蒸留
以前、ゲイルがこう言っていたんだよ。
「ガソリンとかの気化しやすい液体燃料があれば…。
いやニトログリセリンがあれば…。」
実は気化しやすい液体燃料に心当たりがある。
当時は無理だと思って口にしなかったが、今なら挑戦可能だ。
アルコール蒸留。
ガンテツ。ドワーフの里で酒と言えば蒸留酒か?
「たしかに蒸留酒が一番人気じゃな。火酒と言う。」
そうなんだ。火酒は聞いたことある。蒸留酒なんだ。
原料は何なんだ?
「麦芽じゃな。大麦の麦芽で作ったエールを蒸留して作る。」
エール!元の世界で言うところのビール。
ホップ。ホップは加えないのか?
「ホップというのは知らん。」
苦味の元だよ。植物の花のつぼみ。
「エールは酸っぱい酒じゃ。苦くないし、植物の花のつぼみも加えん。」
そうか。
ホップがエールとビールの違いなのかもしれないな。
大麦麦芽をどうやってエールにするんだ?
「まずは大麦に吸水させて発芽させる。これを乾燥させたものが大麦麦芽じゃ。」
ふむ。
「大麦麦芽を砕いて粉にする。これを70度くらいのお湯に着けておくと甘くなる。
麦汁と呼び、かなり甘いぞ。」
その甘さは麦芽糖だろう。
麦汁を煮詰めたのが麦芽水飴かもしれないな。
いや、たしか米のおかゆを麦芽で糖化するんだったか。
興味は尽きないが、先にアルコール化だ。
麦汁に酵母を加えるのか?
「そうじゃ。よく知っとるのう。」
温度はいくらくらいで、時間はどのくらいなんだ?
「なんじゃ?エールを作るのか?」
まあね。買ってもいいんだけど、興味があるんだ。
「1週間くらい冷たい水で冷やすんじゃ。5度から10度くらいじゃろう。」
酵母は何から取ってるの?
「出来上がったエールから取ったり、ワインから取ったりじゃな。」
そうか。いけそうだな。
ガンテツ、ありがとう。すごく勉強になったよ。
・・・
アルコール蒸留するとなると蒸留管が必要だよな。
二重になった管。
外側に冷たい水を流し、内側に蒸発したアルコールを通す。
アルコールが冷えたら液体に変わるので、それを集める。
アルコールの沸点はたしか78度だったっけ?中学の化学だ。
蒸し器の温度調整で78度に設定したらいけるか。
冷たい水は、オレのアイスキューブでなんとでもなるな。
あとはゴムチューブみたいな素材が欲しいな。
ガンテツ、筒状の素材で形状が変更できるのってあるかな?
「ワシなら木工秘伝があるから、竹じゃな。」
木工秘伝って凄え。
・・・
とりあえず火酒を買ってきた。
これを蒸留して純度の高いアルコールを精製しようと思ってる。
「火酒よりも、さらに強い酒にするのか?」
そう。
飲むんじゃないぞ。
モンスター攻略に使うんだ。
例えば、虫モンスターが大量発生した時とかさ。
アルコールは温度が低くなっても水みたいには凍らないだろ?
その性質を活かせば、攻略にいろいろ活かせるかもしれない。
アルコールは燃やしてもいい。
火魔法が封じられたとしても火を使ってダメージを与えることが出来る。
油よりも爆発的に燃焼するぞ。
「オヌシは本当にモンスター攻略に知恵を出すのう。」
オレは楽にモンスター攻略したいんだ。
楽するために今頑張る。
・・・
ガンテツに手伝ってもらって、
火酒から純度の高いアルコールを精製できた。
そんなに大量じゃないけどな。
小タルで1個ある。
オレのアイテムボックスにしまった。
次回、大量にアルコールを精製する時は、エールの醸造からやろう。
今回は見送りだ。
ふっふっふ。
アルコールさえあれば、
次回のG退治は圧倒的に楽になる可能性が高いぞ。
修正:エールの製造→エールの醸造
7/9。修正。麦芽水飴かもしれないな。




