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パーティ分け

今日はバッタ駆除の卒業式というか閉会式だ。

蝗害対策巨大施設「アンチローカスト」の広間にみんなが集った。

(みんなのおかげでバッタ駆除は終わった。ありがとう。

そして、今ここに新プロジェクトとして、

草原都市「ロカシティ」の建設開始を宣言する。

ついてはプロジェクト参加者を募る。ぜひ参加してほしい。以上だ。)

草の神は堂々としたもんだ。

草の神の宣言に、オレはパチパチパチパチと大きな拍手を送る。

続いてみんなも大きな拍手を送った。

「草の神、ありがとうございました。

それでは次はパーティ分けに移ります。」

女神アイアの司会進行はよどみない。

・・・

今回のパーティ分けでの選択肢は4つ。

A:ロカシティ建設プロジェクトに参加。

B:ダンジョン探索プロジェクトに参加。

C:新しいプロジェクトを立ち上げる。それに参加する。

D:元いた里、出身地に戻る。

▼ロカシティ建設初期メンバー(10柱)

・草の神と雨の神の夫妻

・氷の神と土の神の夫妻

・宝石の神と雪の神の夫妻

・鍛冶の神と霧の神の夫妻

・料理の神マーチと教育の女神エルザの夫妻

▼ダンジョン探索初期メンバー(4柱と6人)

・オレとアシストの女神ルカの夫妻

・我が子であり子供の神であるたまと我が子ガーベラとペットの神シロ

・豚頭族の少年オインクと鬼族の青年セイヤと兎耳族のラビィ

・真菌義人ググリと細菌義人キア

元々は擬人だったのだが字面が悪いので義人とした。

義人とはキリスト教においては聖人のことで利害を無視して正義を行う人物。

「新ヒーロー」ググリと「新ヒロイン」キアにうってつけだ。

・・・

一番最初に手を挙げたのはユカリ先輩とモモカだ。

「アタシ、鬼族のユカリと、鬼族のモモカはダンジョンに参加だ。」

「カムナビ温泉の運営とプロレス運営と3つの掛け持ちでございます。」

ユカリ先輩とモモカの発言に、ホビットのクルマニーとポピーも続いた。

「カムナビ温泉の運営と兼業だべ。」

「ウノたちといた方が、旅っぽい感じがあるべ。」

ありがとう。これからもよろしく。

オレはこれからも旅っぽい感じを心がける。

次に手を挙げたのは魔法の神ミラと魔法の女神イースだ。

「ロカシティ♪」

「魔法の女神イースと魔法の神ミラはロカシティに参加します。」

(ありがとう。心強い。)

