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壊滅

次の日の朝、完成したばかりの浄水器を持って、

ステラ、ゲイル、リリーナがエルフの里に旅立っていった。

まあ旅と言っても2泊3日か3泊4日らしい。

・・・

エルザは今日も魔法学校。

最近は熱血教師ぶりが加速して、

エルザのブートキャンプと呼んで

毎日学生をしごいているらしい。

おかげで魔法学校の学生が恐るべき速度で成長しているらしい。

マーチとシロはウサギ狩りに出かけた。

今日もたくさん狩ってきてほしい。

残ったオレたちは、ホーリーアローマシンガン作りだ。

オレ、ガンテツ、ミラ、ルカの4人だ。

ルカ。

ホーリーアローは神聖魔法の初級か?下級か?

オレはゲットしてなくてな。

「下級魔法です。」

そうか。

あのな。

オレは昨日、ターンアンデッドの極大化を

ゲットしてしまったからさ。

スキルポイントが不足しているんだ。

それで、ルカにホーリーアローの極大化を

ゲットして欲しいんだ。

いいかな?

「待ってました!」

お、おう。

「マキシマイズドホーリー・・・」

わわわ。待って。

部屋の中はやばいって。

オレはルカを押さえた。

口を抑えることができなかったので

胸に飛び込む形になった。

やわら…。

ゴホン。

暴発しなくて良かった。

じゃあ、反転してミニマイズドホーリーアローを。

うん。ありがとう。

初級魔法相当だな。

魔法構成は、こうなるのか。

じゃあ詳しく解析して魔法回路にしよう。

ミラ!やろうぜ!

・・・

ちゃちゃっと。

ホーリーアローマシンガン本体が完成した。

ストーンバレットマシンガンの魔法回路を

作ったのはオレたちだからな。

ホーリーアローとの違いを吸収するだけだ。

しかし、問題はここからだ。

マジックユニットに、

初級魔法相当のミニマイズドホーリーアローを

チャージするのが問題だ。

オレの産業用ロボットゴーレムは土魔法で作ってるから

土魔法のストーンバレットとは相性が良い。

土のゴーレムが土魔法をマジックチャージするのは

簡単に実現した。

他の属性だとどうなるか。

今回は神聖魔法だからな、やってみないとわからない。

「実験じゃな。」

ガンテツが言った。

じゃあ産業用ロボット30体を設置している部屋に行こう。

1体を使って実験だ。

・・・

うーん。

今のところうまくいかない。

なぜだろう?

そういえば、ステラがこう言っていたんだ。

「産業用ロボットゴーレムはエルフの里で実用化済みよ。

空のマジックユニットをエルフの里に持っていけば

あっという間にチャージ完了よ。」

こうも言っていた。

「それから土の初級魔法だけじゃないの。

火も雷も水も風も、氷も初級魔法なら

どれでもチャージできるわ。」

つまり。

土、火、雷、水、風、氷、この6属性なら

エルフの里の産業用ロボットで、

あっという間にチャージ出来るってことだ。

どうやってるんだろうな。

エルフの謎テクノロジーか?

「ワシは想像がつくぞい。」

ガンテツ!

教えてくれ。

「やってみるのが早かろう。

小タルひとつ分の氷を作ってくれい。」

わかった。

・・・

小タルひとつ分の氷を用意したぞ。

「氷を使ってストーンオブジェクトで

ゴーレム型を作ってくれ。」

おう。

(ストーンオブジェクト!)

あ!

わかったぞ。

「察しのとおりじゃ、それを使って

クリエイトゴーレムじゃ。」

(クリエイトゴーレム!)

出来た。

アイスゴーレム完成。

「氷じゃから、このまま放置すれば溶けるのう。

だから実用化するなら氷の持続魔法をかけるじゃろう。

まあ氷は持続しやすい部類じゃ。問題ないわい。」

オレも知ってるぞ。

氷の持続的魔法である上級魔法エターナルアイス。

ステータス画面の魔法選択に表示されているが、

スキルポイントが足りなくてゲットできない。

凄えな。エルフ。

こんな感じでバンバン実用化しちゃうのか。

魔法にかけてはエルフにかなうものは無い、か。

「まとめると、こういうことじゃ。」

ガンテツがオレたちに丁寧に説明してくれた。

・・・

1.土魔法のクリエイトゴーレムは

ゴーレム型であれば、

素材が土に限らずともゴーレム化できる。

2.土魔法のストーンオブジェクトは

素材が土に限らずとも粉体であれば、

あらゆる形状にすることが出来る。

すなわちゴーレムの形状にすることも出来る。

・・・

つまり、火だろうが雷だろうが粉体であればいい。

火の粉、雷の粉。

火石、雷石か!

「そのとおりじゃ。」

凄え。エルフマジリスペクト。

完全にゴミ扱いの極小粒の火石と雷石に

価値を見出してる。

水、風はどうなんだろうな?

「それはまた違うんじゃ。

それよりホーリーアローじゃよ。」

聖なる粉。

ホーリーパウダーとか、ホーリーストーンとか。

あるのかな?

