マシンガン
人指し指サイズでストーンバレット10連発。
あるいは手のひらサイズでストーンバレット30連発。
それがマシンガンの目標だ。
杖のサイズを小さくするところまでは開発が順調だった。
もともと魔法回路はスカスカだったからな。
こういうチューニングはオレとガンテツが得意とするところだ。
問題はマジックチャージ。
人差し指サイズで10連発してみて、はて?と困った。
10回ストーンバレットをマジックチャージするようでは
使い物にならない。
これはどうにかしないと。
「蒸し器の時に、小粒の火石と雷石を交換可能にしたのう。」
そうだな。
だけどこれは火石も雷石も使えないぞ。
「これも交換可能にするんじゃ。2つに分けるんじゃ。
本体とマジックチャージする部品にな。」
そうか。
弾を打ち尽くしたら、マジックチャージ済みの部品に交換するのか。
当然だな。
でもあれ?
交換可能にしても、いずれかのタイミングで
マジックチャージが必要になったら意味がないんじゃないか?
「意味はある。課題がシンプルになるんじゃ。」
わかった。
マシンガンは本体とマジックチャージする部品に分けよう。
・・・
出来た。
本体は1つ。マジックチャージする部品は3つ作った。
本体は人差し指サイズとはいかず指2本分のサイズになった。
そのかわりマジックチャージする部品は小さくてシンプル。
3cm四方で厚さは1cm。これをマジックユニットと呼ぼう。
1つで10発チャージできる。
「マジックユニットは、容易に量産化可能なレベルじゃな。」
そうだな。
でも量産化して100個あったとしたら
ストーンバレットを1000回チャージすることになる。
現実的じゃないぞ。
「ところで、オヌシはゴーレムを作れたろう。
ゴーレムは何体作れるんじゃ?数日かかってもいいぞ。」
ゴーレムは普通に扱う分には壊れない。
ルカにパワーオブマナで手伝って貰えば100体だって作れるぞ。
数日かかってもいいならな。
「ゴーレムから足を省略したら少しは単純化できんか?
そのかわりストーンバレットをチャージするようには出来んのか?」
足を省略する?
産業用ロボットか!
ゴーレムは基本的な命令なら受け付ける。
「オークのいる方向に歩いて」
「ダメージを受けたら」
「ワンドオブウインドストームを撃つ」
のと
「マジックユニットを受け取って」
「ストーンバレットをマジックチャージして」
「マジックユニットを渡す」
のを比較しよう。
どちらが基本的な命令か。
歩くっていうのは、実はすごく高度なんだ。
それを省略できる分、今回の方が基本的な命令と言えるか?
いけるかもしれないぞ。
ただしマジックチャージする時のMPの問題がある。
「MPはオヌシがマッサージすれば良かろうが。
ゴーレムの肩もみはイヤか?」
それがあったか。
だが100体のゴーレムの肩もみか…。
待てよ。
それは別の工夫でどうにか出来るかもしれないぞ。
例えば親機と子機をつないで、親機を肩もみするとか。
いけるかもしれないぞ。
「ガハハハ。調子が出てきたのう。
さて。ワシはマジックユニットを量産するか。」
オレは足の無いゴーレムを作ろう。
そのゴーレムが、マジックユニットに
ストーンバレットをマジックチャージできるかどうか試そう。
・・・
あっさり。
本当にあっさり成功した。
ゴーレムが土魔法で作られているせいか、
それともストーンバレットが初級魔法で詠唱不要なせいか。
足の無いゴーレムはマジックユニットにマジックチャージできた。
オレはもう2体、足の無いゴーレムを作り、
親機となるゴーレムも作った。合計4体の足の無いゴーレム。
親機と子機ABC。
オレは親機を肩もみしながら、ゴーレム達の連携を見ている。
子機Aが作業台からマジックユニットを手に取り、
マジックチャージして子機Bに渡した。
子機Bがマジックチャージして子機Cに渡した。
子機Cがマジックチャージして作業台に置いた。
よどみなく流れ作業している。
元の世界の産業用ロボットと同じだ。
マジックユニット3つは、3発ずつマジックチャージされた。
これはこれで悪くないな。
でも、もしかしたら流れ作業じゃなくて
1台が10回連続でマジックチャージしたほうがいいのか?
うーん。
実験してみないとわからないな。
ゴーレムをもう7体追加しよう。
ルカー!
MPをくれー!
パワーオブマナをお願い!




