質問
「これで一通り自己紹介が終わったな。何か質問あるやつはいるか?」
はい。
ルカは彼氏はいますか?
「ウノ。セクハラはダメよ。」
「彼氏はいません。募集中です。」
よっしゃー。
ルカは質問ないの?
「たくさん質問があるんですけど、一番気になるのはゲイルさんです。」
「なんだ?」
「こんなに個性的なメンバーが集まるパーティのリーダーとして、
リーダーシップというかメンバーをまとめるコツってなんですか?」
ああ。
冒険者ギルドの相談窓口やる前は、
ルカはパーティのリーダーだったんだよな。
でもメンバーがどんどん抜けてった的な話だったっけ。
「うーん。忍耐、かな…。ごめん少し考える。」
「忍耐ですか…。」
ゲイルはずっと忍耐してたのか?
根が本当に真面目なやつだからなあ。
「よしわかった。答えがまとまった。
主役を誰かに譲る。
誰もやりたがらないことを率先してやる。
メンバーのミスを責めない。これが忍耐の正体だ。」
ゲイルよ。
お前には苦労させてるんだな…。ぐすっ。
「主役を譲る…。誰もやりがらないことを率先。
ミスを責めない。なるほど…。
わかりました!私もそうします!」
待て待て待て。
ルカ。メンバーをまとめるコツを聞いてたよな。
過去を踏ん切るための質問じゃなかったのか?
ルカはリーダー志望なのか?
もしそうなら…。
オレはルカについていくぞ。ゲイル。悪いな。
・・・
ルカは、常勤のパーティメンバーではなく、
当面は冒険者ギルドの職員との兼業ということになった。
いきなり辞められると引き継ぎがうまくいかないとのことで、
冒険者ギルドから泣きつかれたとのこと。
後任への引き継ぎを進めていって、
少しずつ冒険者としての活動を増やすとのことだった。
・・・
場所は変わって冒険者ギルド。
今日はルカの勤務日だ。
ルカの後任はリリーナといい、ルカの3年年下の従姉妹だ。
「ルカ姉さまぁ。
ゲイル様のパーティのメンバーになるなんて、
羨ましすぎですぅ!
もしかしてゲイル様を狙ってるんですかぁ?
ぜったいダメですからねぇ!
ゲイル様は私のアイドルなんですぅ!」
リリーナはゲイルに一目ぼれしてしまい今でも夢中だ。
「リリーナ。分かってる。
そんなんじゃないわ。」
ルカは困った顔をした。
「じゃあ、ルカ姉さまから
私をゲイル様に紹介してくださいよぉー。
私も冒険者になりたいですぅ。
魔法学校を卒業してて水魔法が得意だから、
水魔法の使い手がいないゲイル様のパーティの
役にたてるはずなのぉ。」
リリーナは冒険者ギルドの職員になる前、
魔法学校で勉強していた。
魔法学校を卒業するとき、冒険者になるか、
冒険者ギルドの職員になるか悩んだ。
ちょうどその頃、
ルカが冒険者をやめて冒険者ギルドの職員になったのを
きっかけに冒険者ギルドの職員を選んだ。
基本的にリリーナはルカの傍にいたいのだ。
「わかったわ。ゲイルに相談するけど、
今はパーティが6人だから、期待しないでね。」
「そういうときはぁ、一軍と二軍にすればいいんですぅ!
ゲイル様の傍にいられるならぁ、私は二軍で構いません!」
むん!とリリーナは拳を握る。
「そうね。それも含めて相談ね。」
・・・
リリーナは、今はルカから業務を引き継ぎつつも、
冒険者としてのルカの動向を
日々チェックしようと心に決めた。
憧れのゲイル様の傍にいられて、
かつルカの傍にいられるのであれば、
リリーナにとってそこは最高の居場所なのだ。