「心当たりは、あります…。

ですけど今は女性陣4人が揃っていないから秘密です。」

ほう。

秘密か。

オレは想像がつく。

たぶん、こういうことだろう。

ダンジョン内で青く輝く安息の場所、

真・セーフエリアの床をぶっ壊す。

その聖なる石を素材にするんだ。

間違いない。

「間違いです!」

え?

違うの?

真・セーフエリアの床は聖なる石だと思うぞ。

「そうですけど、違います。」

そうか。

うーん。

「普通にストーンオブジェクトでゴーレムを作り、

掃除スキルで良く磨き、

洗濯スキルで浄化したらどうじゃ?

マキシマイズドターンアンデッドでも良い。

オヌシは土魔法使いというだけでなく

神聖魔法使いでもあるんじゃ。」

ガンテツ。

やっぱそれが王道だな!あざっす!

これで聖なる産業用ロボットゴーレムが作れるかも。

「ミスリルインゴットを

ストーンオブジェクトでゴーレムに

加工できませんか?

そうしたら更に聖なるゴーレムになりやすそうです。」

ミラ。そうきたか。

ちょっとコストが高そうだな。

ガンテツ提案の方式で駄目な時は、それでいこう。

「実はミスリルインゴットより

聖なるゴーレムに適切な魔法金属があるぞい。

いや、厳密には魔法金属ではないが…。」

おお?

ガンテツ。

なんだそれ?

「アダマンタイト。オヌシの言うダイアモンドじゃ。」

そうきたか。

でもさすがにハードルが超高そうだ。

とりあえず普通のストーンオブジェクトで試そう。

・・・

ダメだな。

惜しいところまで来ている感じがするんだよ。

「何か、ほんの少し要素が足りないんでしょうか。」

そう。

料理で言うところの、ピリッとした辛み。

スパイスだな。

「聖なるスパイス…?」

はははは。

ルカ。

スパイスってのはたとえ話だぞ。

そういえば。

元の世界にはホーリーバジルってのがあったな。

タイ料理のガパオに入ってるやつ。

待てよ。

ホーリーバジルは、なぜホーリーなんだ?

ルカ、ガンテツ、ミラ。

この世界に「神聖な草」とか「聖なる草」と

呼ばれるものがあるか?

「あるぞい。」

「教会にあります。」

「教会に生える草で通称、教会草です。」

その教会草を土に混ぜてみたい。

もしくは教会草が生えていた土でクリエイトゴーレムを試したい。

「さっそく行きましょう。」

・・・

オレたちは教会についた。

司祭にお願いして教会草を分けてほしいと伝えた。

オレが僧侶だからか、すんなり分けてもらえることになった。

どうやら雑草扱いで、

草むしりしてくれれば有り難いってことらしい。

オレたちは喜んで草むしりしたぞ。

いっぽう、土の方は勘弁してほしいということだった。

ま。管理する側としてはそうだろうな。

草は毎年毎年、嫌ってほど生えてくるが、

土は無くなったら戻るまで大変だ。

土が無くなる…。

土魔法のピットって、落とし穴の分だけ土が無くなるよな。

あれはどこに行くんだろう…。

ああ。これは雑談的な思考だ。

今はよそう。

とにかくオレたちの家に戻ろう。

・・・

そう思った時、冒険者が教会に駆け込んできた。

「助けてくれ!リザレクションをかけてくれ!

俺の仲間達を助けてくれ!」

冒険者は司祭に駆け寄る。

「どうしましたか?」

「ダンジョンの第八階層で、俺の仲間達がやられちまった!」

「亡くなられたのですか?」

「ああ。ああ!」

冒険者は必死だ。

「それで遺体は…?」

「遺体は無い。悪魔達に燃やされてしまったんだ。」

「灰は…?」

「灰も無い。悪魔達が吹き散らかしてしまったんだ!」

悪魔って血も涙もないな。

「遺体も灰もないのであれば、

リザレクションは無理です。ロストです。」

「おおおおおっ!」

冒険者は絶叫し、号泣した。

彼の仲間達は、かけがえのない存在だったのだろう。

「うおおおおおお…。」

冒険者の嗚咽は止むことが無い。

彼以外は全滅か。

パーティが、一人を残して壊滅か。

むう…。胸に突き刺さるものがあるな。

「僕たちの家に帰りましょう。」

「そうじゃな。」

「私も、この場所は、ちょっともう…。」

ああ。帰ろう。

オレも胸が苦しい。

「…待ってくれ。」

うん?

「キミはザ・ストームのウノ。美肌風呂のウノだろう?」

ああ。

美肌風呂のウノだ。

「お願いがある。」

なんだ?

「第八階層の悪魔を倒してくれ…。

俺の仲間達の仇を取ってくれ…。」

…。

ああ。

悪魔48柱は、残らず倒すよ。

殲滅する。

絶対にだ。

「おお…。神よ。感謝します。」

おう。

任せろ。

オレに任せろ。

オレは必殺の気合いがみなぎっていた。

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