草の神はホッとした表情だ。

「「「ロカシティ参加です!」」」

「ダンジョン探索も楽しそうだけど、もう少し魔法を勉強します。」

そう言ったのは鬼族の魔法学校の生徒たちだ。

バッタ駆除の際のチーム分けで

魔法の神ミラと魔法の女神イースと

バッタバスターズ・マジックでチームが一緒だったからだろう。

魔法を学ぶとしたら、ミラとイース以上のお手本はいないからね。

なんと言っても魔法の神と女神だから。

それに教育の神エルザからは学生からは卒業だと言われていても、

まだエルザと一緒にいたいという気持ちもあるのかもしれない。

次に豚頭族たちとエルフたちが手を挙げた。

「豚頭族はロカシティです。」

「エルフもロカシティです。」

この2種族もバッタバスターズ・マジックで一緒だったからだろう。

みんな勉強家だよね。

続いて屈強な鬼族のプロレスラーたちが手を挙げた。

「鬼族のプロレスラーもロカシティだ。プロレスと掛け持ちする。」

いいと思う。頑張ってくれ。

職人の神ガンテツが手を挙げた。

「ロカシティじゃな。こんな面白そうなことを見逃すわけがない。」

ガンテツの言葉が終わると即座に大きな声があがった。

「「「ワシらもロカシティじゃ!」」」

「「「ロカシティです!」」」

「「「ロカシティだ!」」」

ガンテツの言葉が決定打になったのだろう。

ドワーフ、兎耳族、鬼族のハンターたちがガンテツに追従した。

彼らはバッタバスターズ・ハンマーでガンテツと一緒だった。

職人の神ガンテツはドワーフにとっての憧れであり、

ハンマー使いにとっても憧れなのだ。

残っていた多くの者たちもロカシティ参加を希望した。

「ロカシティ!」

「私はロカシティとカムナビ温泉の掛け持ち希望です。雇ってください!」

「じゃあ私も!ロカシティと女子プロレラーの掛け持ち希望です。」

ザワザワとしだした。

「ロカシティ!」

「ロカシティ!」

元いた里に戻ろうとする者は誰もいない。

新規プロジェクトを立ち上げる者もいなかった。

残ったのはサムライの神アルファとニンジャの女神ルーシィの2柱だ。

アルファとルーシィは顔を見合わせる。

ルーシィはアルファの背後に回り、アルファの腰に手を回した。

「サムライの神アルファとニンジャの女神ルーシィはロカシティに参加する。

ただし、ルーシィが出産して新しいアイデアが出たら抜けるかもしれない。」

草の神が大きく頷く。

(それでいい。まったく問題ない。皆も同様だ。)

パーティ分けが終了した。

…かに思えたその時。

いつの間にか消えていた女神アイアが空間転移で現れた。

女神アイアの背後からズイッと現れたのは、

ビジネスチックなスーツ姿のエルフ美女。

主役は遅れてやってくる…ってやつか。

ビジネスの神ステラの登場だ。

「待たせたわね。私もロカシティに参加するわ。ビジネスの神としてね。」

「お久し振りです。ウノ様。」

ステラの夫であり執事でもあるセボスだ。

頭を掻きつつ、ステラの後ろから顔をのぞかせた。

セボスは申し訳なさそうな表情だ。

やあやあ、セボス。

元気そうだね。こっちのカムナビ温泉の運営はどうにかやっていけてる。

それに新規従業員も集まりそうだ。

カムナビ温泉に客として入浴しに来てくれ。

・・・

「それでは、草の神。それからえーと…あったあった。

…風呂と掃除とロボットと発酵と医療とマッサージの神ウノ。

パーティ名を付けてください。

それをもってパーティ分けの終了とします。」

女神アイアは、さりげなくカンニングペーパーをしまう。

女神アイアの司会進行はよどみない。

オレの名前の長さについては、自分自身でさえ、カンニングペーパーを見る。

女神アイアがオレの名前を適当に省略しなかったのは、

オレに対する礼儀を大事にしているからなのだ。

さすが女神アイアだ…。

ありがたや、ありがたや。

(こちらのパーティ名は、ザ・ストーム・ロカシティだ。)

草の神の命名はド直球だね。

それにしても、ザ・ストーム再び。

オレたちのパーティ名は、ザ・ストーム・エクスプロアだ。

草の神は笑顔で手を差し出した。

その手をオレは握る。

パチパチパチパチと拍手が巻き起こる。

草の神とオレは、この場にいたみんなからの拍手に包まれた。

嬉しい。

元いた世界で、オレはこんな経験したことあったかな?

