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ガンテツの研究

エルザが魔法の杖の掃除に夢中なのを見て、ガンテツが何かを感じたらしい。

廃棄品としても値段がつかない初級魔法の杖3種、

ワンドオブファイアボルト、ワンドオブサンダーボルト、ワンドオブストーンバレット

をどこかから合計20本もらってきた。

ノコギリで切断して魔法回路を確認しては、あーだこーだと考えている。

「初級魔法のワンドの魔法回路は、3種ともほぼ同じじゃ。

そこに各属性特有の回路を組み込んでいるんじゃ。」

へえ。そうなんだ。

ある意味、無駄が多いのかな?

「回路に無駄な隙間が多いとも言えるし、

設計時の労力を省いているとも言えるのう。」

良いところと悪いところの両面があるのか。

設計って大変だもんね。

「汎用性を削れば、回路をもっと小型化できる。

そもそも初級魔法じゃから複雑で大きな回路は不要なのじゃ。

汎用性を考えない回路で設計し直すのは面白そうじゃ。

ワンドの長さ、直径とも1/5にできるかもしれん。」

1/5だと人差し指サイズじゃないか?

「そうじゃな。そのサイズで10発は撃てるじゃろう。

初級魔法のボルト系でも10連発できるなら何かの役にたつかもしれん。」

ちょっと待って!

役に立つどころじゃないぞ。

元の世界のマシンガンは約30連発。

それまで拳銃しかなかった近接銃撃戦はマシンガンによって一変したんだ。

人差し指サイズで10連発なら手のひらサイズで30連発はいけるだろう。

実装次第では、50連発、100連発も視野に入るぞ。

そうしたら後衛の魔法使いの立ち回りも変わるぞ。

面白い!

ダンジョン攻略の合間に少しずつ、

ガンテツとオレとでマシンガンを研究することになった。

だがこの研究が実を結ぶのはしばらく先のことだ。

・・・

蒸し器の方の研究は、昼食で実証実験している。

マーチは今の3台では足りず、もっと欲しいそうだ。

「これってめちゃくちゃ便利やん。めっちゃ売れるで。」

オレとしては、ドワーフが次世代蒸し器を研究しているので、

こちらの都合で前世代の蒸し器を作らせたくはないんだ。

今しばらくオレたちは3台で我慢しよう。

それから作ったり売ったりはドワーフに任せるから。

「なんや。ドワーフ丸儲けやん。」

そうだな。

まあ、いいじゃないか。

マーチが料理上手なのは、オレにとっては非常に助かる。

牛乳を使ったホワイトシチューはエルザに食べたいと言われて

作るようになったとのこと。

「カミさん孝行やねん。カミさんがエルフやからな。

わいの故郷では年上の女房は最高と言われとるんやで。」

まあ、エルフなら間違いなく年上だろう。

マーチはオレたちの家で料理を手伝ってくれて、

一緒に食事をするようになった。

寝る時だけ自宅に帰っている。

オレたちの家からすぐなので問題ない。

また、マーチが新たなメシの素をバンバン開発してくれた。

オレがマーチの料理するところを見ていると

オレの炊事スキルがマーチの手際にダメ出しをしたりする。

(塩の量が多い…けど奥さんは味濃いめが好きだから良いか。)

(あっ牛乳。それなら完璧。勉強になる。)

こんな感じでオレに人工知能が伝えてくる。

炊事スキルの人工知能って、オレへのダメ出しは頭ごなしだよな?

差別してないか?

(いいえ?)

まあ、オレよりマーチの方が料理の腕がいいのは確かだ。

マーチとオレで開発した新しいメシの素で大人気なのが

粉末マッシュポテト、新型ドライフルーツだ。

粉末マッシュポテトはマーチから牛乳が手に入るようになって

すぐ開発に着手し即日完成した。

新型ドライフルーツは、氷魔法を使ったフリーズドライに

よって作るもので砂糖を使っていない。

イチゴ、リンゴ、バナナ、パイナップルの4種だ。

ドライフルーツは、密封性の高い木製容器を

ガンテツが作ってくれたので、それに入れている。

ガンテツの木工秘伝スキルは本当にすごい。

この世界における最高の職人だと思う。

・・・

オレが考えていたポテトチップスとバナナチップスは、

当初思っていたより日持ちしないことが分かり開発中止。

今後良質な小麦粉が手に入るようになったら、

インスタントラーメンの開発をしようと思っている。

楽しみだ。

でも焦る必要は無い。

そのうちマーチが工夫してくれるだろう。

オレが料理にかかりきりにならずに済んで本当に良かった。

オレはガンテツとマシンガンの研究もやりたいんだよ。

「わいは冒険者や。料理人やないで。」

そこをなんとかお願いします。マーチ師匠!

・・・

ちなみにルカは、

こんなに美味しい料理が食べられるなんて幸せだと、

嬉しそうにおかわりする。

そんな感じでルカの笑顔を見ていたガンテツは、

また何かを感じたらしい。

オレとマシンガンを研究しているタイミングで話しかけてきた。

「ウノはルカが着ているミスリルの鎧を見たか?」

見た見た。

第四階層の虫の攻撃でもノーダメージだった。

「防御力が高いのも魅力だが、断熱効果が高いのも魅力じゃ。」

それってモンスターに火魔法を使われても

ノーダメージなのかな。

「そうじゃな。そして、料理道具としても可能性を持っている。」

でもさ。ミスリルが断熱するなら、

料理道具としては機能しないのでは?

加熱できないだろ?

「そう考えるのが普通じゃろうな。ガハハハ。だがワシは違う。」

どういうこと?

「鍋の外側をミスリル、内側を鉄か銅の二重構造にするのじゃ。

その間の空間に火の魔法回路。するとどうなるかのう?」

ちょっと考えてみよう。

外側を触るとミスリル。火傷しない。安全だ。

内側は熱くなる。加熱できる。

安全で火を使わない鍋が完成するか?

「そうじゃろう。」

元の世界の炊飯ジャーみたいなもんだな。

「ウノも一緒に作ってみたくないかのう?」

ぜひ作りたい。

「それにはミスリルを入手せんとな。

それにしても、ウノ達とおるとアイデアが次々と浮かぶわい。楽しいのう。」

こちらこそガンテツのおかげで、

この世界で生産職っぽく楽しく過ごしている。

本当にありがとう。

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