ご褒美
ステラがいるときは、
第一階層の女風呂の掃除をしてほしいって話。
あの話が少し変化した。
女風呂は、大きくわけると浴槽と洗い場になってる。
オレが浴槽を掃除している間は女性利用者を締め出すが、
浴槽の掃除が終わってお湯を張ったら、
湯着か水着を付けている場合に限って
すぐにお風呂場を利用していいということになった。
なるほど。
風呂掃除で入浴できなくなる時間を
少しでも短くしたかったんだな。
どうせ湯着や水着だしな。
湯着や水着を恥ずかしがる女性や、
湯着や水着を着用したくない女性もいたそうだが、
そういう人はオレの風呂掃除が完全に終わって、
オレが出たタイミングで入浴すればいいという話になった。
なるほど。
自分で選択できると。
それで利用方法が変化した結果として、
一番風呂に入ろうとして行列ができる始末。
以前より混雑している。
たしかに浴槽を掃除した直後は一番風呂だ。
気持ちはわかる。
それで洗い場の方の掃除は、
湯着や水着姿の女性利用者が浴槽に浸かっている時、
空いている洗い場を見つけて、オレが掃除する。
たまに全然洗い場が空かなくて諦める。
ウロウロしてたらマズいだろ。
ごくたまに背中を擦ってくれないかと頼まれる。
丁寧に背中を擦るよ。
しょせん背中だし。
なんか三助になった気分。
・・・
これってご褒美か?
たしかに最初のうちは、ドキドキしちゃってさ。
チラっと見えることもあってさ。
目をつぶったりしてた。ご褒美な気がした。
ソフト的な。
ラッキー的な。
でも期待してたのとなんか違うんだよ。
いや。
当初は期待以上の出来事だったんだよ。
それが急速に状況が変化した。
ものすごく急速に。
なんというか恥ずかしいって気持ち?
羞恥心?
女性利用者の皆さんは、それがない。
そのせいか、そっちが平気なら、こっちも平気、みたいになる。
それに気づいてしまったら、
もう意識しないというか、視界に入ってもスルーなんだよ。
興味がなくなったみたいだ。
どうでもいいって感じ。
うーむ。
謎だ。
人生は謎に満ちている。
男女混浴?
ああ。そんなことを考えていたこともあったね。
はははは。
でもさ。
一時的に荒んでいた心は癒やされたよ。
そういう意味では、いいご褒美だった。
もう十分だけどな。
早く解放されないかなあ。




