裁縫スキル
ドワーフの里は革鎧も高品質で有名なので、
革鎧の工場も見せてもらう。
様々な種類のモンスターの皮は、原料の時には「皮」なのだが、
多くの作業工程を経て「革」となり鎧に加工されていく。
「革」になった後ならば、
オレの裁縫スキルで鎧に出来るかもしれない。
自分自身が着ける防具は、自作したい。
・・・
オレは一生懸命、型紙を観察した。
革に穴を開ける菱目打ちの作業も観察した。
あの菱目打ちの工具は欲しいな。
「では、中古を譲ってもらうことにしよう。
100ゴールドで交渉するが、それで良いかの?」
ありがとう。
200ゴールドまでなら出す。
ガンテツが交渉してくれた。
「中古で良いならタダでくれるそうじゃ。良かったのう。」
タダじゃ悪いからきれいな布5束と交換ということで。
「ウノは本当に律儀じゃのう。」
・・・
オレは飽きることなく革鎧の製造工程を観察した。
よし。
型紙は覚えたし、自分なりの工夫も出来ると思う。
問題は糸だな。何の糸を使うのだろう。
「モンスター素材じゃ。ジャイアントスパイダーの糸じゃよ。」
デカイ蜘蛛か。
狩りたいな。
「ここにジャイアントスパイダーの胴体を2個持ち込めば、
1個を加工賃代わりにして、1個を糸にしてくれるじゃろう。
ドワーフの里では、ゴールドをやり取りするより、
そういうのが職人に喜ばれるんじゃ。」
ほほう。
ゴールドで売買するんだと思ってた。
「昔の物々交換の名残じゃな。
それに、ドワーフの職人はゴールドを稼ぐために
仕事しているわけではないんじゃ。」
目からウロコが落ちた。
これはぜひともジャイアントスパイダーを狩って
ここに持ちこもう。
・・・
オレがあまりにも熱心に見ているので、
革鎧の職人が、少し作業してみるか?と声をかけてくれた。
オレは大喜び。
オレ用の革鎧を自分で作らせてもらうことになった。
その間、ガンテツ、ミラ、ゲイルには、ドワーフの里を観光してもらう。
今回の革鎧は上半身の胴体だけを作ることにした。
肩や肘の可動部分は、慣れてから作った方がいいらしい。
本来、革の縫製には力がいる。コツもいる。
慣れが必要だろう。
ここでオレの裁縫スキルが効果を発揮した。
スルスルッと縫える。なぜかコツがわかる。
教えてくれた革鎧の職人は、あんぐりと口を開いたままだ。
最後に硬化用のワックスをかけて
オレ用の上半身の胴体だけの革鎧、レザーベストが完成した。
鑑定スキルで確認したところ、
オレのレザーベストの性能は
ルカのミスリルの鎧に一歩届かない程度の高性能だった。
オレのDEX+20と裁縫スキルの組み合わせがチートだったのだろう。
これなら、ルカを除くパーティ全員分の革防具を作ってやりたい。
最終的にはオレの技術が向上してミスリル防具を上回る
革鎧を実現して、ルカにもオレが作った革鎧を着て貰いたい。
オレはパーティメンバーの防具用に、
超大量の革素材と糸と硬化用のワックスを購入した。
商品として売っている革鎧に比べれば、
革素材なんて安いもんだ。
ホクホク顔でアイテムボックスにしまう。
次回は、ジャイアントスパイダーの胴体をここに持ってこよう。
・・・
観光から戻ってきたガンテツ、ミラ、ゲイルに
オレのレザーベストを見せた。
ガンテツはニコニコしてオレを褒め、ミラは羨ましがり、
ゲイルは、家に戻ったらすぐに作ってくれと興奮していた。
その晩はドワーフ料理を楽しんで、宿に泊まった。
翌日、完成したゲイルとマーチのミスリル武器と盾を受け取り、
帰りの馬車に乗った。
オレたちのドワーフの里訪問はこうして終わり、
防具強化の大きなきっかけになった。
・・・
現在の装備。
◆ウノ:僧侶
メイス、レザーベスト+10、レザーマント+10
◆ゲイル:戦士
ミスリルの小剣2本、レザーベスト+11、レザーマント+11
◆ミラ:魔法使い
火球杖、レザーベスト+11、レザーマント+11
◆ガンテツ:戦士
ハンマー、レザーベスト+11、レザーマント+11
◆ステラ:アーチャー
弓、レザーベスト+11、レザーマント+11
◆ルカ:ロード
ミスリルの短槍、ミスリルの大盾、ミスリルの鎧、レザーマント+11
◆リリーナ:魔法使い
ワンド、レザーベスト+11、レザーマント+11
◆マーチ:戦士
ミスリルの長剣、ミスリルの盾、レザーベスト+11、レザーマント+11
◆エルザ:魔法使い
稲妻杖、レザーベスト+11、レザーマント+11