オレの世界は、今ここの世界だ。

・・・

とりあえず、プロレス団体カムナビのトレーニングジムは

ロカシティに移築となった。

プロレス団体の興業はカムナビ温泉の円形闘技場コロッセオなのだが、

プロレスラーの日々の練習はカムナビ温泉である必要は無いのだ。

「まずはリングじゃな。ウノ、アイテムボックスに収納せい。」

ほいっと。

「追加のリングも必要じゃぞ。用意しておいてくれ。」

わかった。用意する。

ガンテツの指揮の元、

オレとルカとアルファとルーシィとでトレーニングジムの

解体作業をしている。

解体作業と言ってもリングなどの内装単位や、

屋根や壁といった単位で、アイテムボックスに収納するだけだ。

ロカシティではトレーニングジムを増築する予定になっている。

理由は、鬼族の女性ハンターと兎耳族から数人が

女子プロレスの練習生として参加を希望したからだ。

そうなると以前のままの面積では手狭となる。

だからロカシティではトレーニングジムを増築する必要がある。

よーしよし。

これで全部アイテムボックスに入ったね。

後はロカシティに戻った時にアイテムボックスから取り出そう。

増築で足りない建築資材はガンテツ所有のPCブロックと

イースが現場でストーンオブジェクトで作ることになる。

今日の現場作業はここまで。

翌朝、女神アイアが定時の人員輸送をしてくれる時に、

ロカシティに連れて行ってもらおう。

・・・

それにしても、女神アイアには頭が下がる。

バッタ駆除の時は緊急事態だったから仕方ないと思えるが、

都市の建設となるとバッタ駆除以上に長期戦が予想される。

女神アイアも大変だろう。

「そうでしょうか?女神アイアは楽しんでいますよ?」

ルカ。

それはそうかもしれないけどね。

楽しいから趣味的にやっているのです、と当人に言われたとしてもね。

周りはそう思ってはいけない。

オレからしてみたら大変な仕事だし、

女神アイア以外には不可能な仕事だ。

なんと言っても神界序列1位。

創世の女神だぞ。

感謝だ。

「そうですね。ならばビジネスの神ステラにも感謝ですね。」

うーん?

ステラはビジネスだろ?

この機会にガッポリ儲けるつもりなんじゃないかな。

それってオレの見方が偏ってる?

「ええ。偏ってます。ステラは金儲けに興味がありません。」

ええーっ?

さすがに金儲けに興味がない、は違うだろ。

過去には、アンデッドから石鹸を回収するのに目の色を変えてたぞ。

ルカとオレとで何度も第三階層のアンデッド地帯で石鹸を回収しただろ。

思い出すと凄く懐かしいな。

アレはアレで楽しかった。

「アレは…顧客の信頼を失いたくなかったからなのです。」

ほう。なるほど。

うん。

顧客の信頼を失えば次のビジネスを失う。

ビジネスを失えば金を失う。

最終目的が顧客の拡大なのか、金儲けなのか。

見分けがつかないね。

判断に迷うところだ。

「ええ。そうですね。」

どうすれば見分けることが出来るだろう。

ステラの最終目的が金か、金以外の…例えば顧客満足なのか。

「…ビジネスで得たお金を、ステラが何に使っているか、でしょう。」

次のビジネスへの投資だろ?

例えばロカシティ建設への投資。

物資の手配はステラが担当するからね。

そうなると目的はロカシティに住む住民の満足度をあげる。

人々を幸せにする。

うーん?

素晴らしい目的だとは思うけどね。

ステラの最終目的にしては、ちょっと陳腐な気がする。

たぶん違うね。

こりゃ難しい。

「最終目的が宇宙だとしたら?思い当たりませんか?」

え?どういうこと?

「巨大な宇宙船は1つの都市と見なせませんか?」

それは…オレが申し訳なかった。

オレの見方が偏っていた。

オレの想像力が狭くなっていた。

ちょっと宇宙を散歩する、というのは当面の目標に過ぎない。

宇宙を巡る旅が最終目標と言える。

巨大宇宙船エンタープライズはオレにとっても悲願。

ゲイルとルーシィとも約束した。

宇宙旅行が一般化すれば、この世界は大きく拡張する。

夢が絵空事で無くなれば、想像力の限界が再設定される。

想像力がパワーの源だ。

この世界のパワーが大きく高まるだろう。

そのための布石。

巨大な宇宙船を都市と見なす…。

そのためのビジネス戦略ってことか。

さすがビジネスの神。

ビジネスの神は神界のCEO。つまり社長。指導者だ。

ステラは導きの女神だ。

そしてルカは、間違いなくアシストの女神だ。

そもそもベタ惚れだけど更に惚れ直したぜ。

「えっ?。///。」

はははは。

オレたちは夫婦だぞ。だから照れないでくれ。

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