しょうが焼きパーティ
冒険者ギルドで受け取ったオークの討伐報酬はすごい額だった。
ウハウハだぜ。
第五階層攻略の最後のオークキング討伐で連戦して
少し無茶をしたので、
第六階層攻略はしばらく保留することになった。
ゲイルとマーチで少し索敵、偵察して、情報収集するとのこと。
第三階層のスケルトンの情報が入ったら
オレとルカが出動して石鹸を確保する。他は自由時間。
他のメンバーは体がなまらないように
第四階層の虫か第五階層のオークを狩る。他は自由時間。
当面はそういう感じで比較的ゆったりと過ごすことになった。
・・・
パーティ内での話し合いの結果、
ミスリルのインゴット10本の使い道については、
とりあえず4~5本消費して、
ゲイル用にミスリルの小剣2本と、
マーチ用にミスリルの長剣とミスリルの盾を作る。
ガンテツは現在使用しているハンマーが既に最強レベル
とのことだった。
ルカは既にミスリル製の武具が揃っているので不要とのこと。
ゲイル、マーチ、ガンテツが革素材の鎧なので、
ミスリルの防具を作ることを提案したのだが、
3人とも、少し様子見したいとのことだった。
・・・
ガンテツが蒸し器やスライサーの開発で助けてくれたドワーフに
オークの討伐報酬のゴールドの一部を渡したところ、
お返しとしてイノシシ肉を貰ってきた。
オークの肉じゃないぞ。
「この肉をショウガの味付けで焼いてくれ。」
ひさしぶりのショウガ焼きだ。
やったぜ!
イノシシ肉だから、筋肉質で歯ごたえありそうなので、
肉を柔らかくするために肉叩きで良く叩いておこう。
それからパイナップルを擦り下ろしたものに肉を漬け込んでおこう。
きっと柔らかくなるはず。
この世界に醤油と味噌は無いから諦めるとして、
パイナップル+ショウガ+塩でショウガ焼きが成立するかな?
まあ1枚焼いてみてダメなら、
肉の表面のパイナップルを洗い流せばいいか。
肉を漬け込んでいる間に付け合わせだな。
千切りキャベツが必要だな。
あとはキュウリとトマトを添えればいいか?
米!
せっかくだから白米を炊きたいな。
米を15分茹でてザルに上げて蒸らす方式で炊こう。
・・・
ショウガ焼きは大好評だった。
こんなに柔らかい肉は初めて食べたとのこと。
パイナップルの甘みと酸味も受け入れられたみたいだ。
ショウガ焼き丼をモリモリ食べていた。
肉の丼ってうまいよな。
長粒種の米は、肉料理と相性がいいんだよ。
炊飯ジャーがあればダンジョン内でも気軽に食えるんだけどな。
その時、オレは思い出した。
ミスリルのインゴット!
ミスリルがあれば炊飯ジャーを作れるじゃないか!
「忘れとったわい。それこそ最優先で作るべきアイテムじゃろ。」
「ダンジョンで丼が食えるんか?そりゃ凄いで。」
「作って!今すぐ作って!」
ルカの興奮ぶりが凄い。
オレ、ガンテツ、ミラの3人で開発することになった。
・・・
発熱に関する魔法回路は蒸し器とほぼ同じ。
温度のコントロールが必要になる分、
ほんのちょっと炊飯ジャーの魔法回路の方が複雑だ。
だが何の問題もない。
オレたち3人の知識をもってすれば簡単な仕事だった。
ドワーフに発注済みの保温用ミスリル外装が届けば
組み立てるだけで完成する。
ちなみに容量は1升炊きにした。
もうすぐ毎日、手間いらずで白米が食える。
やったぜ!
・・・
ミスリルの炊飯ジャーが完成した。
1升炊きにしたにもかかわらず、たまに2回炊く必要がある。
みんなが夢中で食いまくるのは、おかずに肉を使っている時だけだが。
そんな時のために、ガンテツにおひつを作ってもらった。
熱々でなく温かいごはんをおひつからよそって食うってのも良いもんだ。
はいはい。
おかわりね。
茶碗だとおかわりが面倒なので、みんな丼だ。
それでもおかわりする。
どんだけ食うんだよ。
肉と米だけでなく野菜も食うように!
・・・
ダンジョン内でも炊飯ジャーは大活躍。
もともとダンジョン内での調理を目的に開発したから当然だろう。
米は保存がきく。
きれいな水は、オレがタルに入れてアイテムボックスに入れて
持って行けばいいし、
足りなくなったらエルザとリリーナの水魔法もある。
リリーナの水浄化スキルは最強だぞ。
オレはダンジョン内でも普段通り炊飯ジャーで白米を炊く。
みんなの丼によそう。
それにふりかけをかける。
オレの氷魔法でフリーズドライにした野菜とゴマで作ったふりかけ。
それで十分に美味い。
料理するなら、フリーズドライした野菜をお湯で戻して、
片栗粉でとろみをつけてから少し蒸し器にかけ熱々の
「あんかけ」にする。
丼飯にあんかけをかければ、中華丼風だ。
あとはうずらの卵とかエビとかイカがあれば…。
おっと。
エビは安く手に入るからフリーズドライに出来そうだったな。
イカはスルメが入手できればいけるか?
たしか重曹でイカっぽく戻せたよな?
となるとイカメシ風に炊き込みご飯もいけるぞ。
というかなぜ炊き込みご飯を今まで考え付かなかったんだ?
よし。次、作ろう。
ウマメシ生活は加速度的に充実していくのだった。




