンジョン攻略に連れていくには早い。

第八階層は危険すぎるだろ。

「危険になる前に逃げれば危険じゃないわ。」

いやいやいや。

おかしいって。

「アタシたちの戦いぶりを見れば、最高の勉強になるの。」

アタシたちの戦いぶりって。

ちょっと。ガンテツ、ステラ、ルカも。

何か言ってやって。

「そう来たか。」

「アリ。」

「納得できます。」

納得できないよ。あいつら学生だぞ?

ダンジョンに潜ったことないだろう?

「第二階層から第五階層で鍛えるわ。」

鍛えても第八階層の戦力にはならないって。

悪魔48柱だぞ?

「戦力になるわ。

戦力になるように鍛えるのだから。」

エルザは自信マンマン。

ガンテツ、ステラ、ルカも同意らしい。

おかしくないか?

パワーレベリングだろ?

促成栽培だろ?

「パワーレベリングじゃ。促成栽培じゃ。

だが学生たちは確実に学び、劇的に強くなるじゃろう。

劇的に強くなるならば、パワーレベリングだろうが

促成栽培だろうがまったく構わんと、ワシは思う。」

あれか?

冒険者に求められるのは、強さ。そういうことか?

ゲイルが顔をしかめた。

すまん。ゲイル。

「強さを求めるのは冒険者に限らない。

学生だろうが誰だろうが、強さを求めるなら、

学ぶ機会を与えたい。ワシはそう思う。」

エルザが強く頷いた。

そうか。

学ぶか学ばないかは当人次第と言うのか。

ならば、オレはこう言わせてもらおう。

悪魔48柱を完封し学生たちには一切危険を及ぼさない。

残念ながら学生たちには、お客様として学んでもらう。

オレたちの圧倒的な戦いぶりに唖然として、

完全にポカーンとして帰ってもらう。

それでいいかな?

「最高じゃ。」

「完璧。」

「ウノ。よく言ったわ!偉い!」

「さすがウノです。誇りに思います。」

「僕も同感です。カッコイイです。」

あれ?

思ってた反応と違う。

それって学生は強くなるの?学びがあるの?

「学生たちが唖然としたとき何を学ぶのか、ワクワクするのう。」

「絶望それとも奮起、どちらかしら。」

「奮起よ!アタシの生徒だもの。」

「ウノのすぐそばにいて、ウノの活躍ぶりをじっくり見ます。」

「これは見逃せませんね。」

うーん。ズレてるな。

オレがズレてるのか?

ゲイル、リリーナ、マーチがオレの肩に手を乗せた。

オレと同じ見解らしい。良かった。

オレだけがズレてたわけじゃない。

オレに同情したのかもしれないけどな。

あ。向こうの考えって、

強者の理論ってやつじゃないか。コレ。

努力すれば必ず強くなれる的な。

シロ。お前はどう思う?

(もっと努力して、ウサギ肉をもっと食いたいっす。)

…。

シロ。

シロはずっとそれでいいぞ。よろしくな。

・・・

「ザ・サイクロンの件は了解。

悪魔48柱の攻略時の学生参加も了解。

みんなそれでいいな?」

ゲイルがまとめて、みんな頷いた。

あのさ。

オレから話があるんだ。

エルザはワンドを掃除しながらでいいからさ。

うん。宝くじみたいで楽しいよな。

続けていいから。

じゃあ、コレ。

ガンテツ、ミラ、ルカ、オレの4人が開発した新作、

ホーリーアローマシンガンロボット1号を見てくれ。

今、名前を付ける。

えーと。バーレルドール1号。

この名前は元の世界で読んだ

異世界小説のC級騎士と同じだぞ。リスペクトだ。

「?」

みんな不思議そうに首を傾げた。

ああ。すまん。知らないよな。

これと同じのをあと2つ作る。

ほら見ろ。床でくるくる回るぞ。

斜め上45度にミニマイズドホーリーアローを撃つぞ。

マジックユニット20個搭載だぞ。

マジックユニット1個あたり30発だ。1台につき600発だ。

3台だと1800発だ。

悪魔48柱の中央にある青い四角いセーフエリアあるだろ?

あの位置に置くんだ。くるくる回って撃たせる。

斜め上に撃つからオレたちには当たらないぞ。

まあホーリーアローはオレたちにはダメージ少ないけど

気にしなくて良くなるってのも大事だろ?

どうだ?

ゲイル、リリーナ、マーチ、エルザ、ステラ。

すげえだろ?

「すげえな。」

「マシンガンロボット…。言葉がないですぅ。」

「悪魔48柱のど真ん中で1800連発かい。」

「…。アタシ、悪魔が可哀想に思えてきた。」

「これはホーリーアローマシンガンなの?」

まあな。

ホーリーアローマシンガンの定義から外れる。

1回、ホーリーアローマシンガンを作ったんだよ。

だけどさ。撃つのって機械的だろ?

だから分解してロボットに組み込んでみた。

新しいホーリーアローマシンガンはすぐに作れる。

ガンテツとミラとルカの協力があれば。

マジックチャージ用の産業ロボットも30台作ったぞ。

でな。

今朝、ガンテツの仲間のドワーフが3人いてさ。

そのとき5人がいなかったんだけど、

ミスリルインゴット3本でカバーを3つ、発注しちゃった。

てへぺろ。

今、残りのミスリルインゴットは18本になってる。

このバーレルドールを悪魔に壊されたくなくてさ。

ミスリルのカバーで保護したかったんだ。

ミスリルなら、巨大なハンマーとかで殴らない限り、

壊れないだろ。

事後承諾でごめんな。

もう発注しちゃったんだ。

ごめんな。

オレは声なしで饒舌にまくしたてた。

「ミスリルインゴットはどうでもいい。

次世代蒸し器があれば次世代炊飯ジャーは不要だ。

ミスリルインゴットには、最初からあまり興味がない。」

ゲイルの言葉にみんなが頷いた。

そっか。

良かった。

「おそらく悪魔との戦闘の前半はバーレルドールに

頑張ってもらって、後半にわいたちがガツンとやる感じか?」

「違うわ。アタシたちも攻撃して前半で全部終わらせるのよ。」

「それ前半ちゃうで。」

「そういう意気込みってこと。」

エルザとマーチが夫婦漫才してくれている。

「徹甲榴弾砲は残ってるの?」

ステラからの質問。

「徹甲榴弾砲はそのままあります。ただ、マジックユニットは足りません。」

ルカが答えてくれた。

「ホーリーアローマシンガンは?作れるの?」

「1日あれば5丁作れるぞい。日数次第で幾つでも作るわい。」

ガンテツが答えてくれた。

「このロボットの追加2台は?」

「1日あれば2台追加できます。」

ミラが答えてくれた。

「徹甲榴弾砲の粉体にするアルコールは?」

アルコールは無い。

蒸留しないといけない。

「じゃあ不足はマジックユニットとアルコールかしら。」

そうだな。

「ゲイル。お願い。」

「ああ。これで全て解決だな。」

ゲイルがアイテムボックスから取り出したのは、

驚くほど大量のマジックユニット、

大タル10個分、1トン以上のアルコールだった。

大量の火石と雷石も出てきた。

「これが真・おみやげだ。」

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