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一歩ずつ

オレとしては、女神アイアと一緒の食卓で夕食を食べたい。

なぜならルカは女神アイアと家族同然であり、オレはルカと家族なのだから。

そうルカから女神アイアに伝えてもらった。

それからは、女神アイアは毎日夕方、

ルカの元に転移して夕食をオレたちと共に食べる。

女神アイアとルカとガーベラとたまは夕食後に一緒に温泉に入る。

そしてオレは風呂あがりに女神アイアをマッサージする。

女神アイアに筋繊維1本1本は無し。

そして女神アイアは神界に帰る。

・・・

オレは「一歩ずつ前進する」ことを心がけることにした。

まずはアルファから依頼された量産型マサムネのこしらえ。

オレは、ガンテツから拵えの作り方を教えてもらいつつ作業する。

拵えっていうのは握る部分とか、つばの部分ね。

これは職人としての総合力が試される。

オレは物づくりにおいて他者からダメを出される経験が少なかったからさ。

ガンテツからしごかれるっていうのは良い刺激になるんだな。

良い修行になる。

・・・

量産型マサムネの鞘作りはオレ独自の手法で頑張った。

1つの植物にこだわらずに、いろいろなパターンを作ることにした。

ビワでアンデッドにダメージを与えるんじゃないか?とか。

トリカブトで麻痺にするんじゃないか?とか。

彼岸花で恐怖を与えるんじゃないか?とか。

黄色いエンジェルトランペットで笑い苦しむんじゃないか?とか。

青いガクアジサイで解毒できない謎の毒状態になるんじゃないか?とか。

赤いチューリップで肌が痒くなるんじゃないか?とか。

白いスイセンで吐き気を催すんじゃないか?とか。

ローズマリーで脳に血流が集まって頭が痛くなるんじゃないか?とか。

赤いガーベラで動作が緩慢になるんじゃないか?とか。

オレは思いつきと想像だけで作った。

良いか悪いかの判断はアルファに任せることにした。

・・・

人型ゴーレムへの学習は、イースにも手伝ってもらって、

オレ、イース、アルファの3柱体制でスパルタ教育を続けている。

今はまだ藁束を斬る学習だけど、

そのうち走り回る土製のゴーレムを斬るなんて学習になるだろう。

三重極大化したクリエイトゴーレムの魔法の場合、

学習しろという命令によって共有ライブラリが進化するのだ。

「学習しろ」

「アルファの型を真似ろ」

そんな命令でアルファの剣技を習得していくゴーレムたち。

オレたち神々は人型ゴーレムが強くなっていくのを見て、ワクワクする。

ゴーレムに負けていられないなと思った。

・・・

発酵関係で作ったのは柚子胡椒をイメージした合わせ調味料。

名付けて塩麹レモン唐辛子。

塩麹ブームっていうのあっただろ?

塩レモンブームっていうのもあっただろ?

