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落とし穴

「武器の方は完成みたいやな。

ただし落とし穴のほうは実験不足やで。」

おう。マーチ。

そろそろやりたいと思ってた。

「せやろ。

そんでルカやステラやリリーナと相談したんや。」

4人で考えてくれてたんだ。

ありがとう。

「俺が何も指示しなくても、率先して

自分で仕事を見つけて取り組んでくれるから

俺はリーダーとして考えることが減って助かってる。

ありがとう。」

ゲイルがマーチに礼を言った。

「今はわいが説明しとるが言い出しっぺはルカや。

ルカは今、冒険者ギルドに行っとる。

ルカはウノの役に立ちたい、言うてたで。」

ルカ。ありがとう。

オレは心の中でルカに礼を言った。

きっとオレが疲れて倒れないよう配慮してくれたんだ。

「ズレてますぅ…。」

「これは想定外ね。」

ん?何か言ったか?

「そんで第六階層でオオカミを攻略した時の砦。

あれが使えるんと違うか?って話や。」

ほう。

もうちょっと詳しく知りたい。

「フロストジャイアントの大きさをきちんと想定して

落とし穴の実験をしたいなって会話してたとき、

砦の大きさが近いんと違うかって話が出たんや。」

ほうほう。

それで砦をどうする?

あれは歩かないぞ。

「別に歩かんでもいいんちゃうか?

砦の隣にピットで落とし穴を掘ったらいいんや。」

ははあ。

オレがマキシマイズドクリエイトゴーレムで

砦を押して落とし穴に落とすと。

「まあ、それでもいいやろけどな。

マキシマイズドクリエイトゴーレムを持っとるか?

今は持ってないやろ。

スキルポイント消費で取る必要ないで。

テコの原理でも砦を傾けることはできる。

そしたら穴に落とせるやん。」

ガーン。

そのとおりだ。

最近ゴーレムが輝いていたせいで安直になってた。

「ルカが言ってたんや。

砦もウノ。落とし穴もウノ。ゴーレムもウノじゃあ

私たちはウノに頼りすぎってな。」

うう。

ルカに心配させてしまってるな。

もっとオレは強くならなくては。

ルカに認められるには、オレはまだまだ力不足だ。

「またズレてますぅ…。」

「完全に斜め上ね。」

ん?何か言ったか?

・・・

後日、オレたちは第六階層で砦の隣にピットで穴を掘り、

砦を落とす実験をすることにした。

メンバーは、オレ、ゲイル、ルカ、マーチ、ステラ、ガンテツだ。

ミラ、エルザ、リリーナの3人は

別の階層で新兵器の徹甲榴弾砲の射撃訓練をしている。

射撃訓練で減った分を補充するために

火酒200kgと粉体100kgを追加購入しておこう。

「射撃訓練用の粉体は砂を使ってるぞい。追加不要じゃ。」

そ、そうか。ガンテツ。

なるほどな。

追加購入はしない。

じゃあ、この実験が終わったら、マジックユニットに

ミニマイズドストーンオブジェクトをチャージしとこう。

「あれ?言ってなかった?

産業用ロボットゴーレムはエルフの里で実用化済みよ。

空のマジックユニットをエルフの里に持っていけば

あっという間にチャージ完了よ。」

エルフの里は実用化が早いな。

ステラのプレゼンが凄いんだな。

「それから土の初級魔法だけじゃないの。

火も雷も水も風も、氷も初級魔法なら

どれでもチャージできるわ。」

凄え。

模倣じゃなくて独自進化だ。

それで。氷?

氷魔法はレアじゃなかった?

「もう氷魔法はレアじゃないわ。

ウノが自慢する初級魔法のアイスキューブ。

今は新作のアイスキューブ製造の魔法道具が話題になってる。

きれいな水とチャージ済みのマジックユニットさえあれば、

いつでも氷が入った冷たい水が飲めるわ。」

すごいな。

ウォーターサーバーか。

「早くピットでちゃちゃっと穴を掘ってくれや。

砦がすっぽり入る大きさを把握したいんや。

それをベースにフロストジャイアントを落とすための

落とし穴をデザインするんやで。」

マーチ。わかった。

ちゃちゃっと。

ちゃちゃっと。

ちゃちゃっと。

全然ちゃちゃっとじゃないぞ。

大変だ。ピットを7回使ったぞ。まだ足りなさそうだ。

けっこうデカい穴が必要なんだな。

「ウノ。スキルポイント消費でピットを極大化できんのか?

