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ミスリル製品工場

炊飯ジャー用にミスリルのインゴットを2本使ったので、

残りのインゴットは8本。

ゲイルの小剣2本とマーチの長剣と盾を

ドワーフに鍛えてもらう。

ミスリルのインゴットは5本使うだろうとのこと。

オレはガンテツに誘われて、ドワーフの里で鍛冶仕事を

見せてもらえることになった。

マーチ、エルザ、ルカ、リリーナ、ステラは

ドワーフの里には行かないとのこと。

行くのは、オレ、ガンテツ、ミラ、ゲイルの4人組だ。

4人で精一杯楽しんで来いと言われた。

その代わり炊飯ジャーは絶対に置いていけ、とのことだった。

納得だ。

・・・

数日間、馬車に揺られて到着したドワーフの里は、

岩山の中腹にあるダンジョンっぽい感じだ。

そして暑い。

そこかしこから飛んでくる赤外線が熱い。

里全体が製鉄所みたいなもんだ。

鍛冶打ちの音、地鳴りのような音、怒声。すごい活気だ。

あ。ヒゲが生えていないドワーフ発見。

ドワーフの女性か。なるほど。

この世界のドワーフ女性は、幼女タイプではなかった。

そりゃそうだろうな。

幼女タイプのドワーフ女性は、

元の世界のアレな人たちの創作だからな。

オレはホッとしていた。

・・・

ガンテツの仲間の鍛冶仕事を見せてもらう。

ミスリル鍛冶はドワーフの秘密なんじゃないか?と聞いたら、

昔ならともかく、今は秘密にしても意味がないとのことだ。

ドワーフの里以外では、設備不足、人手不足、騒音問題

などがあるため、ビジネスとして成立しないのだという。

鉄ならば、需要が桁違いに多いのでビジネスになりやすい。

だが、ミスリルはミスリル鉱石の供給量が少なすぎるために、

大きなビジネスにならないのだという。

ミスリル製品はドワーフに作らせるというのが

この世界の現実なのだろう。

・・・

ミスリルを溶かすって物凄いことなんだな。

たぶん3000度に達している。

この環境にドワーフ以外が耐えられるのだろうか。

オレは無理だと思う。

屈強なドワーフでさえも短時間しか従事できない。

まばゆい光の中、

ガンテツはゴーグル型サングラスをつけて言う。

「これをかけても、決して直視するでないぞ。

網膜が焼けて目が見えなくなってしまうからのう。」

オレたちもゴーグル型サングラスを付けた。

ガンテツは、ゴーグル型サングラスを知っていたから

オレから唐辛子防止のゴーグルの話を聞いて、

一発で理解してくれたんだな。

・・・

「ドワーフが金属製品を作る製法は、3種類ある。

鍛造と鋳造と切削じゃ。このうち、ミスリルの剣を作るのに

用いるのは鍛造じゃな。ミスリルインゴットを熱して叩いて

伸ばして剣にするのじゃ。」

刀鍛冶だな。

ミスリルの鍛冶仕事は、熟練鍛冶師が多いドワーフの中でも

凄腕中の凄腕の鍛冶師のみが担当するという。

炊飯ジャーも鍛冶仕事で作ったのかな。

「炊飯ジャーの外装は鋳造で作った。

材料代として宝箱のミスリルインゴットを2本渡したが

実際に使ったのは同じ重さのミスリルを含有する

ミスリル鉱石じゃ。

鋳造するにはミスリルインゴットは大きすぎて均一に

溶かせんからな。」

鋳造なんだ。

ミスリルを鋳造できる技術者はどれくらいいるのかな。

「ミスリル鍛冶師の10倍はおるのう。

ミスリルの盾や鎧も鋳造じゃぞ。」

切削は?

「ミスリルは切削には向かん。

切削するにはオリハルコン、

あるいはアダマンタイト、オヌシの言葉で言う

ダイアモンドが必要じゃ。」

そういえばダイアモンドの別名がアダマンタイトだった。

オレの氷魔法はダイアモンドダストと名付けたが、

アダマンタイトダストの方が良かったかな。

「オヌシの魔法じゃ。好きに名付ければよい。」

そうしよう。

オレにとってはダイアモンドダストが分かりやすい。

・・・

ミスリルの鋳造仕事も見せてもらった。

溶けたミスリルを型に流し込んでいる。

あの型は何でできているのかな?

「砂じゃよ。千年前は石膏と砂を使って

手作業で型を作っていたのじゃが、

今は土魔法使いがあっさり作ってくれるわい。」

あはは。

まるで千年前にも生きていて

自分の目で見ていたかのような話しぶりだ。

「?」

ガンテツは首を傾げたが、何も言わなかった。

ところで今作っているのは何だろう。

「今作っているのは金庫じゃ。

ミスリルは熱に強いから火事でも焼けることが無い。」

なるほど!

理にかなっている。

「ミスリルは軽いから金庫ごと盗まれては元も子もない。

おもりを兼ねて金のインゴットを入れることが多いんじゃ。

だから中は2段になっておる。」

まるで冷蔵庫だな。

冷蔵庫!

オレの氷魔法で作った氷を入れれば、

そのまんま冷蔵庫じゃないか!

いったい幾らで買えるんだ?

「あの金庫で10万ゴールドじゃよ。」

高い!

ムリかあ…。

「ミスリルのインゴットが5本あれば

加工賃だけで作らせることが出来るぞい。」

そうなんだ。

宝箱のミスリルインゴットは10本だった。

炊飯ジャーで2本使った。

ゲイルとマーチの武器と盾で5本使う。

今まさに鍛冶で打って貰っている。

残りは3本。2本足りないな。

またダンジョンに潜って宝箱を期待しよう。

「はははは。

ダンジョン攻略の目的が名誉でもなく、

金でもなく、強くなることでもなく、

ミスリルのインゴットかよ。」

「あはは。ウノらしいです。」

ゲイルとミラに笑われた。

しかしオレは構わない。

オレがオレらしくなかったら、きっと不幸だろう。

修正:サングラスつけて言う。→サングラスをつけて言う。

修正:あっさり作れってくれるわい。→あっさり作ってくれるわい。

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