その2つを混ぜて、青唐辛子のみじん切りを入れて辛くした。

味の調整にグルタミン酸ナトリウムをパラパラ。

それで完成だ。

ま。調味料を作るのに調味料を使うのは邪道かもしれないけどさ。

邪道がダメとか言っちゃうと、

めんつゆもタルタルソースも作れなくなるわけ。

それは困るからオレは邪道とか言わないよ。

美味けりゃオーケー。

便利ならオーケー。

オレは塩麹レモン唐辛子を使ったサラダドレッシングを作って、

みんなから評価してもらうことにした。

ドレッシングの材料はコレだけ。

・塩麹レモン唐辛子

・酢

・植物性油

それでは作り方。

生野菜を洗って切って、彩りよく皿に盛る。

レタスとかキュウリとかプチトマトとかはカットするだけ。

他の野菜は茹でるか蒸す。

ニンジン、ブロッコリー、グリーンアスパラガス、カボチャ。

肉っけがあった方がいい場合は、

薄切り肉をチョチョイと茹でて野菜の上に乗せる。

サラダドレッシングをかけたら、ハイ完成。

お好みで白ごま、フライドガーリック、ブラックペッパー、唐辛子。

このドレッシングを使えば、野菜嫌いのガンテツもシロもサラダを食う。

女神アイアとガーベラはパクパクパクパクとすごい勢いでサラダを食べる。

これにはルカもニッコリ。

・・・

洗濯機と乾燥機は、カムナビ温泉に5台設置した。

無料で使えるようにして、宿泊客にもガンガン使って貰ってる。

これで洗濯機と乾燥機は実用に耐えるってわかったので、

設計書を書いてリファレンスを作った。

フクロウ便でエルフの里に設計書と手紙を送ったら

飛空船ジュールベルヌに乗ってエルフの技術者が

カムナビ温泉にやってきた。

洗濯機と乾燥機のリファレンスを渡したから、

エルフのビジネスパーソンが洗濯機と乾燥機の価値を認めてくれれば、

そのうち商品化するだろう。

もしも商品化されなかったら設計書とリファレンスを返却してもらって、

ドワーフの里に持ち込むだけだ。

・・・

揚げ物作りの救世主となるフライヤー。

フライヤーの構造は水と油の二層構造にした。

水と油だと比重が違うから水が下になって、油が上になる。

芋は油に入れた瞬間は沈むけど、揚がってくると浮かぶ。

こんな感じ。

・・・

壁※芋※芋※芋壁

壁※※芋※芋※壁

壁※芋※芋※※壁

壁網網網網網網壁

壁電電電電電電壁

壁※※※※※※壁

壁水水水水水水壁

→水水水水水水→

壁底底底底底底壁

・・・

※が油ね。

水と油の境界より上に電熱線を配置して油だけを加熱。

水と油は対流しないので底にある水は冷たいまま。

小さい揚げカスは網からこぼれて水の底に沈む。

だから揚げカスが熱せられることが無い。

だからコゲ臭さが油につく可能性が減る。

水の底にカスが溜まるから、

底に穴を開けて水だけを交換できるようにした。

電熱線の回路は雷石を使った。

200度くらいまで油を加熱できる。

それ以上は加熱できないよう、

サーモスイッチを組み込んだ。

バーレルドールにも組み込んだ機構で、

一定温度を保つ時によく使うスイッチだ。

2種類の金属板を重ねて作る。

金属の種類によって高温になった時の曲がり具合が違うから

機械的なスイッチと同じ感じで、接続したり離したりできる。

・・・

それからフライヤーを作っていくなかで副産物として

アイデアが出たのがスープを取る時の寸胴だ。

動物の骨からスープを取る時、脂を長時間加熱せずに取り出したい。

動物性の脂って豚脂とか牛脂とか鶏油に近くて美味しい風味がある。

・・・

壁↓↓↓壁↑↑壁

壁※汁※壁※※壁

壁汁※汁壁※※壁

壁※汁※壁※※壁

壁汁※汁壁※※壁

壁※汁※※※※壁

壁汁汁汁汁汁汁→

壁汁汁汁汁汁汁壁

壁底底底底底底底

火火火火火火火火

・・・

※が脂ね。

これっておそらく元の世界のグリストラップみたいな構造だ。

左上から未完成のスープを注ぎ入れ、右上から脂を取り出し、

右下からスープを取り出す。

オレとしてはラーメン作りをそろそろ目指したい。

寸胴には脂はあまり浮いていない状態にしておき、

まずは丼ぶりに醤油ダレをタレ専用ひしゃくで1杯。

そこにスープをスープ専用おたまで1杯。

仕上げに脂を大さじ1杯。

そんなオペレーションにしたい。

・・・

ファルコン号に乗って外出するのは、当面は火曜日と木曜日だけにした。

朝食後、外出メンバーたちが日々の家事をしたらファルコン号で出発。

必須メンバーは、オレ、ルカ、たま、ガーベラ、シロ。

ミラ、イース、アルファ、ルーシィの4柱と

ラビィ、オインク、モモカ、ユカリ先輩、

セイヤ、クルマニー、ポピーの7人は

希望者からローテーションとかジャンケンで選ばれる。

現状のファルコン号の性能では、

ダンジョン到着まで8時間以上かかる。

つまりダンジョン内に入れる時間はゼロ。

ほぼ上空から地上を見るだけの空の旅だ。

じゃあ無駄なことをしているのか?

