土魔法
オレは回復魔法ではヒール、キュアが使える。
キュアはスキルポイントを消費して取った。
僧侶だからキュアは必要だと思ったんだ。
毒とか麻痺の状態異常の回復手段は必要だろ?
土魔法では、ストーンバレット、スネア、サンドストームが使える。
サンドストームは消費スキルポイントゼロでゲットできたやつ。
ラッキーだった。
掃除スキルも洗濯スキルも消費スキルポイントゼロだった。
神聖魔法のターンアンデッドも消費スキルポイントゼロだった。
消費スキルポイントゼロで取れたのが多いので、
レベルアップ時にゲットしたスキルポイントは結構残っている。
さてどうしようか。
ここはやはり土魔法だろう。
ストーンオブジェクト。石製の構造物。間違いなく便利。欲しい。
ピット。落とし穴。これも鉄板で便利だろう。欲しい。
ストーンウォール。石の壁。主に防御手段。便利。欲しい。
ロックフォール。岩が落ちてくる。攻撃手段。パスかな。
アースクエイク。地震。これって上級魔法じゃないの?中級なんだ。でもパス。
グラビティコントロール。重力操作。モンスターを動けなくする。中級。パス。
クリエイトゴーレム。ゴーレム作成。中級。夢が広がる。欲しい。
スキルポイントが残っていると言っても、
欲しい4つの魔法を全部取れるほどじゃない。
特にクリエイトゴーレムは中級だから消費スキルポイントが多い。
ストーンオブジェクト、ピット、ストーンウォールは
消費スキルポイントが低い。その割りに便利なのは確実。
ゴーレムは便利なのかどうか怪しいんだよ。
でも浪漫って大事だろ?
ああ。スキルポイントがもっと欲しい。
・・・
結果として、ストーンオブジェクトとクリエイトゴーレムを取った。
ピットとストーンウォールは次回にしよう。
まず、ストーンオブジェクトをうまく使えるように訓練する。
目標は第一階層の真・セーフエリアに風呂場を作る。
あそこは冒険者の人気スポットになっている。
風呂場があればいろいろ便利だろう。
お湯の方は利用者にどうにかしてもらう。
きっと水魔法と火魔法でどうにかなるだろう。
MPが自動回復するから、ボランティアでお湯を沸かしてくれるかもしれない。
トイレは真・セーフエリアのすぐそばから第二階層に降りて
ほんのすぐの場所にあるから、それで足りるだろう。
・・・
第一階層の真・セーフエリアに似た感じで
ダンジョン内の他のセーフエリアでストーンオブジェクトを使って
生活基盤というか迷宮別荘を作ろうと思っている。
最初のセーフエリアで寝ずの番をしてたときから考えていたんだ。
石の壁があれば、とかトイレをどうにかしよう、とかを
本気で対策しようと思ってさ。
第三階層のアンデッド地帯の奥にセーフエリアがあるんだけど
迷宮別荘の場所はそこにしようと思ってる。
そのセーフエリアは何回掃除しても真・セーフエリアにならなかった。
せめて石の壁、寝場所、トイレを作って便利にしておきたい。
せっかく作った迷宮別荘は大事だ。
アンデッド達に汚されたり壊されたくない。
そこでゴーレムに守らせる。
ゴーレムに服を着せて
背中には「モンスターが近づいたら教えます。」
お腹には「僕が掃除してます。なるべく綺麗に使ってね。」
これで物好きな冒険者が迷宮別荘に訪れたとしても汚すことはないだろう。
完璧なアイデアだ。
はははは。
ゴーレムは攻めでなく守りに使う。
でも守り一辺倒ではないんだな。
攻めの姿勢ですよ。
迷宮別荘作りというのはダンジョン内に秘密基地を作るようなもん。
男の浪漫だろう。
・・・
第一階層の真・セーフエリアにストーンオブジェクトで風呂場を作るのは、
いろいろ紆余曲折して時間がかかったが、どうにか完成した。
住民っぽいのがいて、先住権がどうのとか言って困った。
ステラが論破してからは、先住民が文句を言わなくなって工事が捗った。
ただし、ステラの機嫌を取る必要がでてしまい、
男性用と女性用の2つの風呂を作ることになった。
密かに考えていた男女混浴の野望は潰えた。
ステラが言うには女風呂に風魔法で結界を張るので
覗きとかは心配しなくて良いらしい。
・・・
オレ?
オレは絶対に覗きはしない。
男女混浴と覗きは似ているように感じるかもしれないがまったく違うのだ。
それは大自然のおおらかさを愛でるのと、下衆な欲望との違いだ。
うん?
諦めてるから。
ぜんぶ独り言だよ。
・・・
真・セーフエリアの風呂場は無事に運用されている。
水魔法が使える冒険者と火魔法を使える冒険者が無料でお湯を沸かしてくれる。
MPが自動回復する場所だから気前がいい。
「俺が沸かしたお湯は気持ちいいだろう?」
なんて感じで自慢気だ。
オレ?
オレは感謝しかない。
異世界モノの小説を読んでた時は、
ダンジョンの中で風呂に入るなんてバカな話だと思ってた。
それが今は、ダンジョン風呂に入るのは
この世界で最高の幸福なんじゃないかと本気で思ってる。
異世界小説マジリスペクト。
ありがたや、ありがたや。
感謝の気持ちで風呂掃除をする。
男性用の風呂は、浴槽も洗い場もキュッキュッと音がなるくらいだ。
気持ちいいね。
風呂は命の洗濯なんてね。
しかし掃除スキルなのか洗濯スキルなのか、またもやスキル効果が斜め上に発動。
オレが風呂掃除した後の風呂に入ると、美肌効果でシミ、シワ、クスミが消える。
男ぶりが3割上がる風呂だと評判になった。
ダンジョンで男ぶりを上げてどうするのか?
出会いを求めるのだろうか?
いっとくがオレは風呂の責任者じゃないぞ。
風呂掃除するのがオレの役目みたいに言われると、少しむかつく。
それに備え付けの石鹸はオレの持ち出しのサービスだぞ。
レンタルのきれいな布はオレの個人資産だぞ。資産運用だぞ。
盗まないでほしい。
今晩もみんなをマッサージした。
マッサージをサボリたいけどサボらせて貰えない。