ゴーレムの極大化よりはポイント消費が少ないじゃろう。

MPはルカのパワーオブマナで回復すれば良かろう。」

たしかに中級魔法のクリエイトゴーレムの極大化に比べたら

下級魔法のピットの極大化はスキルポイント消費が少ないな。

ピットは便利だし極大化をゲットしよう。

よし。

マキシマイズドピットをゲット。

悪いけどルカ、パワーオブマナをお願い。

「はい!待ってました!」

ぎゅー!

お、おう。

強めだな。

・・・

マキシマイズドピットは便利だった。

ピット10回分に相当する大きな落とし穴を作るのに

ピット7回分のMP消費で済んだ。

「まるでフライドチキンの10ピースバーレルだな。」

フ、フライドチキン!

く、食いてえ!

ゲイル。今はやめて。

ところで落とし穴で消えた土はどこに行ったんだろうな?

落とし穴の内壁は硬くなってるから

多少は圧縮してるんだろうけど、

全部の土は無理だろう。

異世界小説どおりの謎テクノロジーだな。

・・・

「落とし穴の形状と大きさは、これでいいじゃろう。」

形状はシンプルに立方体。

大きさは10m x 10m x 10mの1000立方メートルにした。

リットル換算で100万リットルだ。

このリットル換算はゼロの数を足したり引いたりすると計算が楽だぞ。

まずは1リットルの定義な。

10cm x 10cm x 10cm=1000立方cm。ゼロが3つ=1リットル。

今回は10mだろ。10m=1000cmだから、

1000cm x 1000cm x 1000cm=ゼロが9つ。

1リットルの定義のゼロ3つを引くと

残りのゼロが6つ=1000000リットル。つまり100万リットルだ。

これ小学校5年生の算数な。

ゼロ6つ=100万と覚えておくといいぞ。

グローバルなビジネスでもよく使うからな。

「フロストジャイアントにバレないようにフタをするんや。

本番では雪を粉体とするけど、今は砂を使おうで。

ウノ。マキシマイズドストーンオブジェクトで

12m x 12m x 0.5mの構造物を作ってくれや。」

おう。

マーチのだいたいの勘は当たるからな。

たぶん設計上は、それで行けるだろう。

あとは、オレが作れるかどうか。

72立方メートルの石製構造物。

リットル換算で7200リットルだ。

さっき、1000立方メートルが100万リットルだったろ?

ならば、72立方メートルは100万リットルの72/1000。

そういう計算だ。

これ小学校5年生の算数な。

7200リットルならマキシマイズドストーンオブジェクトで作れる。

問題ない。

オオカミ攻略では倍以上の15000リットルの砦を作ってたからな。

・・・

こういう計算は子供の頃は無意味だと思ってた。

算数ってのは仕事に無関係だと思ってた。

周りの大人が苦手にしてたからな。

だけどな。

こういう計算は、仕事でめちゃくちゃ使うぞ。

仕事となると

「作れるかどうかわかりません」

というのは「作れません」とほぼ同じ。

「頑張って作ってみます」も「作れません」とほぼ同じだ。

だったら「作れます」という人にお願いするだろう。

それよりかは、きちんと計算して

「こういう理由があって作れません」

と説明するのは、ずっといいんだ。信頼できる。

もしかしたら「作れます」という人が計算してなくて、

仕事を取りたいだけのハッタリかもしれないからな。

全部、雑談的思考だ。

さあ作ろう。

・・・

やったぜ!

「もしもフタの強度が足りなかったら、

平らな雪の上でフタを作って

ウノのブリザードでがっちり凍らせてから

アイテムボックスにしまって取り出してフタしよう。」

ゲイル。

凄え。

一瞬で考えたのか。

ほんの少しの移動でもアイテムボックス活用か。

異世界小説のテンプレのチートだぞ。

あ!

テコの原理は不要じゃん。

砦ごとアイテムボックスチートでいいぞ。

「あ!」

ゲイルも今、気がついたようだ。

ちゃちゃっとテスト。

成功。

「これで準備がすべて整ったのう。」

ガンテツがまとめてくれた。

よし。

シロたちと協力して、

フロストジャイアントをやっつけよう。

11/9。立法→立方。半年経ってから気づいた。恥ずかしい。

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