オレはそうは思わない。

ダンジョンまで着けないなら、それはそれ

狩りの対象の草食竜や小型肉食竜を発見したら、

ファルコン号からフライで飛び立って着陸し、ハンティング開始。

ぱーぷー。

狩猟クエスト成功で剥ぎ取り。

物欲があまり無いからか、物欲センサーが邪魔しない。

けっこう良質な素材が集まる。

下竜の皮、レッサードラゴンスキンとかね。

ホクホクだぜ。

自然のお花畑を発見したら毒がないかチェックして、

問題なければピクニック。

ガーベラ、たま、ラビィ、ホビット2人が大はしゃぎ。

滝が見つかったら滝の傍に着陸し、

みんなでマイナスイオンを浴びる。

滝の傍で水浴びしたりね。水着着用だぞ。

良さげな森があれば、森の中で森林浴。

森の中で、森の守護をしているデカイハムスターと戦った。

メスだったのでハムコと名付けてペットにしようとするものの、

ルカとシロからペットはもう十分と言われたので諦めた。

そういうさ。

目的地に到着するまでの過程も旅なんだよ。

そしてもちろんというか残念ながら目的地には到着できず夕方を迎える。

女神アイアがルカの傍に転移してきて、

みんながファルコン号に乗っていることを確認したら、

ファルコン号ごと空間転移。

カムナビ温泉に一瞬で帰還だ。

・・・

まあ。

オレは胸を張ることは出来ない。

まだ、目的地であるダンジョンには到着出来ていないからね。

ファルコン号の高速化が必要だ。

オレがファルコン号に乗っている時間は

ファルコン号用の空力機関の開発に費やしている。

今回はヘビ型ゴーレムの胴体の回転をイメージして開発している。

以前、ガンテツ、イース、ミラとこんな会話をしたんだよ。

・・・

「…むう。ヘビの動きを観察して思ったんじゃが、

胴体部は単純な円柱でない方がいいかもしれん。

更なる進化の余地ありじゃな。」

「胴体も回転させるんでしょ♪」

「なるほど、スクリュー回転の併用ですね。」

なにぃ?胴体をスクリュー回転?

・・・

ヘビ型ゴーレムにスクリュー回転をつけるのは保留にして、

ファルコン号にジェットタービンを搭載する。

ジェットタービンだぞ?

もはやゴーレム(人形)という概念を超えてるだろ?

三重極大化を実現する「限界拡大」スキルのおかげだ。

(オートクラフトメニュー!)

オートクラフトメニュー経由で、

ファイバーコントロール、リグニフィケーション。

タル材を素材にして木製のタービン模型を作成した。

うーむ。

かっこいい。

元の世界の飛行機の翼の下に搭載したい。

さてさてさーて。

完成したタービン模型に、

おまちかねの三重極大化したクリエイトゴーレム。

(トリプルマキシマイズドマジック!クリエイトゴーレム!)

オレはタービンゴーレムにプログラミングした。

学習せよ。

高速回転しろ。

風を起こせ。

タービンゴーレムジェットエンジンバージョン1。

Turbine Golem Jet Engine Version 1。

これを略してTGJEV1だ。

今はオレが設計と構造を繰り返し、

ゴーレムが学習して人工知能ライブラリを充実させる時期だ。

たしかに送風できているけど、ブルブルブルブルと振動が激しい。

これじゃあ効率が悪すぎる。

ファルコン号に搭載可能になるのはTGJEV3あたりになりそうだ。

オレの物づくりってバージョン3くらいでマトモになるんだよ。

V1とかV2はマトモじゃないわけ。つまりまったく使えない。

IT業界で働いていたからかな。

習慣というか癖になってるのかもしれない。

・・・

ある日のこと。

ファルコン号の乗員としてオインクが参加していた時のことだ。

オインクはガーベラの遊び相手になってくれていた。

「23+39は?」

「52!」

「ブー。62でした。」

(おしいから。ほぼあってるから。)

遊びというか算数遊びか。

たまは、どういう役割なんだ?

(たまがみまもってるから。)

たまは見守り役か。頼むぞ。

ちなみにルカとラビィはファルコン号を操縦することが多い。

シロはルカとラビィの傍にいて風魔法のサポート要員。

ルカもラビィも、もふもふしながらの操縦だから飽きないと言っていた。

・・・

ガーベラ、オインク、たまは算数遊びをずっとしていたのだが、

ガーベラが少し疲れたということタイミングで、

オインクがオレの元にやってきた。

オレはその時、TGJEV2を試作していた。

「ウノさん。これくらいの木板を沢山作ってくれませんか?」

オインクが示した大きさは名刺サイズ。

いいよ。何に使うんだ?

「算数カードです。」

ああ。ガーベラに出す問題を書くのか?

「表に問題を、裏に答えを書こうかと思って。」

いいよ。

とりあえず100枚作ろう。

オレはTGJEV2の試作品をアイテムボックスに収納した。

そうだ。

ちょっとここに座って、オインク。

おーい!

ガーベラ~!

たま~!

ちょっとオレの仕事ぶりを見て~!

「見るー!」

(みるから。)

じゃあ、オレが木魔法で木板を次々作るからさ。

(オートクラフトメニュー!)

そこからの、ファイバーコントロール、リグニフィケーション。

一旦セーブして、読み込んで、マクロ実行。

オレは木板を量産した。

木板がパタパタと言う音を立ててどんどん積み上がる。

見て~!

「すごーい!」

(ふつうだから。)

オインクは完成した木板にえんぴつで問題と答えを書き始めた。

算数カードが100枚完成した。

「ガーベラ。このカードで勝負しよう。たまは審判をしてほしい。」

「どうやるのー?」

(たまのみまもりは、しんぱんでもあるから。)

子供の神たまが審判するならフェアだな。

安心して見守り役を任せよう。

・・・

オレはTGJEV2の試作品を手でもてあそびながら、

チラチラとガーベラとオインクの勝負を見守る。

たまがぽよんと、1枚の算数カードにこうげき!

ガーベラとオインクがそのカードに注目する。

計算中か?

「8234!」

ガーベラが声を出して、スパンとカードを裏返した。

くるくるとカードを裏がえして見せびらかす。

「えーと?問題が369+7865…裏の答えは8324。あってる。」

答えを確認したオインクが驚いている。

ガーベラがオインクより早く計算してカードをゲット。

(さすがガーベラだから。)

えーと?

オレも計算してみよう。

あれれ。TGJEV2の試作に集中していたせいか、

脳みそが計算モードじゃなくなっている。

とてもじゃないが暗算出来る気がしないぞ。

オレは木板とえんぴつを取り出して筆算することにした。

369

+7865

-----

=8234

筆算してようやく答えを出した。

それをガーベラは暗算か。

凄いな。ガーベラ。

天才児かよ。

待てよ?

オインクはスラスラと算数カードを書いていたぞ。

つまりオインクもスラスラと暗算できるってことか?

わざと負けてくれたのか?

オインクはオレのダダ漏れに気づいたのか振り返った。

そしてニコッと笑ってフルフルと首を左右に振った。

小声でオレに言う。

(僕は今本気でやってガーベラに負けました。)

そっか。ふぅーん。

ガーベラも凄いけど、オインクも凄いぞ。

そのカードゲームの発想とかさ。

いきなり遊べるマトモなのを作るところ。

とりあえずもう400枚ほど木板と、木板を収める箱を作っておくよ。

それで計算カードを増やしてくれよな。

「え?え~?」

ふっふっふ。

乗りかかった飛空艇だろ?

頼むぞ。

・・・

ある日のこと。

乗員にとクルマニーとポピーが参加していた時のことだ。

オレはホビット2人にダダ漏れで話しかけた。

クルマニーとポピーは、氷魔法が使えるんだよな?

「もちろん使えるべ。」

「そんだな。使える。」

どういう経緯で氷魔法が使えるんだ?

「あれ?言ってなかっただか?」

「教えるって言って、教えてなかったんだべ。」

そうそう。

その話が聞きたかったんだよ。

ずっと忙しかったから聞けてなかった。

えーと?

旅の途中で覚えたんだっけ?

「んだな。」

「氷の魔石の欠片だべ。」

氷の魔石の欠片?

氷の魔石?

初めて聞いたぞ。そんなのあるの?

「人間の街のダンジョンで拾えるべ。」

「欠片を集めると氷魔法が使えるようになるんだべ。」

なにーい?

オレたちが向かおうとしているダンジョンで?

集めると氷魔法が使えるようになる魔石?

もしかして人工知能アインの仕業か…?

もしかして総合メニューの新アイテム作成か…?

いや。

待てよ。

総合メニューは神しか使えない。

神となって神界で箱を直接操作するか、

神となって降臨エフェクトをゲットして、その隠しメニューからでないと使えない。

となると神々のうち1柱か2柱が関わっている。

ふーむ。

…氷の神と土の神が人工知能アインに渡したか?

土の神の身代わりとしてダンジョン管理者となった人工知能アインへのお礼。

ありうる…。ありうるぞ…。

オレには、それしか考えられない。

…ま、いいか。別に害はないし。気楽にいこうぜ。

「アナタも。そこのアナタも。誰もが氷魔法を覚えることが出来ます!」

「さあ、今すぐダンジョン突入!」

「今がチャンス!お見逃しなく!」

どっかの通販番組みたいな感じで、冒険者をガンガン呼び込んでいるんだろう。

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